2003/09

中央アルプス

木曽駒ヶ岳・宝剣岳

9月は山に出かけることを考えた期間に、
天候が良くなかったり、カメラが使えなかったりして、
とうとう山に出かけることは出来なかったと思っていた最後の週末、
急に久保田先生に誘われて山に出かけることになった。

今回は以前に久保田先生の山行中、遭難されて亡くなられた方の
慰霊を兼ねた山歩きということで、現場である中央アルプスの木曽駒ヶ岳が行き先だった。

木曽駒ヶ岳にRWで上がれば、テント場は近いし天気も良さそうなので、
テント泊をするには良い機会だ。
前から一度はテント泊で行ってみようかと思っていた場所だったので、
今回は参加することにした。

09/26 (金)  千葉 → 中央道 → 立川泊
09/27 (土)  中央道 → 駒ヶ根 → RW → 木曽駒ヶ岳 → 宝剣岳 → テント泊
09/28 (日)  テント場 → 木曽駒ヶ岳 → 福島Bコース → 木曽福島 → 千葉

09月 26日 (金)     晴れ

午前中、ノコノコと起き出してPCに灯を入れてメールを立ち上げると、
久保田先生からHPの方にメールが入っている・・・・・
はて何だろうねえ〜と思った途端に電話が鳴り、出ると久保田先生だった。

知り合いの方といっしょに木曽駒ヶ岳へ慰霊登山に行くのでどうかという話だ。
いっしょの方たちは日帰りなのだが、先生は泊まりでもOKだということだったので、
天気が良さそうだし、テント泊で参加することにした。

しかしこの日は夕方に都内で面接を受ける予定だったので、少しバタバタしてしまう。
19時半頃帰宅し、それからいろいろと準備を済ませ、
自宅を出たのは22時前頃になってしまった。

幸い首都高速が空いていたおかげで、
久保田邸に到着したのは23時15分頃だったが、
先生の準備が終わって床に就いたのは、既に1時近い時間になっていた。

09月 27日 (土)     晴れ 後ち 曇り

今朝は3時半に出発するのだそうだ。 ( 自分にとってはかなり早い!! )
起床予定時間は3時なので、寝るといっても2時間しかないし、
まあ寝られるわけがない。( 笑 )

ビールは飲んだものの、昨日の面接のことをあれこれ考えていたら、
眠るどころか頭の回転数が上がってしまった。
そのうち無情にも目覚ましの音が鳴り、とうとう徹夜明けの1日が始まる。

待ち合わせは久保田先生の会社の駐車場ということだったので、
そこまで私の車で移動して、そこで連れの方の車に乗り換える。
連れの方は特に登山者ということではなく、今回は遭難された方の
慰霊の為に山に登られるという前田さんと伊東さんのお二人で、
前田さんの車1台で私たちは出発した。

普段は自分で車を運転して移動することが多いのだが、
今回私は後部座席だったので、昨夜寝てないこともあって、
終始ボ〜っとしながらウトウトしたりしなかったりを続けていた。

真面目に外を眺めて、随分と良い天気なあ〜などと思ったりする頃には、
岡谷JCTを過ぎて車は南向きに走っている。
左に南アルプス、右には中央アルプス、上空には素晴らしい青空が広がっていた。

駒ヶ岳RWへの道路は一般車両通行禁止なので、
駒ヶ根高原の駐車場に車を置いて、バスに乗り換える。
駐車場で朝食を済ませてバス停に並ぶと、
軽装のハイカーや一般観光客の姿が多く見られる。

私たちのようにテント泊装備のでかい荷物持ちの姿はあまり見かけない。
木曽駒ヶ岳と宝剣岳はRWから近いので、軽装でも行けてしまうし、
時間も少なくて済むことから日帰り客が多いらしい。
まあ空木岳へ縦走する人などは泊まる人もいるようだけど・・・・・

バス路線は結構狭いうえに、カーブが多くそれなりに揺れる。
睡眠不足と運転疲れからか、隣で久保田先生は
いつの間にか夢の世界にお出かけになっている様子だ。

しらび平駅( RW山麓駅 )にバスが到着しRW乗り場へ行くと、
次の出発時刻は約10分後の8時ちょうどだ。
わりと前の方に並んでいたので、
RWの中では窓側の場所に立つことができ、外を眺めることができた。

一番後ろ側では、RWの移動と共にどんどん下界が小さくなっていくのが見える。
その先には南アルプスの山々が綺麗な稜線を描き出しているのが良く見えるが、
見事に逆光なのでちょっと薄い感じだ。

RWが千畳敷駅( RW山頂駅 )に到着し、
外に出ると、目の前には千畳敷カールを
取り巻く稜線が青空の下にくっきりと
見えていてなかなか綺麗だ。

少し下の方には、剣ヶ池も見えている。

千畳敷カール上部

ホテルの裏側に回ると、RWに乗っていた時と同じように東側の景色を望むことが出来た。

南アルプスもこちら側から見ると、
どれがどの山なのかよく分からないが、とりあえず一番左の方に見える、
尖がった形で山頂が少し白くなっているのが甲斐駒ヶ岳というのだけはわかった。

千畳敷駅から外へ出た所は乗越浄土や宝剣岳が間近に見られるので、
記念写真の撮影を考慮してか、大きな記念の看板のようなものが設置してあるのだが、
どっかのアホ登山者がその看板の所に荷物を置いている為、
写真を撮っている観光客が構図に苦労しているようだった。
( そりゃそうだ、はっきりいって他人の荷物なんて邪魔なだけだもんね〜 )

私だったら余計な人工物がある場合、
最初は構図を調整して何とか隠れるように工夫してみるけど、
どうやっても画面内から除去出来ないなら動かしてしまうかもしれんねえ〜
人がいる時は、声をかければどいてもらえるだろうが、
荷物にいくら話しかけても荷物は聞いてくれないのである。 ( 当たり前だあ〜 )

そのうち観光客の一人が邪魔だと強く思ったらしく、
手前側にいた荷物の持ち主にどけてくれないかと話していたのだが、なんとこのオヤジ、
どうのこうのを屁理屈を並べて、動かせないのだと断っていたのである・・・
自分は向かい側のベンチに座っているにも拘らずである。  呆れてしまった。

普通は自分の所にいっしょに荷物も動かすんじゃないかと思うのだが・・・
あんたが他人の迷惑になることをやったおかげで、登山者とはそういう生き物だと
思われることも迷惑な話なのだが、そもそも誰がどう見ても記念写真スポットだと
わかるような所に、自分の荷物を平気で置く神経が理解できんのだ。

しかし山頂でも結構いるよねえ〜、
山頂の標識のすぐ傍で陣取りしてたむろしている連中・・・
おそらく他の登山者にも迷惑なのだろうが、私には余計に迷惑だ。

なぜなら私の常用レンズは広角側が24mmと広いので、
ちょっとぐらい離れられても全然画面の中に入ってしまっていることが多いからだ。
狭い画角で撮ればあ〜、などと言われるかもしれないがそうはいかない。
折角広々とした山頂で記念写真を撮るのだから、
雄大な景色が背景にあった方が絶対ベターなのだ。
標識と看板だけでは面白くないと思うんだけど・・・
( 悪天候の時は仕方ないけどね〜 )

う〜ん、またしても文句が多くなってしまった・・・ すまぬ。
どうしても、写真に関することとマナーやモラルに関することは、
不平不満が多くなってしまうらしい。

準備が済み、私たちは出発する。
目の前には急勾配の八丁坂が見えている。
今日は土曜日で且つ秋晴れということもあってか、
結構人の姿がたくさん見えるが、渋滞というほどではない。
しばらく行くとだんだん傾斜がきつくなっていく。
テント泊の荷物を担ぐのは3ヶ月振りなので
ちょっと重たく感じるが、この前ほどのきつさではない。 ( 良かった! )

周りの歩いている人を見ると、殆どが軽装の人だ。
日帰りハイカーが多いんだろうねえ〜
中にはどう見ても街中の格好の人もいるが、この辺の山歩きは近いとはいっても、
登山道の状態はかなり石がゴロゴロしていて、結構歩きにくい。
しばらく登ると、乗越浄土に到着する。

乗越浄土でとりあえず休憩〜〜〜
ここは南西側は見えないが、北東側半分は遠くまで景色が一望できる。
登って来た南側を振り返ると、千畳敷駅とホテルが下の方に見え、
遠見には南アルプスの山々が広がっていた。

すぐ右側の稜線には険しそうな感じの
ゴロゴロした登り道があり、
すぐ先には宝剣岳の姿も見える。

東側には稜線伝いに
登山道が延びており、
伊那前岳の方へ向かっている。

伊那前岳への稜線

ここは稜線上なので、吹き抜ける風はそれなりに冷たくて気持ちが良い。
快晴なので陽射しは暑いけど・・・
休憩している時に、伊東さんのお腹のシャツが膨らんでいたので、
てっきり風でだろうと思っていたら、なんとお腹だった。
( 余計なところに突っ込みを入れたようで、失礼しました・・・・・ )

乗越浄土を後にして、宝剣山荘の裏手を通り、
天狗荘の横を通過して中岳へと向かう。
登りではあるが、距離が短いので全然たいしたことなく、中岳に到着する。

ここは大きな岩場になっていてあまり山頂〜っという感じでもないように思えるが、
まあ南側が良く見えたので、記念写真を撮ってみる。
私は登らなかったけど、他の3人は岩の上に登っていたから、
北側も綺麗に見渡せただろうねえ〜

中岳を後にして降りの道へと入ると、
正面に木曽駒ヶ岳、
その先には御嶽山が見えている。

木曽駒ヶ岳って、
なだらかな山なんだねえ〜

木曽駒ヶ岳と御嶽山

いよいよこの坂を降れば、テント場に着くので重たい荷物から開放されるのだあ〜( 嬉 )
降りて行くと、テント場は青い屋根の頂上山荘の前で、テントはまだ1張りしかなかった。

受け付けを済ませて、私と久保田先生はテントを設営する。
ここのテント場は砂地で、わりとフラットなので整地の手間が要らず楽だ〜
設営した後、とりあえずここで昼飯を摂ることになった。
しかし私のテントと先生のテントとの間に緑のロープがあるのは何故だろう・・・・・
先生が設営している区画は、何故か周囲をロープで囲まれたエリア内なのだ。
普通ならそこは入ってはいけない場所のように思えるが、
受け付けで説明を受けていたのが先生なので、まあ問題はないのだろう。

昼食を済ませると、私たちは木曽駒ヶ岳の山頂を目指して歩き出した。
わりと近くに見えているし、荷物も無くなったので随分楽になった。
しかし登山道は相変わらずのゴロゴロ道で、結構歩きにくいことは歩きにくいねえ。
途中、ちょっと急な所もあったが、まあ問題なく山頂が見えて来た。

木曽駒ヶ岳の山頂は比較的広い。   中央に社が間をおいて2箇所あるので、
そんなに広々とした感じではないが、それらが無ければ結構広い面積だ。

2つの社の間に山頂の標識が
あったので、とりあえず記念撮影をする。

標高が書いてあればいいのに・・・

背景の山並みが
あまり写らないのが少し残念だ。

木曽駒ヶ岳山頂 ( 2956m )

それにしても今日は本当に良いお天気だあ〜!!
低いところには雲はあるものの、上空は快晴である。

南西側以外はずっと雲海が広がっており、高い山の稜線だけがいくつか姿を見せている。
西側にはわりと近くに御嶽山が綺麗に見えた。
普段あまりこの山を大きく見ることはないからちょっと新鮮だ。

そこからずう〜っと目を北の方へやると、乗鞍岳、遠くにはお馴染みの槍穂高連峰が見える。
北東方向には八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳が雲海の間から見えた。
南側はあまり雲が無く、三ノ沢岳がよく見えるのだが、
逆光の為にあまり山は綺麗な姿には見えなかった。


 三ノ沢岳への稜線       雲海の中の甲斐駒ヶ岳

今年は山頂からの素晴らしい青空というのは昼間では初めてなので、
ここぞとばかりに撮影に熱中する。
前回燕岳へ行った時も晴れてはいたが、
山頂では既に夕方だった為、真昼間というのは初めてなのだ・・・・・
全くねえ、もう9月も末だというのに〜
いかに今年が天気に恵まれてなかったかということだねえ〜

山頂での贅沢な時間を過ごすと、私たちは慰霊の場所へ移動する為に山頂を後にした。
登って来た道を降り、テント場の前を過ぎると、中岳へは登らずにトラバースルートへ入る。
こちらの道は標高差が殆どないので楽な道のりだ。  しばらく進んだ山腹で進行が止まる。
どうやらこの辺が遭難があった場所らしい。

話では雪の時期にいっしょだった方がこの辺を通過中に足を滑らせて
滑落されたとのことだが、たしかにこの辺から下を見るとかなりの急傾斜で、
雪面ならちょっと止まるのは難しいかもしれない。
部分的には斜面が死角で見えないほど急な所もあるのだ。

先生たちが持参のお花とお線香を供えて慰霊が始まる。
その間にも横を通る登山者はパラパラといるが、足元がやや危険な感じもある為、
下を向いている人も多く、気づかないで通過する人たちも多い。
私は会ったことは無かったが、いっしょに拝ませて頂いた。

しばらくすると、急斜面の傍の
大きな岩の所から下が見えるんだと、
先生はザイルを持ってそちらへ行ってしまった。

こちらから見ていると、
結構険しそうな感じもするんだけど・・・

クライマー久保田・・・  てか?

ここでは新しいレンズが威力を発揮〜   85mmではここまで大きくは撮れなかった。
さすが200mmだね〜と思ってしまう。  それに背景の圧縮効果がやはり大きいと思った。

慰霊を済ませると、私たちは乗越浄土の方へ歩き始めた。
トラバース道はこの先のゴツゴツした感じの所を過ぎると、すぐ山頂への道と合流する。
宝剣山荘の所まで来ると、ここで前田さん、伊東さんとはお別れとなる。
お二人は今日は日帰りなので、これから再び八丁坂を降ってRWで下山なのだ。

二人と別れると、私と先生は宝剣岳へと向かった。
ここから見ている限りでは距離的にはすぐ目の前だし、
そんなにたいした険しさも無さそうに思える。

ゴロゴロした岩場を登って行くと、急傾斜の所もあるが、
手がかり足がかりがたくさんあるので、問題は無い。
山頂のすぐ下付近にちょっと足場が細くて危なそうな所があったが、
鎖がしっかりついていてここも大丈夫だ。

結局、山頂の大きな岩の根元まで三脚を抱えたまま、登って行ってしまった。
( いつものことで慣れっこ〜
本当に危ないと判断したら当然、縮めたり収納したりするに決まってる! )

ここの山頂は単に大きな岩がたくさん集まっているといった所で、
あまり人がたくさんいられるというような場所ではない。
大きな岩が一つある方向以外は全て、周囲の景色を見渡すことが出来るので眺めは良い。

南側には空木岳へと続く稜線が延びていて、その左側には雲海が犇いていた。
東側はすぐ足元から絶壁になっていて、その下には登って来た八丁坂や千畳敷カール、
RWの千畳敷駅があるが、雲海によって見えたり隠れたりを繰り返している。
木曽駒ヶ岳の方はずっと見えていた。


      空木岳への稜線         宝剣岳山頂 ( 2931m )

山頂の大きな岩は、ちょっとだけとっかかりが無いようで、
ザイルを使った方が安全らしく、先生がザイルの準備をしている様子。
私はその間、写真撮りに忙しい。

すぐ下のRWの駅からは、放送の音声が聞こえてくるが、
やはり今日は混雑しているようで、整理券で客を乗車させているようだった。

別れたお二人はどれくらいの待ち時間だっただろう?
朝から来る時に見た案内には、帰りは2〜3時間の待ち時間になる恐れがあるので
早く戻って来い、というようなことが書いてあったけどねえ・・・・・

そのうちザイルの準備が出来たらしく、
先生に呼ばれて下でザイルの確保を言われる通りにやってみた。
まあ問題なく先生は無事に登頂。

大きな岩といっても2〜3m程度なので、声もよく聞こえるし、
ザイルを投げてもすぐ届くから楽なんだろうけど、断崖絶壁である程度の距離をおいてから
こういうのをやっているクライミングの人たちは凄いなあと思う。

その後、私も逆に確保してもらいながら大きな岩の上に登ってみたが、
狭いので立つとちょっと怖そうだ。  だから私はずっとあぐらをかいて座っていた。
( すみません、小心者なもんで〜・・・・・ )

しばらくはここでゆっくりしていたが、14時をまわった頃から
この辺もだんだんガスに包まれ始めたので、そろそろ降りることになった。

元来た道を戻って歩いて行くが、
さすがにもうこの時間帯ともなると、昼間のような人の数ではない。
この辺はRWから近いので日帰り客が多いからだろう。

しかしRWから近いわりには木曽駒ヶ岳を挟んで
山小屋が5件もあるのはちょっと多いような気もするけど、そんなに客がいるのだろうか?
人の少なくなった山道をテント場へと引き返す。
中岳へは行かずに巻き道を進んだ。

頂上山荘とテント場のある所まで戻って来る頃には、昼間の青空はもうどこかに
消えてしまっていて、辺りはすっかりガスの中で気温も下がっている。

山荘のトイレを借りに行った時に、受け付けの兄ちゃんに、
一番端のテントが立ち入り禁止の場所に張っているのだがあなたのか、と
聞かれたので、私のではないが連れのだと言うと、動かしてくれとのこと。

テントに戻ってから先生といっしょにテントの引越しをする。
やはり立ち入り禁止の場所だったのだ。
だからロープがあったんだねえ。    雨でなくて良かった〜

テントを動かした後、しばらくするとおばちゃんが一人やってきて、
何やらお話の時間になってしまった。
乗越浄土の方の小屋に素泊まりで泊まるのだが、
テントを見たことがないので、見せてくれという。

最初は普通に会話していたのだが、
随分とこの方はお話好きなようで、なかなか話が終わらない。
話が長いぞお〜というのが、先生は顔に出るのですぐわかった。( 笑 )

台風(?)が去った後、ようやく酒を飲むことにしたのだが、
随分と気温が下がったようで寒い。

おまけに風が吹くと、長袖とフリースでも
まだ寒くて震えがくるぐらいだ。
( 私の脂肪が少ないからだろうか  笑 )

まあ時期と標高を考えれば当然だねえ〜
当然のごとく、お酒はお湯割りだ。

    テント場

持参の焼酎と先生からちょっともらったウイスキーの両方を今回は飲んだ。
ウイスキー系の酒は、最近飲む機会が無いのでちょっと新鮮な感じがする。
ウイスキーをお湯で割った時のあの香りが何とも鼻を刺激するねえ〜
いかにも酒〜って感じがした。

普段飲むお酒が焼酎に変わってから結構な年数になるので久しぶりに新鮮なのだ。
昔は普段飲んでいたのがウイスキー系だったので、
焼酎の香りを嗅いだだけで駄目で飲めなかったのに不思議なもんだ。

そのうち風も強くなり寒さが増してきたので、お互いにテントに引っ込むことにした。

私の方は御飯が出来るのが遅かった為、食事はテントに入ってからとなったが、
テント内での食事というのもなんか味気無いねえ〜

また食事を終える頃にはすっかり暗くなっており、さっきのお酒がまわってきたのか、
道具そのままの状態で、いつの間にか座ったまま、うつらうつらしていた。
ランプを点け、シュラフを用意してさっさと潜って寝ることにする。

底がフラットなので非常に背中は心地良いが、
今日は枕を作らずに横になったので、ちょっと頭が低くていまいちな感じだ。
珍しくすぐに眠りについたらしいが、
ふと目が覚めて時計を見るとやっぱりいつもと同じパターンじゃないか・・・・・

時間は21時台で、その後はいつものようになかなか眠れない夜が続くのだった。

09月 28日 (日)     晴れ

うつらうつら状態ながら外では人の声がする。
しかしテントを開けるのが面倒で、しばらくそのまま・・・
どれくらい時間が経ってからかわからないが、時計を見ると5時半頃だった。

一応6時頃に起きて7時頃に出発しようという予定になっていたが、
だいたいそんなに予定通りに行くはずがないので、
30分早いがちょうど良いだろうと思って、起きてテントの外を眺めると、
外はすっかりガスの中で真っ白だ。
天気予報では今日も良い天気のはずなんだけどねえ・・・
まあ後で晴れてくるなんて山ではよくある話だ。

ゴソゴソと朝食の支度をしながら、開けっ放しの入り口から外をたまに眺めると、
上空の雲はそう厚いわけではないらしく、太陽の輪郭がはっきり見える時もある。
これならたぶん出発する頃には青空になるかもねえ〜などと思いながら、
テントの中で朝飯を食べるのだが、
白御飯と味噌汁しかない為、非常につまらん食事だ。
白御飯の時の為に、次からは絶対ふりかけを用意しようと強く思う。

食事が終わる頃には、
予想通りだんだん青空が顔を出すことが多くなってきた。

食事の片付けを終えると、今度はテントの撤収作業に移るが、
その合間にもたまに写真を撮る。
しかしどうもシャッターを切る度に、キュルキュル〜〜〜 っといやな音がする・・・・・
でも過去にもこういうことはあったので、
だいたいあと数枚撮ると、どうなるか予想はついた。

荷物を外に出し、テントそのものの片付けに取り掛かる頃には
見事にガスは消え、まぶしい太陽と濃い青空の景色になっていた。
( やっぱりねえ〜!  よしよし! )

ザックの中に半分ほど荷物を入れた頃、予想通りのトラブルがカメラで起きた。
まだ12/36枚しか撮ってないのにフイルムが巻き上がってしまったのだ。

しかしもう一度フイルムを使える状態に戻して、更に任意のコマ以降から
再び使えるようにできる道具をいつも準備してあるので、別に困りはしないのだが、
ただその道具をいつもザックの一番下の方に入れている為、
折角入れたザックの中身をまた出さなくてはいけないのが、ちょっと面倒だった。
( 頻繁に使わないからねえ・・・ 頻繁じゃ困る! 笑 )
念の為に14枚目から使えるようにセットし直して、再びテントの片付けを始める。

露でフライシートはかなり濡れていて、カバーには上手く入らんし、重たくなるし・・・・・
やはり家で用意する時のように、綺麗にコンパクトにとは
なかなかいかないものだね〜、テント場では。
ようやく片づけが終わって出発したのは、予定を結構オーバーして、
7時50分頃になっていた。

昨日と同じように、山頂への斜面を登って行くが、
今日は全荷物を担いでいるので、やっぱ重〜い。
それでも、山頂での朝の綺麗な光の下での景色を期待して、ゆっくり登って行く。

山頂は昨日と同じような人の数だ。
今日は雲海の量が多くて、昨日見えていた八ヶ岳連峰や御嶽山は雲の中で見えない。
槍穂高連峰の方も、昨日より雲海の量が多くなっているが、槍穂高の山だけは見えている。
上空を見上げると、ほんとに雲の無い青空だ。

あちらこちらとたくさん写真を撮って、
随分ゆっくりしてしまう。

時間の方が9時半近くになったので
そろそろ下山することにして、
山頂を後にした。

木曽駒ヶ岳山頂 ( 2956m )

ここからは木曽福島の方へ降りるので、北西方面へと向かう。
ゴロゴロした道を降って行くと、すぐの所に頂上木曽山荘があるが、
ここの屋根にはでっかく名前が書いてあってわかりやすい。

そこから更に降ると、またまたすぐ下の所に玉ノ窪小屋が見える。
途中振り返りながら山頂の方を眺めるのだが、
ちょうど逆光なので、あんまり良い絵にはならないねえ〜

少し下の所には、何やら鳥居のようなものがいろいろと祭ってあるが、
信仰の山だったのだろうか?

玉ノ窪小屋の所を通ると、とっても静かだ。
まあ時間的にそういう時間だからなあ・・・・・
しかしこの付近のエリアって宿泊者自体が、もともと少ないのではと
思えるのだけど、ましてや山頂直下に頂上木曽山荘があるのだから、
ここはかなり空いているんだろうねえ〜

小屋の前の広場からは北西側に、木曽前岳と麦草岳が見える。
麦草岳の斜面は色づきが始まっているが、まだまだ色が薄い。

普通の人には紅葉なのかもしれないが、
私の場合、涸沢の派手な紅葉とつい比べてしまうので、
平凡な紅葉では駄目なのである・・・     贅沢だろうか?

先生がトイレから戻ったので、これから福島Bコースを下山する。
AコースとかBコースとか、SKI場みたいな名前じゃなくて、
もう少しマシな名前はなかったのかねえ?

しかしここら辺は、地図を見ると紅葉が美しいと書いてあるけど、
確かに色づけば綺麗そうな感じではある。
今日はまだちょっと早いようで、色合いはいまいちだけど、
雰囲気的には悪くはない気がする。

しばらくは穏やかに降っていたが、
そのうち少しづつ周囲に木々が増えてきて道も狭くなってくる。
同時に登山道にはゴロゴロの岩が多くなってきて、ちょっと歩きにくくなってきた。
北八ヶ岳の三ツ岳付近とか天狗の露地付近のような感じだ。 ( 結構疲れるよねえ〜 )

途中、ちょっと開けた所で休憩する。
相変わらず、でかい岩がゴロゴロしていて、
人間より全然大きいのがたくさんある。

この辺りはちょっと涸沢の夏道に似たような雰囲気で、
ちょっとした樹林のトンネルのようなところもあった。

    福島Bコース

ここを歩いている頃は、手に抱えている三脚&一眼レフはただのお荷物と化していた。
でかい岩がゴロゴロしていた辺りで、使用中のフィルムが終わったので、
ここから先は使いかけの<写るんです>を使い切ることにし、
一眼レフにはもうフィルムを入れてなかったからだ。 ( ストック代わりにはなってたけどね )

しばらくして岩肌に沿うように進むようになると、ちょっとした梯子やデコボコなども出てきて、
涸沢のパノラマコースに近い感じになっていた。

全体としては、紅葉はまだ色づきが薄いのだけど、
中には部分的に真面目に色づいている葉もある。
( でも色が濃いのは、ほんとに僅かだったね〜 )

紅葉

( ←左の ) 紅葉の写真を撮ってから少し降ると、
七合目の避難小屋のある分岐点に着き、休憩する。

ここの避難小屋はかなり綺麗に見えるが、たぶん新しいのだろう。
地図には99年焼失と書いてあるので、まだ建ってから3年ぐらいなのだろうねえ〜

先生が中から呼ぶので行ってみると、確かにとても綺麗だ。
あのピカピカの板の色がなんとも綺麗だねえ。

あんまり綺麗だったので写真を撮ってみたのだが、
さすがは<写るんです>、非常に出来が悪い。
( ここに画像を載せたかったのだけど、あれではだめじゃ・・・・・ )
ここに泊まるのも、なかなかいいかもしれないよ〜

ここから先は、何となく普通の低山のような感じのする、樹林帯の中の降りだ。
樹林帯の中で日陰とはいっても、標高が下がってきているせいか、そこそこ暑い。

途中で先生が休んでザックを下ろした時に、見事に背中から真っ白い湯気が立ち上っていた。
腹が減りかけているのだけど、お湯や水で戻す時間のかかる御飯しかないということで、
今のうちに水を入れておくと先生が言う。
確かに今水を入れておけば、次の休憩場所まで歩いているうちに御飯が出来るねえ〜
( 今までそういう発想はなかったな〜、テント場でしか御飯作らんかったからねえ〜 )

6合目〜5合目と降って行き、4合目半まで来ると先生が、腹減った−! 飯〜! だそうだ。
でかいベンチもあったし、私もちょっと疲れていたので、ちょうど良いタイミングだった。

先生は御飯とラーメン、私は殆どチョコだけ・・・
やはり食欲には差があるようだねえ。( 笑 )     ここは日陰で随分と涼しい。
最初のうちはちょうど良かったが、しばらくすると寒くなってきた。
歩き出せばたぶんすぐ暑くなるのだろうが、今は寒いので仕方なく長袖を着る。
地図を見ると、もう少し先辺りからかなり急勾配の降りが続くことになっている・・・
いやだねえ〜

すぐに急勾配の降りが始まり、しばらくしてやはり暑くなってしまい、やっぱり半袖に逆戻り〜
地図によると、ここから沢を渡るまではずっと急な降りが続くことになっていたのだが、
しばらく降ると何故か下の方にもう沢の流れる音が聞こえる。

沢の音は聞こえても、なかなかすぐには着かないんだよねえ〜などと
話していたら、意外に早く沢に出てしまった。

沢を渡ってしまえば、後は緩やかな道だから楽かなあ〜と思っていたのだが、
これが結構予想に反してここからの方が辛かった。
道は車が通れる林道なので、歩きやすくはあるのだけど、
足の裏がやたらと痛くてしょうがない!
ここからのSKI場までの道のりが、随分長く感じてしまったのだった。

足が痛てえ〜などと思いながら、ようやくSKI場に出る。
そんなに大きいSKI場ではないようだ。
下の方のレストハウスもすっかり閉鎖されていて、かなり寂しい・・・
人は誰もいないしねえ。     冬にはあんなに賑わうSKI場も、
夏はこんなに静かで閑散としているものなのだなあ〜と思う。

SKI場の入り口のゲートの所で、JRの時間を調べるために、
携帯からネットに接続してみるが、
なんせ普段携帯でネットやメールを使うことが無いもんで、
いまいち使い方がよくないらしく、結局わからずじまいだ。

しばらく待っていると呼び出したタクシーがやって来た。
するとタクシーが来た途端に見覚えのある顔が・・・
昨日テント場で随分おしゃべりをしていた、あのおばちゃんだった。

このおばちゃんは違う登山者2人とタクシーで駅に向かう話をしていたらしいのだが、
何故か私たちといっしょに乗っていくことになって、3人で木曽福島駅へ向かった。

このおばちゃん、タクシーの中でもよくしゃべっている。
そのうちタクシーのラジオから、JR中央線のニュースが流れてきて、
何やら事故かなんかで停まっているらしい。
停まっているのは、松本〜新宿間なので、
名古屋方面へ帰るおばちゃんは問題ないのだが、私たちには問題だ−
よく聞くと現在は運転を再開したということなので、まあ一安心・・・
でもノロノロ運転も困るなあ。

駅に着くと普通に走っているというので、とりあえず切符を買ってホームへ向かう。
( というより、そうする以外にないしねえ・・・・・ )  ここからまず塩尻まで向かい、
その後乗り換えてまた新宿方面へ向かうのだが、電車の運行は特に問題は無いようだった。

腹が減っていたので、車内販売でお茶を買ったが( 良い弁当が見当たらなかった )、
販売員のおばさん、あんまり態度良くないねえ−( ムッ! )
スーパーあずさだからということではないのだろうけど・・・

いつもなら帰りのスーパーあずさの中ではビールを飲むのだが、
今日は久保田邸から先は車だから飲めない。

八王子で乗り換えて拝島駅で降り、車に戻って晩飯を食べに行く。
先生が回転寿司に行きたいという希望だったので行ってみたのだが、
日曜のせいか結構な待ち時間だった。

先生の食欲は相変わらずで16皿も食っている・・・
でもこれって一般的には普通らしい。
私は7皿ぐらい食べたら、もう腹が膨れてしまった。
やっぱり私は食が細いんだねえ〜( 笑 )

先生を送り届けてから22時前に帰途に着いたが、そんなに混んでなかったので、
23時15分頃、自宅に帰り着くことができた。

翌日からしばらくは、脚の筋肉痛が結構辛いものがあった。
やはり音をできるだけ立てないようして、静かに歩くように注意しながら、
降っていると、膝には全然負荷がこないが、
太腿や脹脛などは結構ガチガチになってしまうらしい・・・
単に私の運動不足のせいだろうかね〜?

喜んでたくさん撮ったわりには、写真の方はどうもパッとしない感じのものが多かった。

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