2008/08

南アルプス

聖岳・赤石岳

前回乗鞍岳に登頂したことで、国内の 3000 m クラス 21 座のうち 20 座が完了し、
いよいよ最後の塩見岳に出かける予定だったが、電車を使わないとことで
直前にちょっと面倒なことになってしまい、急遽マイカーに変更すること。

変更先を検討した結果、天気に恵まれてなかった聖岳や赤石岳に再挑戦する
ことにして、同行予定の翔さんとも合意の上、出発の半日前に変更確定。

当初は月曜の夜から出発予定だったが、火曜日の天気が悪く、
週末が近づくほど晴天の可能性が高かったことから、予定を一日延期することに。
直前になって天気に合わせて日程を自由に変更できることは、
登山を行う上では、とても強力な武器なのだ。

08/05 (火)  調布 → 東名川崎 I C → 清水 I C
08/06 (水)  清水 I C → 畑薙第一ダム先駐車場 → 聖沢登山口 → 聖平小屋泊
08/07 (木)  聖平小屋 → 聖岳 → 兎岳 → 中盛丸山 → 百間洞山の家泊
08/08 (金)  百間洞山の家 → 百間平 → 赤石岳 → 赤石岳避難小屋泊
08/09 (土)  赤石岳避難小屋 → 赤石岳 → 東尾根 → 椹島 → 駐車場 → 帰京

08月 05日 (火)     曇り 後ち 雨

19 時半に稲田堤駅で待ち合わせだったが、翔さんが一時間間違えて
早く着いてしまったそうだ。    私は少し早く着くように出かけるつもりだったが、
準備に手間取ってしまい少し遅れて到着したが、無事に合流。

東名川崎 I C から高速道路を走り、海老名 SA にて休憩。
ETC割り引きを利用したかったので 0 時過ぎに東名を降りる予定だったが、
時間が早過ぎるので、晩御飯と登山の検討をしばらく行う。

清水 I C で降りるまでの間、何回か物凄い激しい雨に遭遇。
雨で前が見えず、前を走るトラックのテールランプだけを頼りに走るシーンも。
かと思うと、少し先では全く雨が降っていないこともあり、随分局地的な雨だ。

東名を清水 I C で降り、国道 1 号を走った後、 362 号へ入る。
いつもなら 60 号を走って井川へ向かうのだが、井川ダムの所で土砂崩れがあり、
迂回が必要となっていた為、今回は 362 号を走ってみることにした。

夜中に初めて走る道は迷う可能性があるので、ちょっと面倒だ。
翔さんはお疲れのようで、途中何度も寝たり起きたりの繰り返し。 ( 笑 )

途中、時間帯により通行止めの箇所もあったが、
ちょっと進んでみたら、区間も短くあっという間に通過できてしまった。
あんな所で朝まで待っていたら予定が狂って、とんでもないことになってしまう。
その後、何度か迷いそうになったこともあったが、無事に井川湖を過ぎて、
畑薙第一ダムの方へ向かい、いつもの臨時駐車場に到着。

外に出て空を眺めると、東名高速の時とはうって変わって星がたくさん輝いている。
もしかして明日は晴天かな?    とりあえず疲れたことだし、車内で眠ることに。
それにしても毎回思うけど、ここへ来るまでの一般道は長い!!

08月 06日 (水)     晴れ 後ち 曇り 一時 雨

目が覚めると、外は明るくなっている。
空は青空が広がっていて、晴天じゃないか〜〜
悪天の予報だったので、結構嬉しい。

最初の送迎バスが 8 時だと思っていたので
マッタリしていたら、臨時便が早く来るらしく、
急いで準備に取り掛かる。

急いで乗車の手続きをしたのに、
人数が一杯にならないと発車しないようで、
バス乗り場でちょっと待つことに。

あと少しらしいけど、なかなか人数が増えず、
結構待たされてしまったが、
7 時半頃、ようやく出発〜

離合できない狭い道がグネグネと続き、
ところどころバスがバウンドするぐらい道が悪い箇所もある。

東寄りの山の稜線上には、この時間なのにもう積乱雲っぽい
ヤバそうな雲が、ベッタリと湧き出していた。  ( なんか嫌な予感が・・・ )

40 〜 45 分ぐらい走ると、聖沢の登山口に到着。
聖岳方面へ向かう客はここで降りるが、多くの登山者はそのままバスで椹島まで向かう。

今日ここで降りたのは、全部で 3 人だけ。
一人の方は遅いからということで、先に出発された。

5 年前にここへ下山して来た時のことを思い出す。
あの時はずっと雨に降られて、結構大変な山行だった。
今ここで晴れているけど、なんか不思議な感じだ。 ( 笑 )

登山道を登り始めると、なかなか急な坂道が続く。
こんなに急斜面だったっけかぁ・・・?

樹林帯だから良いようなものの、
ちょっと日向に出ると、汗が噴き出してとんでもない。
前を登っている翔さんの荷物が軽そうで羨ましい・・・

スタートして最初の 30 〜 40 分程度は結構きつい。
高度計をみると、凄い勢いで高度が上がっている〜〜

向こう側の山の稜線の積乱雲らしき雲を見ると、
今日の午後の天気が気になってしまう。
今日は雨降っても良いけど、明日は止めてくれ〜〜

途中で吊り橋を渡る所もあるが、結構揺れてスリリングだ。
人が全然いないから、すれ違いの待ち時間が無くて良い。

今日は登り一辺倒だし、周囲の景色も
楽しめるわけではないので、精神的にも疲れ易い。
おまけに、クソ暑いしねえ〜〜〜  ( 汗汗汗!!! )

だいぶ登って来た所で、ちょっと広めの場所があった。
時間的にもちょうどお昼だし、ここで長めの昼食休憩。

久しぶりに湯沸かしセットを使って、
アルファ米でワカメ御飯を作ってみた。
湯沸かしセットを使うのは久しぶり〜〜

湯沸かしセットなどを広げるのは晴天時だけで、天気が怪しい時は広げない。
途中で雨が降り出すと、急いで片付けるのが大変だからだ。

体が疲れたので、御座でも引いて横になりたいねぇ。

30 分以上ゆっくりし、一段落したので出発することにしたが、
さっきまでの青空は姿を消して、いつの間にかグレーの空に変わっている。
なんか随分雲行きが怪しくなってきた感じだが、大丈夫だろうか・・・

休憩を終えて、とりあえずそのまま出発したが、
案の定 1 〜 2 分でポツっときたので、とりあえずレインスーツを着用。
すぐに雨が降り出すことはなかったが、どんどん雲行きは怪しくなり、
周囲はガスに包まれて、何も見えない状態に。
まだ 13 時台前半なのに樹林の中は結構薄暗くて、気分的には 17 時頃の感じだ。

そのうち、翔さんがちょっと具合いが
芳しくないそうで、しばらく休憩。
寝不足や運動不足、もしかしたら
高山病もちょっとあるのだろうか・・・?

少し前に激痩せがある為、それも原因かも。

とりあえず大丈夫そうということで出発する。

小雨も降っていて景色は殆ど見えず・・・
でも背景が真っ白でも
翔さんは携帯で写真を撮っていた。

霧に包まれた幻想的な雰囲気も良いんだけど、
レインスーツはやっぱり蒸れるし面倒臭い。

しばらく歩いているうちに、近くを沢が流れるようになる。
右側に沢が見えるちょっとだけ広めの場所に来ると、
以前ここで田舎が一緒だった人と偶然一緒になり、話をしたことを思い出した。
わざわざ九州からいらしていたのに、ずっと雨続きでお気の毒だったねぇ。

しばらく登って勾配は緩くなってくると、以前歩いた時、
沢に沿った樹林の中で木道を歩いた記憶が蘇る。
確か木道が出てくれば、聖平小屋はそう遠くない筈・・・

しかし進んでも、なかなか木道が出てこない。

おかしいおかしいと思いながら歩いているうちに、左前方にテントが見え始め、
聖平小屋に到着してしまった。    木道はもう無くなってしまったのかな・・・?

とりあえず受け付けをしてもらう。
送迎バスの前払い領収書を出したら、うちは東海フォレスト系じゃないとのこと。
そうだったっけかぁ・・・・・      失礼しました。 ( 苦笑 )

今日寝るところは 2 階。
1 階は結構人が大勢いたが、2 階はガラガラだった。

このままガラガラならラッキーなんだけどねぇ。
平日だし、ちょっと期待できそうだ。

その後、玄関にあったお菓子とお茶を頂く。

外に出て見ると、雲はまだ立ち込めている。
雨は上がっていたが、この後はどうだろうねぇ・・・

まあ明日以降の天気が良ければ良いのだから、
あまり気にするのは止めよう・・・

本館の前に建っていた旧館は、今はもう無く、
現在は本館横に冬季小屋が出来ていた。

食事まではちょっと時間があったので、
2 階でしばらくゴロ寝することに。

翔さんも疲れて、ビールどころじゃない様子。 ( 笑 )

食事は比較的質素な感じだが、
本来はこんな感じが普通なのかもしれない。
設備の進んだ北アルプスの小屋を
基準に考えてはいかんのかもね〜

具合い悪そうだった翔さんも
食事はまあまあ食べられた様子。

食事の後、ちょっとコーヒーを飲むことに。

翔さんがマイカップを持参されていないので、
小屋の湯呑み茶碗を借りて飲むことにしたが、
湯呑みにセットすると格好悪いねぇ〜 ( 笑 )

風があったので、バーナーの防風が面倒だった。

それにしても平日の 18 時台なんて、まだ普通の人は仕事してそう〜〜
人が仕事している時に、こんな自然の中でマッタリした時間を満喫できるなんて
なんて幸せなんだろうねぇ・・・

行きの車中でも、歩いて登って来た時も、よく翔さんと話したけど、
この自由時間の有難味はきっと経験しないと分からないんだろうねぇ〜 と。

労働収入で生計を立てている限り、働き続けないといけないから
自身の人生の中の多くの時間を労働に取られてしまうことになるけど、
自分以外のもの ( システムでも資産でも ) を働かせて収入を得られるように
してしまえば、自分の人生における自由時間は爆発的に増加する。
働けなくなって困る問題を解消できるだけでなく、仕事の制限を受けずに
好きなことを好きなように自由にできるようになるのだ。
実際に体験すると、本当に良いことが分かるんだけど、
なんで普通の人がやろうとしないのかが、いつも不思議でしょうがない。

夜は結局人が増えなかった為、ゆったりしたスペースで寝ることができた。
ここは布団ではなく、寝袋の提供だ。 ( 以前そうだったっけかな・・・ )

ここはトイレが 100 m 程離れた外にあるので、
夜中に一度トイレに行った時に外に出たけど、今夜はあまり寒くなかった。
ついでに夜空を見上げたら、物凄い星の数だ〜〜!!
満点の星空で、しかも天ノ川までよく見える。   実は星ってあんなに多いんだねぇ・・・

折角なので写真を撮ろうと思い、寝床へ戻ったけど、星が見えるとは思ってなかったので、
寝る前にカメラの準備をしてなかったから、カメラと三脚を持ち出すのに苦労した。
ライトを点けると周囲の迷惑だし、ビニールをガサゴソやるのは、
すごく耳障りな音がするので、これまた大きな騒音迷惑になるからだ。

なんとか準備して、外で星の撮影をしてみる。
星の写真は露出が難しいので、もう勘でやるしかない。
40 分ほど外で撮影していたけど、ちゃんと撮れたかな?

晴天の時は放射冷却で冷えるんだけど、
冷え込まないのは天気が怪しいのだろうか?

でも満点の星空だし、明日からは天気も安定してくるという予報だったから、
たぶん大丈夫だろう・・・       ってことで、小屋に戻って再び寝袋へ。

08月 07日 (木)     快晴 後ち 曇り 一時 雨

目が覚めると 4 時近かったので外に出て見ると、
東の空が綺麗に明るくなりかけている。
日の出までにはまだ時間がある。

学生らしきテント泊の集団がテントを撤収して
ぞろぞろともう出発している。

今日は朝早めに聖岳に登りたかったので、早い時間に出発しようと
朝食は弁当にしてもらっていたが、結局小屋の前で食べてしまった。
朝食の代わりの弁当はでかいおにぎりが一つだったので、
昨夜近くで寝ていた客の人が、質素過ぎるとやや不満気味だった。

翔さんがヘッドランプを持っていないので、樹林帯の中が暗いことを考慮し、
もう少し時間をおいて、4 時半頃になってから私たちも出発する。

短い樹林の区間を出ると開けた木道になり、
陽は出てなくても、もうすっかり明るい。

若干樹林っぽい斜面を登って行くうちに、
だんだん日の出の兆しが出てくる。

上空を見る限りでは雲が殆ど見当たらないので、
今日は良い天気が期待できそうだ。

日の出付近にある雲が隠れた朝日に
照らされて、赤く染まっている。
日の出はもうすぐだねえ〜

しばらく登って行くと開けた所があって、
ザックがデポしてあった。
空身で聖岳を往復する人なのかな・・・?

ここで太陽が顔を出したので、
私たちも記念写真を撮ってから先へ進む。

樹林を抜けてしばらくすると
展望が開けてきて、
東の方に富士山が見えてくる。

斜面を斜めに登って行くと、
ちょっと広めの休憩できる場所に到着。
小聖岳だ。

ここでしばらく休憩することに。

以前聖岳から降って来た時は、そういえばこんな所を通ったような気がするなぁ〜
ぐらいの記憶しか残っていないが、晴れているとこんなに素晴らしい眺めなんだねぇ・・・

聖岳からの眺望に期待が膨らむ。

富士山はちょうど朝日の為、
シルエットに近い状態で輪郭しか見えない。

南側には、上河内岳から茶臼岳への稜線が綺麗に見えており、
きっと赤石岳方面も素晴らしい景色が広がっていることだろう。

でもここからの登りが厳しいんだよねえ〜〜〜!!

小聖岳を出発してしばらくすると、急傾斜が始まる。
荷物が軽めの翔さんはわりと先を進んでいるねえ〜

たまに写真を撮ったり、糖分補給の為に
お菓子を食べたりと、ちょこちょこ休んでいたら、
結構差がついてしまった。

目の前に見える稜線らしきラインは、
確か一段手前のもので、実はその奥に
もう一つ厳しい斜面が待っていたような
気がしたので、あまり期待しないでノロノロと登る。

それにしても、
後ろを振り返る度に思うけど、
本当に良い景色だねぇ・・・

晴れてて良かった。

休みながら登りはするけど、
やっぱり厳しいねぇ・・・  この登り。

いや〜、青空は美しいけど。 ( 笑 )

どうやら翔さんには追い付けなさそうだ。

ようやく斜面を登り詰めると、そこは聖岳の山頂だった。

前回聖岳に来た時は、
一応晴れっぽい感じではあったけど、
周囲にガスが多くてあまり綺麗な展望は
望めなかったが、今日は素晴らしい展望だ〜♪

山頂からは、一気に北側の眺めも広がる。

今朝は快晴で殆ど雲が無く、
ずっ〜と遠くの山並みまで見渡せるじゃないか〜!
素晴らし過ぎる展望だ。

中央アルプスよりもっと遠くに、
北アルプスが見えていて、
槍穂高連峰だけは、はっきり分かった。

やっぱり槍ヶ岳って
どっからでも分かるよねえ〜 ( 笑 )

北東側には、前回はガスで何も見えない中歩いた
兎岳や中盛丸山が綺麗に見えており、
今日は快適な歩きができそうで、期待に胸が膨らむ。

山頂で記念撮影〜〜♪

  聖岳   標高 3013 m

右奥には赤石岳。

一通り周囲の写真を撮ったり、
記念写真を撮ったりして展望を満喫。

今日は奥聖岳は行かずに、
手前の所から写真だけ撮った。

聖岳の山頂は、東西に長い。

まあ、あまり離れると、
山頂って感じではなくなるけど。

山頂から登って来た斜面を見下ろすと、
聖平小屋の赤い屋根が見える。

ここから眺めると、結構近そうだけど、
登って来るのは大変だよ・・・

今日は歩く工程もちょっと長めなので、
そろそろ満喫気分にも終止符を打って
先へ歩き出すことにする。

8:20 頃に聖岳山頂を後にし、
兎岳を目指して降り始める。

山頂からの降りは結構急で、
ちょっと面倒な降りが長〜く続く。

結構標高を下げるぐらい降るので、
右手に見える赤石岳の感じも変わってくる。
やや下から見上げるぐらいの方が、
山は大きく貫禄があるように見えるからね〜

赤い岩が露出している所を通過してしばらく降ると、聖兎のコルに到着。

結構疲れたので、ここは当然休憩だ。  小腹も減ったのでパンを食べる。
向こう側からやって来る登山者もここで、ちょっと休む人は多いけど、
場所はそんなに広いわけじゃないので、大勢は休めない。

前回はここから登る時、ガスのせいで前を歩いていたおじさんが道を間違ったけど、
やっぱり晴天で見通しが良い時は、間違えそうにないね。
また前回疲れて丸太のような所に座って休憩した記憶があるんだけど、
どうもどこだか分からなかった。    結局この辺だったのかなぁ・・・

この辺の左手側は聖岳大崩壊地となっていて、
結構切れ落ちている。

前回はガスで見えなかったせいか
覚えてないけど、近くで見ると結構迫力ある。

休憩を終えて、これから兎岳への登りだけど、
これまた結構な急登だねぇ・・・
またあんなに登るかよぉ〜〜、
というぐらい兎岳が上の方に見えるじゃないか。

聖岳の山頂にいた頃は、快晴の素晴らしい天気だったけど、
さすがに地表面が熱くなるのが早いらしく、
もう周囲にはガスがあちこちから湧き出している。
そのうちまた周囲が見えなくなるんだろうか・・・
今日は兎岳の山頂でちょっと景色を見たいんだけどなぁ〜

そのうち兎岳非難小屋の所に出るが、
現在は小屋は無く、
土台だけが向こうの方に残っているだけだった。

あれではテントがないと使えないねぇ。

その先には見覚えのある、ちょっと平になった場所があり、向こうから降りて来る人がいた。
すれ違う人が少ないから、ちょっと新鮮な感じもする。

すれ違う時に、避難小屋でテント泊をするつもりだけど水場があるかを聞かれたが、
水場は確認できなかった旨を伝えた。  テント泊時は水が無いと結構困るからね〜

そのすぐ上の斜面をテント泊装備らしき集団が登っている。
たぶん暗いうちに聖平小屋を出て行った学生さんたちだろう。
登山道が混みそうだったので、更に先へ行くのを待ちながら、しばらく休憩する。
しかしすぐ先の急登を登ると、すぐ兎岳だった。

小兎岳に着くとまたしても休憩で、お菓子をボリボリ・・・
とりあえず糖分はたくさん補給したいのだ。

ちょうどこの辺でお昼時を迎えているので、
今日のペースとしてはまあ良い感じ。
百間洞山の家にも 15 時頃には到着するだろう。

前回はちょっと無茶な工程だった為、17 時前に着いて注意されてしまった。( 笑 )

勿論ここで休憩だけど、朝のような素晴らしい展望とはいかず、
半分近くはガスに巻かれている感じだ。

聖岳からの稜線も南側はすっかりガスに包まれているが、
北側の谷間には全くガスが無く、綺麗に見えている。
椹島の方は綺麗な青空が広がっているけど、
中盛丸山を境にして西側はすっかりガスで見えない。

前回は周囲が全く見えなかったので、それに比べればだいぶマシな景色だけど、
もう少し周囲の景色を見たかったなあ〜、って感じだ。

兎岳を出発しようとした時、兎岳の背景に
青空が広がったので、記念写真を撮ろうとしたけど、
すぐにガスが舞い込んで来て、
結局ここでの青空写真は撮れずに終わった。

小兎岳までは緩くて楽な登りだったが、
直射日光を受けているので、兎に角暑い!!

向こうから二人の登山者が別々にやって来た。
もう 11 時近い時間だから、聖平小屋まで
行くのなら、そんなにゆっくりってわけにも
いかないだろうし、ちょっと大変そうな感じもする。

最初の兄ちゃんは元気そうだから良いとして、
後から来たおじさんは結構きつそうな感じだけど、
果たして大丈夫だったかな?

私たちがいるところは陽射しがあって暑いけど、
兎岳はもうガスに巻かれ始めて、見えなくなりそうだ。

これから歩いて行く丸山の方も、
西側からガスが押し寄せて来て、
見えたり隠れたりを繰り返している。

そのうち見えなくなってしまうのかな・・・?

ここからまたしばらく急な登りが続く。
上の方が開けた感じがしてくると、
向こうの方から話声も聞こえてきた。

登山道が狭そうだったので、
しばらく下で待ってから、私たちも登って行く。

登り詰めてみると、少し先に丸山の山頂があったが、
さっきの学生らしき集団が休憩していたので、私たちは少し手前で休憩する。

休憩していると、ちょっとだけだがポツっときたので、
とりあえず三脚と一眼レフを荷物に収納。  ここから先はたいした景色も無いし、
ガスであまり周囲も見えないから、別に後ろ髪を引かれることもない。

丸山からの下りは急だけど、
短いのでたいしたことはない。

西側からどんどんガスが押し寄せる。
そのうちガスに巻かれるのかな・・・?

コルのちょっと先には、小屋へ行く道と
大沢岳へ向かう道との分岐点がある。

殆どの人は小屋へ続く新道を通るだろうから、
大沢岳も気の毒な山だねぇ。

ここから先は樹林の中を緩やかに降るだけだから楽ではあるけれど、
雲行きが怪しいし、空がゴロゴロ言い始めている。
もう少しなんだから、ここまで来てレインスーツは着たくないぞ−!

翔さんは少し後ろにいたが、一本道で迷うこともないから、
ちょっとペースを上げて小屋を目指して歩く。

しかし、あと 15 〜 20 分ぐらいと思われる付近から、
とうとう雨が降り出してしまう。

とはいえ小降りなので、ちょっと木の影に隠れながら、
そのまま進んでいると、
ついに小屋の赤い屋根が向こうに見えた。

雨が強まることはなく、
14 時半頃に百間洞山の家に到着〜〜♪

受け付けを済ませて建物に入ると、空いている。

時間が早いからかもしれないが、
今日はそんなに混まなそうな雰囲気だ。

外では雨が一段落していたので、
翔さんはタバコ休憩の様子。

ここの小屋は周囲を緑に囲まれていて、
雰囲気的には爽やかな場所だ。

陽の当たり方はちょっと少なくなるけど、
自然の中って感じがして良いねえ♪
目の前を沢も流れているし〜〜

小屋の南側は、斜面にお花も多く、
南の方には聖岳の姿も見える。
ちょっとガスが多いけどねぇ。

そのうち雨がポツポツしてきたので、解放してある食道でビールを飲むことに。
昨日はビールは飲まなかったので、山に入って最初のビールだぁぁぁ〜〜〜!!

いや〜、喉に染みる。
今日は結構たくさん歩いて疲れたので、ビールの味も一入なのだ。
ガラス戸の外には、聖岳の姿も見えているねえ〜
やっぱり宿泊地に着いてからの宴会が、楽しい一時なんだよねぇ・・・ ( 嬉 )

夕食までは時間があるので、
しばらく横になってお休みモード。

でも今日は夕食まであまり時間がない。
いつもならすぐに夕食になる方が良いけど、
今日は疲れたせいか、もう少し休みたい気分だ。

ここの食事はテーブルが空いていても一度に全員が呼ばれるわけではなく、
半分ぐらいずつしか呼ばれないのだが、出来たてのおかずを提供する為に
そうしているのだそうだ。    混雑してなければ、その方が有難いことだ。

食事の後、雨が上がっていたので、外に出てくつろいでみる。
この小屋は展望はイマイチだけど、周囲を緑に囲まれ、
また沢も流れているので、爽やかで自然な印象を受けるから良いね〜
昨日に引き続きだけど、今日も陽が落ちてもあまり寒くないねぇ。
明日はお天気はどうなんだろう・・・?

19:20頃から衛星放送で天気予報をやるそうだったので、他の人も食道に集まってきたが、
なぜかずっと釣りの番組じゃないか〜〜  19:30 を過ぎたら今度は連続テレビ小説が
始まってしまったので、皆さん諦めていなくなってしまった。  まあ明日も天気だろう・・・

消灯の後、さすがに今日は少し寝たようだったけど、やっぱり日付けが変わる前に
目が覚める。  星はどうかなと思って外へ出てみたら、なんと雨が降っているじゃないか〜
おいおい、明日は楽な工程とはいえ、晴れてもらわないと困るんだけど・・・

08月 08日 (金)     晴れ 後ち 曇り

目覚めて窓の外を眺めると、どうやら上空は薄らと雲が広がっているみたいだ。
今日はとてもゆったりした内容で、アルプスクラスの縦走とは思えないような、
短い工程の一日。   今日の歩く予定時間は、なんと 3 時間強!
こんない短い時間設定の日は初めてだ。

しかしここを出発して赤石小屋まで降ってしまうと、夕方の日の入りや
翌朝の日の出が山頂に比べて劣ってしまうから、やっぱり今夜は山頂泊まりなのだ。
たまには超のんびりした日を満喫するのも良いということもあって、今日は楽チン日。

マッタリと朝食を頂いた後も、
しばらくは横になってお休みモード。

他の客は食事が済むとさっさと出かけてしまうから、
食事が終って 1 時間近くも経つと、小屋の中は誰もおらず、
ガラ〜ンとしてちょっと寂しいぐらいの雰囲気だ。

準備を整えて再び外に出て見ると、
さっきよりは雲が薄くなり、青空も見えてきている。
やっぱり今日も良い天気が望めそうだね〜

小屋の前で記念写真を撮って、
沢に沿って赤石岳へと歩き出す。

緑の中を沢沿いに歩くのは、
なかなか清々しくて気持ちが良い。

少し上へ上がった所にあるテント場まで来ると、
学生らしき集団がもうテントを片付けて雑談している。
この団体は今日はどこまで行くのかな・・・?

テント場を過ぎて背の低い樹林の中を進んで行くと、
そのうち樹林帯を抜けて森林限界を超える。

空を見上げると、
なにやら鱗のような雲がずっと広がっていた。

西の方は雲が広がっているが、大沢岳や中盛丸山は綺麗に見えている。

斜面を中ほどまで登ると、
北側の南アルプス北部の山並みが綺麗に見渡せた。

若干霞んでいる感じだけど、
それでも遠くまで見通せると、感動するね〜

今日は時間に余裕があり過ぎるので、ちょっとした休憩もすごくゆっくり取ってしまう。
まあ写真をゆっくり撮るには、こういうのは有難いことだけど〜

もう少し斜面を登ると、
だんだん傾斜が無くなり、
稜線部分に差し掛かる。

少し先から平で開けた稜線が
続いているのが見えるが、
なんか長閑そうな場所だねぇ。

前回ここを降って来て歩いた時は、
たしか視界は見えていた気がする。

でも長時間の歩きの為、足は痛いし疲れているしで、
とても周囲の景色をよく眺めたり、
写真撮ったりという場合じゃなかったから、
この辺の光景も殆ど記憶に無い。

少し先へ歩いて行くと、本当にだだっ広い
台地のような場所が広がっている。
ここは百間平という場所で、
すぐ東側には赤石岳が大きく聳えていた。
赤石岳もここから見ると、
結構ガッチリした感じで大きいねぇ。

道標がある所に荷物を置いて、しばらく休憩タイム。

誰も人がおらず、ゆっくりできるのは良いんだけど、
虫が多いのと暑いのがネックだ。

少し南側の方へ行ってみると、
聖岳方面もよく見える。

西の方は雲がどんどん沸き立ち、
もう中央アルプスも隠れて見えなくなりそうだ。

随分とのんびり休んでいるけど、全然人の姿を見ない。
この時間帯にここを通る人はあまりいないだろうねぇ。

聖平小屋まで行く人はもっと早く通過しているだろうし、
百間洞山の家までなら、まだ早過ぎる時間だからね〜

百間平を後にして、
とても緩い斜面を先へ進む。

しばらく進んでから後を振り返ると、
長閑に広がる百間平が一望できた。

前を見ると、
赤石岳の急斜面までは
殆ど登りもなくて楽そうだ。

赤石岳に登る最後の部分だけは
ちょっとキツイ感じの斜面だねぇ。

荒川岳方面の展望が良いので、
翔さんと記念写真撮影。

少し進んだ所で前から団体がやって来た。
この団体は今日はどこまで行くのだろう・・・

私たちと同じで、
午前中だけ歩いて百間洞山の家までかな?

更にしばらく進んだちょっとしたピークで、
赤石岳手前の最後の休憩。
お菓子をボリボリ食べながら、
赤石岳の斜面の道を眺める。
瓦礫の道を降ったような記憶はあるけど、
こんな感じだったんだぁ・・・

瓦礫の斜面を降りて来た
年配の二人連れが、前を通過して行く。
きっとこの二人は百間洞山の家までだろうねえ〜

その後、ガラガラの斜面で記念写真。

緩やかな瓦礫の斜面は登ってみると、
意外に短いので楽だが、
そこを登り詰めた所から先が、
急斜面で結構大変そうだ。

兎岳や赤石岳の上空にも
雲が広がってきているが、
赤石岳の山頂に着いた時に
ガスがかかってないと良いけどなぁ・・・

30 分近く急斜面を登ると、
とうとう赤石岳から続く稜線上に出る。
嬉しいことに、赤石岳の向こうには
素敵な青空が広がっているじゃないか〜!
登り詰めた所が山頂のすぐ下かなと思っていたけど、
山頂や小屋の方まで、もう少し距離あるねぇ。

二重稜線の中を歩いて非難小屋まで来ると、
ちょっと懐かしい感じだ。

ここから赤石岳の山頂までは
1 分ほどなので、すぐだ。

赤石岳の山頂に着くと、北側の凄い景色が目に飛び込んできた。
悪沢岳や間ノ岳方面の山並みの眺めは素晴らしいねえ〜〜!!
他の人たちが、赤石岳は良いよ〜〜、って言うのがよく分かった。

荷物を降ろして、
しばらくはあちこちの景色を写真撮影。

過去 2 回来たことがあるけど、
2 回ともガスに包まれて景色が見えなかったから
これだけ周囲の景色が見えるのはとても嬉しい。

ここのエリアは登山に来るのが大変なので、
なんとか昨日の聖岳に引き続き、
今日の赤石岳も晴天下で登頂したかったから、
喜びも一入だ〜〜♪

赤石岳の山頂はもう少し人が多いのかと思っていたけど、
意外と人が少ないんだねえ。

まだ 11 時過ぎの時間帯なのだから、
多少人が多くてもすぐに人のいない写真は
撮れそうだから問題無いし。

上空を見上げると、いつの間にか太陽に光環が・・・
太陽に光環がかかる時は、低気圧や前線が近づいている
時で、2/3 ぐらいの確率で翌日に雨になることが多い。

え〜〜、明日雨は困るよ、
朝の美しい光景を撮らないといけないんだからぁ!

しばらくしたら、南側の空には彩雲が出ていた。
彩雲を見る時って僅かに色づいていることが多いけど、
この彩雲は長いね〜     しかもさっきから、
ちょくちょく何回も彩雲が出てくるし、珍しいぞ。

それにしてもお昼頃ともなると、
積乱雲の卵のような雲があちらこちらから沸き立って、
いかにも夏の山の風景だねぇ〜

あの積乱雲たちは上空までやってきて、
夕立ちをもたらすんだろうか・・・

でも私たちの上空は、
当分の間青空のままのようだから、
まだまだ晴天を楽しめそうだ。

写真撮影も一段落したので、
念願の昼間っから山頂で
ビールを飲むことに。

避難小屋からビールを買って来て、
とうとう赤石岳の山頂で乾杯だ〜〜♪

青い空にビールは絵になるねえ〜!!
翔さんのデジカメで撮ったビール写真は、
なかなか傑作の良い出来で、
ビールのCMとして十分使えそうな爽やかな写真だった。
今日一番の良い写真かもしれない。 ( 笑 )

そのうち赤石岳の空にも、鱗のような雲が広がってきた。
雲もいろんな形に変化して、見ていて結構飽きない。

2 時間近くも山頂も寛いでしまったので、そろそろ避難小屋で受け付けをすることに。
今日は食事無しの素泊まりで、更に送迎バスに乗った時に前払いしている分が
割り引かれたので、ここでは 2000 円 しかかからなかった。

2 階で寝る場所を決めた後、
トイレの先にも何やらピークらしき所が
あるようだったので行ってみると、
昔山頂にあった古い標識が
こちらに移設してあった。

赤石岳山頂と、避難小屋。

午後も時間が過ぎてくると、
どんどん積乱雲が発達してきて、

とうとう赤石岳の上までやって来た。
なんとも縦に立派な入道雲だねぇ・・・

小屋の横のテーブルでお菓子をつまんでいたけど、
だんだん曇ってきて寒くなってきた為、
しばらく 2 階で休むことに。

結構人はいるみたいだけど、
今日は一人分のスペースは確保できそうな感じだ。

玄関のところの荷物置き場 ( 兼自炊用スペース ) が空いていたので、
バーナーを使って、ちょっと夕食を食べることに。 といってもカップラーメンだけど。

普段なら夕食の後は、ここのスペースは宴会場になっているそうだが、珍しく今日は
皆酒も飲まずにさっさと寝てしまったと、管理人さんがぼやいていた。 ( 笑 )

夕方はもうすっかり雲に包まれて
景色は殆ど見えない状態だったけど、
食事の後に外に出てみたら、
富士山がちょっとだけ顔を出していた。

しばらくしたら上空はすっかり
雲に覆われ暗くなっていたが、
北東側だけが西日を浴びて明るくなっており、
妙な光景だった。

就寝となった後、毎度のごとく定期的に目が覚めるので、
今日も日付けが変わる頃に外に出て見ると、空には全く星が見えなかった。
外に出ていてもあまり寒くもないし、またしても明日の天気がちょっと心配になってしまう。
まあ考えても仕方ないから、しばらくして寝床に戻り、今日は終わり。

08月 09 (土)     晴れ 後ち 曇り 一時 雨

朝から外に出て見ると、どうやら晴天ベースのようだけど随分雲が広がっている。
本当に大丈夫なのかな、今日の天気・・・???

日の出は 5 時頃ということだったので、
20 分ぐらい前から
赤石岳の山頂で日の出を待つ。

上空は雲が多いが東の空は明るく、
富士山も見えていた。
とりあえず日の出自体は
綺麗に見えそうな感じだ。

朝日が顔を出すと、
富士山や山頂の標識と一緒に撮影。

悪沢岳や聖岳の方は、
まだ陽の当たり方が少なくて
ちょっと暗めの感じだ。

しかし今日は 360 度、
周囲の山並みが見渡せて素晴らしい〜♪

前回ここに朝いた時は、
上空は綺麗な青空だったのに、
山中付近まで雲海に隠れていた為、
結局周囲の山並みが見えずに終わったから、
ちょっと嬉しい。

時間と共に、
上空の雲が少なくなってきているようで、
青空の気配がだんだん広がっている。

一通り山頂での御来光や撮影を満喫した後、
避難小屋へ戻ってちょっと朝食。

ストーブの上にあったお湯を頂いて赤飯を食べてみたが、
添付してあるゴマ塩だけではちょっと量が足りないから、
別に持参した方が良さそうだ。

三伏峠から、一人でテント担いで来たお姉さんが出発の準備をしていたので、
聖岳まで行くのか聞いたら、ちょっと長いのでどうしようか迷っているそうだった。
兎岳の非難小屋跡でテント張っても良いと言ってたけど、水があるかどうかがねぇ〜
結局どこまで行ったんだろ? でも三伏峠と荒川岳の間のルートを歩くなんて
渋いねぇ、とっても人少なそう−!!   しかも若い女性が単独歩きでだし。

小屋を出発する時に、
小屋の管理人さんたちと記念写真を撮ってもらった。

赤石岳に限らず、南アルプスの良い写真が撮れたら
写真を送って欲しいそうで、名刺を頂いた。

あれれ、 また雲が増えてきたような・・・

雲の隙間からは光のカーテンが。

小屋を出て山頂を通過し、いよいよ最後の降りに入る。

今日は送迎バスの最終が 14 時なので、
それまでには椹島へ下山しないといけないが、
まだ 7 時台前半なので、大丈夫だろう。

太陽が雲に隠れているので、暑くなくてちょうど良い。

稜線と大倉尾根との分岐の方からは、
空身で赤石岳を往復しようと登って来る人が結構いる。
標高差がありそうな感じだけど、空身なら楽だよねぇ〜

私たちが分岐まで降りて行くと、
しばらくして入れ替わりで
団体が空身で赤石岳へ登って行った。

分岐のすぐ上の所から、
休憩を兼ねて赤石岳や小赤石岳を撮影。

しばらく撮影休憩した後、
いよいよ赤石岳ともお別れして、
大倉尾根の降りに入る。



以前ここを降った時は
雲海で周囲が何も見えなかった為、
ただ瓦礫の中を歩いたという記憶だったけど、
今日は晴天で周囲が全部見えるので、
やっぱりちょっと違う感じがする。

少し降りて行くと、緑の中に
高山植物がたくさん咲いているお花畑もあった。

赤石岳の稜線の方は真っ青な青空になっており、
緑と青空がとても美しい。

この辺のお花畑は良い感じなんだけど、
斜面はなかなかきついねぇ〜



たまに登って来る人がいるけど、
皆結構きつそうだ。

途中に少しだけ水の流れている沢があり、
そこでちょっと休憩。

振り返ると、上空の青空が
秋のように深くて美しい。

見通しの良い急な斜面を下って行くと、そのうちちょっと樹林っぽい山道になり、
傾斜も逆に登りに変わってくる。   富士見平って、展望良かったっけかなぁ・・・?

樹林の緑が陽光に映えて美しく見えたので、
写真に撮ってみたけど、3年前にここを降った時にも、
殆ど同じような場所で同じような光景を撮影していた。

なんか目が向くポイントって同じなんだねえ〜 ( 笑 )

そのうち両側が厳しく切れ落ちた所に来ると、北東側の谷間から
とても爽やかな涼風が吹きあげてきて、思わず立ち止まり休憩してしまう。
この涼風の爽やかさは、下界の冷房では味わえない心地良さだ。

しばらく狭い樹林の道を登ると、
少し山並みが見える場所があったので、
悪沢岳や赤石岳を撮影。

椹島に降りるまでにはもうしばらくあるのに、
ここでフィルムが終了。

切りが悪いけど仕方ないね〜
ケチって撮らない方がよっぽど後で後悔しそうだ。

もう少し登ってみると、大きく開けた休憩場所に到着、富士見平だった。
こんなに展望良い所だったっけ〜〜〜???   記憶にない。

ここからも、改めて周辺の山並みを記念撮影。
そのすぐ後に、テント泊らしき学生さんたちの
集団がやって来て、やはりここで休憩していた。

展望が優れているのは良いけど、
陽射しが強いと暑いねぇ・・・

ここから降ると、
ほどなく赤石小屋に到着する。

小屋の手前にあるトイレが
随分綺麗なんだねぇ〜!!

小屋の前に行ってみると、
前回同様ガラ〜ンとした感じで閑散としている。

2 〜 3 人の客が休んでいたけど、 9 時台なんて
一番小屋が空いている時間帯だからねえ。

赤石小屋を後にすると、長〜い降りがひたすら続く。
樹林帯の中で直射日光を受けることが少ないから、暑くないのは良いけど、
展望も無いし、ただ黙々と降るだけになるので、ちょっとイマイチな感じだ。

今日は土曜日だし、
お盆休みに入る人も多くなるだろうから、
もう少し下から登って来る人とすれ違うかと
思っていたけど、全然人が少ない。

いつの間にか周囲もガスに包まれて、陽射しの気配もなくなっている。
朝食が赤飯だけだったのでお腹も空いてきたし、だんだん足も疲れてきたので、
広場はなかったが、登山道の途中で休憩してパンを食べることに。

ところが途中から、予想外にポツポツと小雨が降り始めてきた。
しばらく様子を見ていたけど、止みそうにないし、普通に降り出しそうな気配だったので、
レインスーツの上だけ取り出して荷物ごと被ってから、また下山を始める。

樹林の中なので、そんなに酷く降られて大変ということはないけど、
だんだんそれなりに降ってきてしまい、ちょっと鬱陶しい。
それに椹島が近づくにつれて、かなり足が痛くなってきた。
やっぱり標高差 2000 m を一気に降りるのは、足の負担が大きいねぇ。

プロトレックの高度計を見ながら、なかなか下がらない標高にちょっと
イライラしながらも少しずつ滑らないように降って行くと、ようやく下の方に
林道らしき道路が見えた。  ( ← これ結構嬉しい〜!! )

最後の長い鉄の階段を降りると、ようやくアスファルトの道路に出た。
しかしここからロッヂまでは、もうちょっとだけ山道降りがある。
足が痛いので、このちょっとの降りが結構厳しく感じる〜〜〜

ようやくロッヂに到着して、バスの受け付けをすると、
13 時の臨時便に乗れるそうで、あと 10 分ぐらいだ。
ロッヂの前でちょっと待っていると、上空には青空が広がり始めていた。
しばらくすると、また晴れるのかな・・・

送迎バスは定員制だが、私たちは一番最後の乗車だった為、真ん中の補助席だ。
荷物を置く場所がない為、横の人のでかいサックを寝かせて、自分の荷物の上に
置かせてあげた。  足も殆ど動かせない状態なので、結構しんどいねぇ〜

しばらく走ると、バスが停滞し運転手がガイドを始めた。
右側の方には素晴らしい青空の下、赤石岳が立派に姿を見せていた。
なんだ、上の方は実に良い天気じゃないか〜〜〜!!

とりあえずもう歩かなくて良いし、黙っていてもマイカーに辿り着くからということで、
疲れも合わさって周囲の人もグッタリした感じの人が多い様子。

ところが 8 割ほど走っただろうか、ゲートの手前で眠気をブッ飛ばす予想外の
トラブルが発生!!  なんと送迎バスの目の前で、突然土砂崩れが起きたのだ。
おそらくあと 3 秒遅かったら、私たちのバスに直撃だったと思われるぐらい
微妙なタイミングだった。  目の前の道路を土砂が塞いでおり、
そこを激しくないとはいえ、濁流が流れ込んでいる。
果たして私たちは帰ることができるんだろうか・・・  そういう不安が頭を過る。
いまなら歩けばここを通過することは出来そうだけど、
この後更に大きな土砂崩れが起きたら、本当に通れなくなってしまう。
マイカーまでバスであと 10 分程度なのに、ここまで来て足止めは困る。

乗客の一人が独断でさっさとバスを降りて、歩いて土砂崩れの場所を渡って
歩いて行ってしまったが、他の客はとりあえず様子見状態だ。
そのうち、マイカーの駐車場の方からも送迎バスがやって来て、
客を乗せ換えて往復運転することになり、私たちも歩いて現場を通過する。
土砂崩れの所そのものはたいしたことなく渡ることはできたけど、
この後の復旧は一体どうなるんだろうねぇ・・・?

バスを乗り換えて駐車場まで向かう間にも、茶臼岳の近くで遭難事故が発生し、
救助要請の連絡が無線で飛び込んで来ていた。
普段なら皆疲れて居眠りしている状態なのに、
さすがにこれだけのことが続けて起こったので、寝ている人はいなかった。

ほどなく送迎バスは駐車場に到着し、マイカーに戻る。
まさかこの先で土砂崩れなんて起きてないだろうなぁ・・・ などと思いつつ、
駐車場を後にして、とりあえず温泉に向かって車を走らせた。

途中にある白樺荘は、あまり綺麗ではないけど、
とりあえず風呂に入ることができるので、一応サッパリはする。

帰り道の一般道はやっぱり長いね〜
晴れたり雨が降ったりと変わり易い天気が続く中、細い道をグネグネと走る。
途中で土砂崩れ工事の迂回路を行こうかと迷うが、ちょっとヤバそうなので
もうすこし正規の道路を走ると、ダムの迂回路をきちんと通ることができた。

二人して結構腹が減っているんだけど、この辺はまだまだコンビニもレストランなども
ない山の中って感じだ。  住所は静岡市の区なんだけどねぇ。 ( 笑 )

ようやく市街地の方へ入って来たけど、すぐに国道 1 号に乗ってしまったので、
そのまま東名へ入り、富士川 SA で食事することに。

窓からは綺麗に富士山が見えていたけど、静岡側から見ると富士山の形が違う。

翔さんがメールを出したら、ココアさんからすぐにレスが来ていた。
食事が出てきてさあ食べようとしたら、今度は電話がかかってきたりと
なかなか食事にありつけない。 ( 笑 )

帰りの東名はそんなに混んでいることもなく、早い時間に都内に帰着。
南武線の矢野口駅の傍で翔さんと別れて、 21 時台には帰宅出来た。

今回の山行は初日と最後で雨に当たったけど、展望が広がって撮影が
必要なところでは、ほぼ晴天だった為、結果的にとても良い山歩きになった。
おまけにアプローチが面倒な椹島エリアの聖岳と赤石岳において
素晴らしい眺めを満喫できたので、とっても幸せ〜〜♪♪♪

当初予定していた、北岳 〜 間ノ岳 〜 塩見岳 は今回行かなかったけれど、
それらに匹敵するような、素晴らしい夏山縦走になって、とても良かった。

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