2004/10

北アルプス

涸沢

今年の夏は、転職した会社が連休を取り難い環境だった為に殆ど山に行けず、
秋になってようやく行けるかと思ったら、
日本が台風だらけになったりと、なかなか山へ出かけることが出来なかった。
10月も後半に入った今でも、台風が2つも日本に接近している最中、今年は異常だ。

今回の涸沢だって、秋雨前線や台風の影響で、何度延期したことか・・・・・
しかしあまり先延ばしにしていると紅葉が終わってしまうし、
まあまあ安定した天気がしばらく続きそうなので、出かけることにした。

10/13 (水)   千葉 → 中央道 → 松本 → 沢渡 ( 車中泊 )
10/14 (木)   沢渡 → 上高地 → 横尾 → 涸沢 ( テント泊 )
10/15 (金)   涸沢 → 横尾 → 徳沢 ( テント泊 )
10/16 (土)   徳沢 → 上高地 → 松本 → 中央道 → 千葉

10/13 (水)     曇り 後ち 快晴

予定より少し遅れて、17時55分に車で出発する。
今の時期だと、既に辺りは真っ暗で完全に夜だ。
手持ちの現金がちょっと少なめだったので、
途中の郵便局に寄り道してみたが、ATMはもう終わっていた。
( ま、いいか〜、 たぶん足りるだろう・・・・・ )

京葉道路から首都高速へと、この辺はまあ車は流れているが、
平日のせいか少し交通量は多いようだ。
箱崎・江戸橋付近の渋滞はいつものことだが、
今日は新宿〜高井戸間で工事規制の為、再び渋滞。
しかもその先の、中央道特別区間でも工事規制をやっている・・・・・

ノロノロと運転しながら高速料金について考える。
道路のメンテナンスが必要なことは理解できるが、これだけの渋滞を引き起こし、
利用者に迷惑をかけておいて、通常料金を取るのはいかがなものか?
利用者からすると、速く走れるから金を出すのであって、速く走れないなら出したくない。
しかし公団側からすると、どれくらい速いスピードで走るかは各車の自由であり、
速度に対して課金しているのではなく、道路を利用すること自体に課金しているのだ、
って感じが、しないでもない・・・    そう言われると何となく分かるような気もするが、
”首都高速道路” ”高速自動車道”って名前だろ???
とりあえず、理屈はどうでも良いから、ちゃんと速く走らせろよ−!!!

おかげさまで、八王子付近まで来る頃には、既に20時近い時間になってしまっていた。
( 折角、早く行って早く寝ようと思っていたのに、全くねえ〜〜〜  ブツブツブツ・・・・・ )

八王子を過ぎると工事規制も無く、交通量も格段に少なくなって、
本来の高速走行に戻った。    途中で雨が降っていた所もあったが、
甲府辺りに来る頃には雨も上がっており、少し星も見える。
天気予報では、明日からようやく晴れベースの天候になる予想だが、
山岳地域だし、最近の天気はあまり期待できないので、
明日は曇りだとしても、まあ雨でなければ良しって感じかな・・・

双葉SAで夜御飯を食べることにし、立ち寄る。
さすがは平日、人はガラガラだ〜 ( ちと寂しいぞ )
3日ぐらいは家を空ける為、残った御飯とキャベツを持って来たのだが、
それだけではちょっと足りないので、コロッケを注文したら、
な〜んとキャベツが付いてきた・・・・・    まあしょうがない。

八ヶ岳の近くを通る頃には、また雲ってきてしまい、
星は全く見えなくなってしまった。
諏訪付近で横を見ると、街の夜景がえらく綺麗に見え、
何でこんなに街が明るいのだろうと思ったら、まだ21時台だった。
いつもはもっと遅い時間だから、もっと街は暗くなっているのだ。

松本 I Cで降り、一般道との合流地点で
信号が青になったので右折したら、何か妙な感じだ・・・・・
よく見たら、対向車線だった〜 ( 笑 )  暗くてよくわかんなかったのよ〜〜〜

沢渡までR158をひたすら走るが、夜はこの道路、
70〜80 Km/h ぐらいで走ることが出来る。
途中で2箇所ほど工事の為に片側通行の箇所があった。
勿論夜だから工事はやってないし誰もいない。

沢渡地区に入ると、昔よく車を停めていた沢渡上の駐車場へ行ってみる。
沢渡にはマイカーの駐車場が6箇所あるが、
私は沢渡上駐車場が結構お気に入りなのだ。
理由は簡単で、車の並びのすぐ前にバスが停まるから、歩かなくて良い。
手前にある沢渡駐車場は、でかいけどバス停が遠いから、
雨の時などはちょっと面倒だねえ〜
ただ沢渡上駐車場は、収容量があまり多くないので、週末とかは空いてないことが多い。

沢渡上駐車場に行ってみると、何台分か空いていた。
チケット売り場の前にバス停があり、
そこからだんだん離れていくように車が並んでいる。
今日はラッキーなことに手前から2台目に車を置けた。
ここなら車からバス停まで約10mってところか・・・   う〜ん、近い! ( 笑 )
車に積んで来た毛布に包まって、23時半頃、お休みモードに入った。

10/13 (水)     晴れ 後ち 曇り

車のシートは寝心地が良くないので、何回か寝返りを打った記憶はあったが、
今回は不思議と途中で時計を見なかった。
眠れずにしっかりと起きていたわけではなかったということだろうか?
何となく明るい感じがし、外から人の声もするので、
ここで初めて時計を見ると、既に5時半を過ぎていた。
不思議だねえ〜、いつもはあまり眠れず、早く朝が来るのを起きて待っているのにねえ・・・

ここで朝食を済ませて行かないと、現地でゴミが増えることになるので
食べ始めるが、あまり食欲が無い。
食べ過ぎて得意の腹痛を起こしても困るので、
途中でやめて残りはザックに入れて持って行くことにする。
これらの準備の間に、
目の前を上高地行きのアルピコシャトルバスが2本ぐらい通過して行った。
車の外に出て空を見上げると、
曇りだが南の方からは青空が広がってきているようだった。

準備をしてチケットを買った後、登山計画書を書いてないことを思い出して
車で書いていると、係りの人が、もうすぐバスが来ますよ〜、と親切に呼んでくれた。
やって来たバスはガラガラ〜〜
もっとたくさん人がいると思っていたので、
始発じゃないことをちょっと心配していたが、良かった。
10月の中旬は、上高地の紅葉も最盛期に入ってくるので、
客がいっぱいいると思っていたのだ。
でも良く考えたら、上高地が目的の人はこんな朝早い時間には入る必要ないもんねえ〜

釜トンネルは工事している為、バスは迂回の狭い道を走って行く。
少ない乗客は皆、大正池前で降りてしまい、
上高地BTまで行ったのは、私一人しかいなかった。

ちょうど1年振りに上高地の地に降り立つと、また少し周囲の様子が変わっている。
いつの間にかトイレの施設の前に、売店が2〜3軒立っている。
( 仮設のようにも見えるが・・・ )
またタクシー乗り場側の施設も、工事の為に柵で囲まれてしまっていた。

売店の前を通り、梓川に沿って河童橋へと向かう。
明神岳の方は少し雲があったが、西穂焼岳の稜線上には雲が無く、
すっきりした青空になりそうな気配だ。

今日は晴れそうだ

河童橋の脇から穂高連峰を眺めると、西穂高岳の
稜線付近だけが陽光を浴び、明るく輝いている。
この分ならどうやら今日は雨どころか、晴れの
お天気になりそうだ。 ( ふふふふふ−! 笑 )

河童橋より早朝の穂高連峰

BTを出たのは6時55分、いつもより遅めだが、それでも歩く人の姿はあまり見られない。
小梨平付近は紅葉するような木々は少ないので、周囲は夏と同じく、殆ど緑でいっぱいだ。
しかし多少は黄色に色づいている木々もあった。
上高地の紅葉は赤ではなく黄色だもんねえ〜
上高地から約35分で明神に到着。  テント泊装備で久しぶりにしては良い調子で歩いている。

明神で荷物を降ろし、明神岳を撮ってみようかとしばらく試みたが、今ひとつなので中止。
特に休むこともなく、さっさと徳沢へと出発する。

昔は牧草地だった

歩きながら左手を眺めると、明神岳がとても綺麗だ。
青空が綺麗なのでちょっと撮ろうかという気もするが、
毎回のことなので撮らずに先に進む。
梓川に沿って林の中を歩き、急に前方が開けると、
次のポイントの徳沢はすぐ先だ。

徳沢のテント場

村営徳沢ロッジへの分かれ目を左へ進み、前方に広い草原が見えてくると、徳沢に到着だ。

徳沢園の前の木々は、結構黄色く色づいている。
氷壁の宿 ”徳沢園” の斜め前、沢の傍のテーブルで、車で食べられなかった朝食を
食べることにするが、テーブルでじっとしているとちょっと寒い・・・

普段通る事はない迂回路

徳沢を出て横尾へと歩いていると、
途中で本道が閉鎖され、迂回するようになっていた。

この付近は、左下に梓川を見ながら歩く道だが、
迂回路は梓川の方へ降りて歩くようになっている。
工事車両が通る為の道を利用しているようだ。

本道に戻ってしばらく歩くと、前方が開け、蝶ヶ岳への斜面が見えてくる。
ここまで来ると、少し歩けば横尾に到着する。

平日で人が少ない

横尾山荘の前は、随分とガラ〜ンとした感じだ。
週末であればもっとすごい賑わいなのだろうが、
平日だとこんなに空いているのかと思う。
やはり涸沢の紅葉のピークが過ぎると、基本的に
山に入る登山者の数が減るんだろうねえ〜

しばらく休んでから、10時前に出発する。

横尾大橋を渡り、笹の多い林の中を歩いて行く。
この辺りまで来ると、だんだん肩や背中がちょっと痛いなあと感じることが多くなってきた。
普段の山歩きでもそう思うことが最近は多いのだが、
たぶん今回は久しぶりだから特にそうなんだろう。

紅葉は少ない

左手に屏風岩を見ながら、山道らしい道に入る。
この付近はまだ周囲が緑だが、紅葉はまだだろうか?
ところどころで綺麗に色づいている葉も見かけるが、
とても少ない。

周囲を見て歩きながら、
ふと紅葉前線はまだ上だろうかと、感じる。

まだ10時台にも拘らず、どうも周辺の雰囲気が、もうすっかり午後のようだ・・・
はてなんでかね〜?

本谷橋が近くなると開ける所があるのだが、
いつもここに、ポツンと1箇所だけ真っ赤に色づく紅葉がある。

ガラガラの本谷橋

秋に涸沢へ行く時は、いつもここの葉の色づき具合を
見るのだが、今日は既に茶色気味で形も良くないし、
やや枯れかけているという感じだ。
今回はあまり期待できそうにない気がする・・・

本谷橋に着いて河原を見ると、人が少な〜い!!
なんと片手で足りるぐらいの人しかいない・・・・・

人が多すぎてウザイのも困るが、ここまで空いているとちょっと寂しい感じもする。
小腹が空いたので、休憩しておにぎりを食べるが、じっとしていると寒い。

11時15分、涸沢への最後に区間へと入る。
夏道は岩がゴロゴロして、歩きにくいんだ、ここは。
テント泊の荷物の時は、この区間はわりと疲れることが多いので、
今日もヘタるかな〜と思いながら歩いたわりには、
思ったよりも早くSガレを過ぎて、ちょっと不思議な感じがしてしまう。

途中で抜きつ抜かれつの、ややバテ気味のおじさんと話をする。

   『 いや〜、昨日バスの中で寝てないから、きつくてねえ〜〜〜 』
   『 あ−、夜行バスは寝られないですよねえ−。 』
   『 いっしょだったオバサンたちは、元気なんだよね〜 』
   『 ああいう所でも、オバサンたちは図々しく、きっとよく寝てるんですよねえ〜 』
   『 そうなんだよお〜〜〜 』

世のオバサン連中の生命力を侮ってはならない。

涸沢下のモレーン部

同じく抜きつ抜かれつの別の夫婦連れと話した後、
ちょっと登ると、すぐに開けたモレーン部に出た。

紅葉の綺麗な期間だと、良い撮影スポットではあるが、
すっかり草紅葉状態で、ちょっと寂しい。

撮影せずにさっさと歩いて行けるから、手間はかからず楽で良いけど・・・・・
そうじゃないだろ−!    撮影に来たんだから〜

考える必要もないので、とっとと先へ登る。

さっきのバテおじさんとまたいっしょになり、
おじさんはここから後1時間はかかる、と言っている。
いくら何でも、そこまではねえ・・・・・    ヒュッテはすぐそこなんだから〜 ( 笑 )
でも疲れ果ててる時って、本人はそんなもんか。

テント場直下の分岐点

道標のある分岐点まで来ると、
紅葉どころか、木々が裸じゃないか・・・
本当は紅葉が綺麗な場所なんだけどね〜

やはりちょっと悲しい感じだ。

テント場に登ってくると、これまたテントの数が少なくて、
3張ぐらいしか見えん。   ( 空き過ぎ! 笑 )

でもそのおかげで、なかなかフラットな場所が確保でき難い
このテント場で、場所が選びたい放題だ。

上の方でわりと良い場所があって、ダラダラとテントの設営を始める。
お天気には恵まれるようだが、あまり紅葉らしい紅葉を見ることもなく、
一体自分は、何をしに来たんだろうという悲壮感がだんだん膨らんできてしまう。

設営を終え、テントの受け付けの方へ行ってみると、
既に受け付けは無くなっており、従業員が巡回しますので
テントでお待ちください、という看板が置いてあった。
それだけ空いているってことか〜、最盛期には考えられんもんね−。

まあそうはいっても、本館の受け付けで済むなら済ませようかと思い、
ヒュッテの方へ行ってみると、既に名物のパノラマ売店は
跡形もなく無くなっており、代わりにテーブルが並んでいた。

傍ではヒュッテのオーナーも混じってテラスの撤去作業の最中だし、
逆側の別館の表側には、既に板がびっしり貼り付けられていて、
小屋閉まい寸前状態じゃないか〜    いや〜、寂しいねえ・・・

本館に入ると、ストーブが点いていて、とても暖か〜〜い!!
もうそういう季節なのだ。
受け付けの所にしばらくいたが、誰も来ないので受け付けは諦める。

本来上にあるはずのパノラマ売店は、
今の時期、ここ本館内の受け付け横でひっそりと店を出している。
な〜んか不況の煽りを受けて業務縮小した会社みたいで、
ちょっと物悲しい雰囲気いっぱいだ・・・

ふと壁を見ると、綺麗な紅葉記事の新聞切り抜きが貼り出してあり、
日付けを見たら、2004-10-07 だ。    なんだ、1週間前じゃないか。
しかしたった1週間で、木々は裸のようになってしまうんだねえ・・・

入り口横のTVでは天気予報がずっと映し出されており、明日は快晴のようだ。
紅葉撮影にはとてもBESTな天気なのに、肝心の紅葉が無いんじゃねえ〜   惜しい。

本館入り口の前にはトイレ棟があるが、どうやら改装したらしく、昨年と変わっていた。
今回は所持金に余裕が無いので、ビールをどうするか迷ったが、
寒いこともあって買わずにテントに戻る。
ガスの間から多少の青空がのぞいていて、
それなりに晴天のような雰囲気はあるが、とにかく寒い!!
寒い上にやることも無いので、シュラフに潜ることにした。
まだ14時半前なんだけど、しょうがない。

結構暇で困るかなと思っていたが、疲れたせいか横になっているだけでも楽で良い。
だんだん辺りが薄暗くなっていくが、
かすかに他人の話す声は途切れることなく続いている。
何気なく聞こえてきた声の中に、雪だ〜という言葉があった。
寒気が入ってくるのは知っていたが、とうとう雪が降ってきたか・・・
しかしシュラフから出て外を覗くまではしなかった。

真っ暗になる頃には、なぜか左足の付け根がえらく痛くなり、なかなか引かない。
寝返りを打っても痛くて、明日は穂高に上がるどころか、
帰れなくなったらどないしよ〜〜と、やや不安になってしまった。

そのうち少し空腹感を感じ、しばらくは寝ていたが、昼前に本谷橋で少し食べただけだから
少し何か腹に入れようと思い、起き出してとりあえずお湯を沸かす。

結局、そんなに食欲が出るようでもないので、梅こぶ茶を飲んだ後、
泡盛のお湯割りとツマミだけを腹に入れて、またシュラフに潜ってしまった。

夜中、どうやら外は荒れているようで、バチバチと凄い音がテントを叩いている。
たまに、もしかしたら飛ばされるのではないかと思うほど、テントが揺れることもあった。

テント前にたまった雪

結構雪が降っているようで、テントの中から
テントを叩くと、バサバサと雪が落ちるのがわかる。
明日はどうなるんかねえ〜と思いながら、
夜は更けていくのだった。

黄色の部分がフライシートのファスナーなので、
テントの前には結構な雪が積もっているのがわかる。

10/15 (金)     快晴

よく寝返りを打っていたのでそんなによく寝たわけではなかったが、
またしても時計は見なかった。

ちょっと寒くてシュラフから出るのを結構ためらっていたが、
外が少し明るくなっているようだったので、思い切ってシュラフから出てみる。
テントを開けると、やはりフライシートはバリバリに凍っている。
うっすらと雪が積もっているのかな〜程度の気分で顔を出すと、
なんと外は一面の銀世界となっていた。

涸沢は周囲を穂高連峰に囲まれている為、太陽が顔を出すのが遅い。
私が外を見た時はやや雲っているような雰囲気も手伝って、
冬の日本海側のように感じてしまった。

しかし目を右の方へ向けると、穂高連峰の稜線にはもう陽が当たり始めていた。
穂高の斜面も真っ白に雪化粧していて、とても綺麗だ。

稜線付近では、ガスがかかったり取れたりしていたが、
上空は青空になっていたので、やはり今日は昨日の予想通り晴天になりそうな感じがする。
青い空に白い雪なら素晴らしい光景が見れるだろうなあ〜と期待が膨らむ。

まだ腹が減っていなかったので、とりあえずカメラを持って外に出てみることにする。
外はそれなりに冷えていて寒いのだが、
やはりこの予想外の光景の方に心を奪われてしまう。

私がテントを張っていたのは、涸沢ヒュッテと涸沢小屋を結ぶ
通路のすぐ下だったので、通路へ上がって少し写真を撮ってみることにする。
日向と日陰の境目は、まだザイテングラード付近だ。

とりあえず適当に写真を撮っていたが、通路のすぐ上側でも
同じように写真を撮っている女性がいたので、カメラを渡して写真を撮ってもらった。
お互いに撮り合った後、しばらく話をする。

この女性もやはり今日は北穂へ上がるつもりだったが、
この雪でどうしようかと考えているそうだった。 ( 勿論自分もそう )
更に、名古屋方面から来るとどうしても上高地に着くのが11時頃になってしまうので、
気合入れて登って来たら、15時台の早い時間に着いたのだそうだ。
( テント泊装備で4時間強なら、結構速くないか? )

白い雪が眩しい

明るい部分が増えて来たので、しばらく撮影続行。
やはり青い空に白い雪は、とっても映えるね〜

紅葉は殆ど見られなかったが、
この雪景色を見れたのは、結構貴重かもしれない。

紅葉撮影は日程に幅があるから、多少ずれても大丈夫だし、
天候が駄目でも2〜3日待てばチャンスは来る。
しかし初雪の景色はその日ピッタリでないと、なかなか次には当たらない。

10月末なら同じような景色を見ることが出来るかもしれないが、
その頃だと完全に紅葉は消えているので、三段紅葉は撮れない。

ちょっとワイド〜

ちょっとパノラマ風

昨年5月半ばに来た時は、完全にびっしりと雪に覆われていたが、
それとはまた雰囲気が違って、これくらいの雪の感じも結構良いと思う。

ある程度撮ったので、朝食を食べることにした。

フライもバリバリ〜

← この写真は、しばらく外で撮影をした後に
撮ったので、少しだけど雪が減っている感じ。

シュラフから出て最初に外を見た時は、もっと
一面の雪という感じで、黒い部分は少なかった。
今の時期はまだ本格的な冬に比べると、
やはり融けるのが早いようだ。
( そりゃそうだ、今の時期冬と同じじゃ困る! )

テントに戻り、とりあえずお湯を沸かす。     しかし入り口を開けていると寒〜い!!
外を見るとちょうど前穂から屏風へ伸びる稜線が見えるが、
こちらは稜線の上に少しガスが沸いていて、そこがやたらと明るい。
どうやら稜線の向こう側から陽光を浴びているようだ。

常念山脈の方はというと、稜線は見えたり見えなかったりしているが、
梓川から槍沢ラインの谷間には、ずっとガスが沸いていて、何も見えない。
時折り、そのガスが涸沢にも上がってきて、何も見えなくなったりもしていた。

朝食を済ませると、歯磨きと水の補給の為に
ヒュッテの方へ歩いたが、サンダルだったので気を使う。
ヒュッテの手前の登りの石畳の途中で横を見ると、小さな沢のように
上から水が流れ出しているのだが、そこにはツララが出来上がっていた。

外の流し台で歯磨きを終えると、昨日のバテおじさんがやってきた。
昨日はあれからどうでした? と聞くと、
やっぱりあそこから1時間かかったのだそうだ・・・
相当お疲れだったんだねえ〜

このおじさんもどうやら穂高に上がる予定だったらしいのだが、
夜半の降雪の為、ヒュッテでは、
穂高へ上がるのは止めてください、という通達が出たらしい。
登るのはまあ良いと思うけど、降る時に雪があると
やっぱりちょっとねえ・・・  勾配結構あるし−。

階段を降りてヒュッテの玄関の前に行くと、
昨日抜きつ抜かれつの夫婦といっしょになった。
こちらの夫婦も、今日は北穂から涸沢岳を
まわる予定だったらしいが、止めて横尾に泊まるそうだ。

でもこの夫婦、旦那さんは冬山をそこそこやられているらしいが、
奥さんは高い山は初めてらしい・・・
ん−−、それで北穂と涸沢岳ってちょっときつくないのかな〜???
とも思ったが、そうでもないか。   6時間ぐらいあれば行けそうだもんね〜

水を補給した後、テントに戻る。
この頃にはもうテント場付近も陽が当たり、明るくなっていた。
今度は三脚を持ち出して写真を撮ることにして、その辺をウロチョロする。

テラスも撤去

ヒュッテの方はまだ写真を撮ってなかったので、
再びそっちの方へ行ってヒュッテ付近を見まわす。
本館の上に設置してあるテラスも外され、
鋸で切られたりして、撤去作業が進んでいた。

← ヒュッテのオーナーも作業の真っ最中。

テントは殆ど見えず・・・

ヒュッテに近い方からテント場の方を改めて眺めると、
テントの姿は殆ど無く、行きかう人も少ない。
既に9時を回ったので、もう出発した人もいるだろう。

さすがにこの天気でこの時間ともなると、
殆ど雪も融けてしまい、普通の秋の姿に近いね〜
それにしても、本当に快晴の良い天気だ・・・・・

テントに戻って、今日はどうするかな〜と考えていると、
トイレに行きたくなって再び急ぎヒュッテの方へ・・・

改築されたトイレはまた一段と綺麗になっていた。
トイレも洋式で、なんと座ると暖かいのだ。
最初は冷たくなくて良かったと思っていたが、
長く座っていたらそのうち熱くなってしまって困った。( 笑 )

トイレから出ると、ちょうど朝写真を撮ってもらったお姉さんが、出発するところだった。
北穂登頂は止めて、今日は徳沢でテントを張り、

明日は予定変更で蝶ヶ岳に行くかもしれないそうだ。
確かに穂高に行かないならどうするかと考えると、
雪は消えそうだからこのままここでもう1泊して粘るか、又は降りて帰るか・・・

しかしあれほど待ちわびた晴天がしばらく続くのに、帰るのは勿体無い。
かといって今日もここに滞在するとなると、今日が暇でしょうがない。
いくら快晴でも、もう写真は撮った。

結局たいしたことはないとはいえ、
昨日来る時は曇りできちんと紅葉を撮ってなかったので、
今日はこの陽光だし、紅葉をちょっと撮るか〜ってことと、もう一つ、
初挑戦してみようかと思うことがあった。
それは、テント泊縦走。  ( なんじゃそりゃ〜? って感じでしょう〜〜〜 笑 )

そう、実はわたくし、朝テントを撤収し、昼間歩いて夕方別の場所で
再びテントの設営というのは、まだやったことがないのだあ〜!
兎に角、テントの設営撤収を、この上なく面倒くさがる奴なので、
テント泊で3日間山行というのは、ベース型しかやっておらず・・・  ( ホッホッホ−! )

テント場としては徳沢が一番爽やかだし、時間的にも徳沢が一番無難な配分だ。
横尾だと近すぎるし、上高地まで行くと、もう帰りたくなってしまうからね〜

別にお姉さんの後を追っかけて行くわけではない・・・
予め断っておかないと、久保田先生から必ずツッコミが入るのは必死だしい〜 ( 笑 )

というわけで、テント泊縦走、初の試みとなった。
テントを撤収しながら、いっつも思う・・・
こんなの雨の中でやるなんて考えられん−!!
だって、荷物全部外に出すんだしいいい〜〜〜
( わがままな奴だと言われそうだ・・・ )

しかしテント泊を始めて6年経つが、設営&撤収時に雨に当たったことが
未だに一度もないので、絶対にそんな状況ではやりたくないのだあ〜
( いや、他の皆さんもそう思っている筈なので、私の意見は間違ってないと思うぞ。 )

荷物の片付けが終わり、最後に穂高をバックにちょっと写真を撮る。
朝、撮ってもらったが、自分たちの所が日陰だったので、
輝度差が激しく、おそらく綺麗に撮れていないはず・・・・・

予定よりちょっと遅くなったが、11時15分、いよいよ荷物を担いで涸沢を出発。
しかし何度見ても、なんとも降るのが惜しいほどの景色だ。

降り始めると、どうやら昨晩あれほど痛かった左足の付け根は
回復しているようで、まあ普通に歩けるようだ。
( 当然だ−、歩けんだったら帰れんじゃないか〜   でもなんでだろう? )
雪はもう所々に少し残っているだけになっている石畳を降りていく。

分岐点まで来ると傍にちょっと色づいた紅葉がある。

昨日登って来た時は雲っていた為、綺麗に見えず、あまり印象に残ってなかった。
そして今も上側から見ると順光の為、あまり綺麗ではないオレンジなのだ。
がしかし、紅葉を綺麗に見るには順光より逆光。
だから最近の紅葉の写真は、透過光撮影が殆どだ。

光線状態によって見え方が変わる

左の写真は、半逆光で結構綺麗な色になった。

奥穂付近の雪がちょっと少なくなってしまったが、
陽光が射してすぐだったら、もう少し綺麗な
三段紅葉の写真だったかもしれないね〜

ところで三段紅葉って、紅葉の赤と雪の白と、もう一つって何?
空の青? 木々の緑?     まあ綺麗なら何でもいいかあ〜

順光だと色ははっきりするが、輝き方は弱くなる

少し降りた所で、別の三段紅葉を狙ってみたけど、
周囲に枯木が多く、邪魔で駄目だ〜

紅葉自体は似たようなものだけど、左の写真は殆ど
順光となっているので、葉の色の映え方が上の
ものと比べると、少し落ち着いた感じになっている。
というより、透過光が輝くという方が合っているか・・・

でも周囲の木々は皆葉が落ちているのに、残っている木は塊で丸ごと残ってるんだねえ。

下部モレーン付近では、歩いては止まり、を繰り返していたので、
ゆっくり歩いているオバちゃんたちと、これまた抜きつ抜かれつとなった。

このオバちゃんたちは、今朝北穂の小屋から降りて来たそうで、
北穂高岳は今朝の積雪が18cmもあって、降りられるか心配したそうだ。 ( だろ〜ねえ )

下部モレーンを過ぎると、だいたい石畳も終わって普通の道になってくる。
( とはいっても、やっぱり石は多いけど )

木の上の方の葉は逆光気味なので映える!

この辺りからは視線が低い方へと移るので、
目の前に広がる光景は、秋の景色だ。

今日は快晴で、直射日光が冴え渡っている為、
昨日分からなかった色づきの良い紅葉が、
背景が青いと、やはり赤が映える。

これぐらいの透過光だと美しい

Sガレ付近の紅葉

登って来る時に、映えた紅葉を殆ど見なかったので
雪景色が見れたから良いか〜などと思っていたが、
少ないとはいえ、これぐらいの紅葉が見られれば
秋に来た甲斐があったという感じがする。

今年も紅葉の写真を撮ることが出来て良かった。

Sガレを過ぎると、殆ど雪は無いのかと思っていたら、
日陰には結構融けないで残っている所もある。
石の部分が多い道なので、滑らないように注意しながらゆっくり降りて行く。

沢の音が結構大きく聞こえてくるようになったので、
本谷橋が近いのかなと思いながら降りるのだが、なかなか近づいて来ない。
登りの時は思ったより早いなあと感じたが、降りは逆に遅かった。

ようやく本谷橋に着くと、昼飯大休憩〜〜   相変わらず人の数は少ない。
お昼だが、ここは日陰なのでちょっとじっとしていると、結構すぐに寒くなってしまう。

店を広げるのはちょっと面倒だなあ〜などと思っていたが、ここがもう今日の
中間点なことだし、たまたま近くでカップラーメンを食べていた夫婦の方から、
ラーメンスープの香りが漂ってきた為、インスタントラーメンを作ることに決定〜〜

ラーメンを食べながら、少しは登って来る人が増えるのかなと思って
見ていたが、やはり少ないね〜
平日といっても金曜で、週末にくっつけて来る人が多いのではと思ったけど、
紅葉が終わってしまうと、本当に空いてしまうようだ。
沢の対岸の斜面も色づいているが、この辺は紅葉ではなく黄葉だ。

下の方へ降りると黄葉が多い

本谷橋を出ると、ここから先、周囲は基本的に緑だ。
色づいている葉も、赤はあまり無く、大概は黄色だ。

本谷橋で少し寒かったので、早く陽が
当たらないかと思いながら歩くが、結構日陰が続く。
屏風をまわり込み、周囲に笹が多くなってくると、
ようやく陽射しが出てきて暖かくなった。

ちょうど1時間ぐらいで横尾に到着するが、相変わらず人は疎らにしかいない。

昨日の午前中と同じような人数だが、
午後の柔らかい光の分、ちょっと寂しい雰囲気のような気がする。

横尾山荘の前から前穂高岳を眺めると、
雲が一切無くて、とても清々しい光景が広がっていた。
逆光気味で若干薄い景色だが、
普通ならこの時間帯は雲が結構出ていて、あまり良い景色ではない。

少し休んでから今日最後の区間を、徳沢へと向かって歩き出す。
時間は14時半で予定よりは少し遅いが、
別に何の問題もなく、後はただ平坦な道を歩くだけだ。

北側にも全く雲は無し

横尾を出て少し歩くと開けた場所に出るが、
後ろを振り返り、常念山脈方面を見ても、
全く雲は無い。

この時間に雲が皆無なのは、本物の快晴なんだね〜
勿論、穂高連峰の上空にも雲は無い。

しばらくして、そろそろ迂回路かなと思ったら、今日はもう本道を通行するようになっていた。
あれは昨日だけの特別ルートだったのかな・・・

木漏れ日が柔らかい

午後の柔らかい陽光が黄緑色の林に射し込み、
行きかう人の少なさも、時の流れを遅く感じさせる。

時間はもう15時を回っているが、
この時間でもまだすれ違う人たちがいる。
きっと横尾山荘か槍沢ロッジまで行く人たちなんだろう。

昨日もそうだったが、また足の裏がちょっと痛くなった。
早く新村橋が見えないかなあ〜と梓川の先に目をやるが、橋の姿はまだ見えない。

テント泊の荷物の時はいつも肩が痛くなってしまうので、早く着かないかあ〜と、真剣に思う。
新村橋を過ぎ、しばらく歩いて、ようやく徳沢園の赤い屋根が見えて来た。
15時40分、やっと徳沢に到着〜
( でも普通なら、このまま上高地までが1日コースじゃないか・・・ )

とても爽やかな徳沢

テント場を見渡すと、10張ぐらいのテントがある。
今朝涸沢で、徳沢へ行くと言っていたお姉さんの
テントも、奥の方に張ってあった。

テントを設営し固定以外を済ませると石を探すが、
なかなかここには手頃な石が見当たらない。
以前は徳沢園の傍にいっぱい石があったのに・・・

風も無いし、今日はビールを買うことにする。      350mlで400円、
山の上よりはちょっとマシ〜    街中ではないから、輸送コストを考えれば当然だ。

ビールは500mlを買ってベンチでマッタリ・・・
16時を過ぎても雲ひとつ無く、静かな時が過ぎていく。

その後、再び石を探して周辺をウロウロしてみるが、
見つからないので諦めてペグを打つことにする。
地面の中はちょっと堅くて、あまり深くは入らなかったが、
まあ穏やかな天気だから大丈夫だろう。

昨日と同じように、とりあえずシュラフに潜り込む。
今日は昨日と違って団体も近くにいるので、結構長い時間、話声が聞こえていた。
明るいうちは構わないが、この集団、暗くなってからもずっとしゃべっている・・・
( 静かにせえちゅーの! )

なかなか眠らずにいると、外から、流れ星だ〜という声がよく聞こえてきた。
確かに快晴の夜だから星はたくさん見えるだろうけど、そんなに流れるのかな〜と思う。

夜中に外で星の写真を撮ってみようかなと思ったりもしたが、結局面倒で撮らなかった。
( 撮るのが面倒というより、シュラフを出てテントの外に出るのが面倒・・・  が正解。  笑 )
それにしても今夜はフリースを脱いで寝ていたら、兎に角寒い!!
朝フライは凍っているだろう。

10/16 (土)     快晴

ず〜っと眠れなかったが、星を全く見ないというのも勿体無いと思い、4時頃外を覗いてみる。
顔を出すとすぐに、徳沢園の上に北斗七星がはっきりと見えた。
上空は確かに星がたくさん出ていたが、思ったほどの散りばめ具合でもなかった。
( 贅沢かな・・・ )    あまりに寒いので、この時間になってやっとフリースを着る。
さっさと着ていれば少しは眠れたかもしれないが、結局貫徹で朝を迎えることになってしまった。

明るくなって外に顔を出すと、既に行動している人がたくさんいる。
フライシートは、やはりバリバリだ〜

朝日で白いのではなく、霜で白いのだ〜

周囲の牧草も、日陰の所は霜で白〜くなっている。
陽光はまだ登山道ぐらいまでしかきていない。

自分のテントは大きな木の陰なので、フライの凍りを
融かすのにちょっと時間がかかるかもしれない。
そこまで考えずにテントを張ってしまったな〜
まあ今日は死ぬほど時間があるから別に良いけど。

三脚とカメラを持って周囲をうろついてみる。

穂高は今日も美しい

朝の瑞々しい光は、周辺の緑を綺麗に映しだすが、
写真に撮ろうとすると、ちょっと難しい。
登山道の向こうの沢の水はとても綺麗で、よく見ると
魚も泳いでいる。  ( ここ魚がいるんだ・・・・・ )

上空には晴巻雲がたくさん出ているが、前穂高岳の
方は雲がなく、またしても素晴らしい青空だ。

しばらく散策した後、テントで朝食の支度をする。
今朝は銀マットを外に出して、外で食べることにしよう。
しかし時間が豊富にあるというのは、兎に角良い事だ。
なんせ今日は昼にここを出ても問題ないほどだから・・・

青い空に緑の牧草も美しい

食事の後しばらくしてから、再び周囲を散策する。
徳沢園に近い大きな銀杏の木は、既に葉が山吹色に
なっているが、葉の量がちょっと少ない気がする。

随分とのんびりし、時間も10時近くに
なってきたので、そろそろテントの片付けを始める。

フライシートとボトムシートは濡れたまま乾いてないので、
しばらく日向に広げて乾かすことにする。
こういうことが出来るのも、晴天のおかげだ。   雨天の作業は、やはり考えられん・・・

準備ができて、そろそろ出発。     時計を見ると10時40分。
上高地まで歩けば終わりだが、おそらく1時間20分ぐらいで着くだろう。

朝早くから稜線をガンガン歩くのも良いが、これほどまでにマッタリするのも結構良いもんだ。
奥の方に張ってある昨日のお姉さんのテントは静かなままだ。
たぶん今日は蝶ヶ岳だろう。

徳沢を出て歩き始めると、今日は行きかう人がちょっと多い。  ( 土曜日だしねえ− )
登山地図では、上高地〜明神〜徳沢〜横尾は、全て各1時間ほどになっているが、
実際には上高地〜明神〜徳沢の間は、そんなにかからない。
速い時は上高地〜徳沢間で1時間強だ。
今日は朝一で元気だということもあるが、明神が見えてくるのは早かった。

明神館の前に来ると、毎度のことだが、ここはすっかり観光地だなあ〜と、しみじみ思う。
どう見ても、渋谷新宿にいても違和感の無い恰好の人たちがたくさんいる。
まあ実際遊歩道が整備され、一般散策道となっているので、別に問題はないんだけどねえ・・・
ここでは特に休憩はせず、上高地へと足を進める。

明神から先へ進むと、ますます一般観光客とたくさんすれ違う。
自分の感覚では、混雑期は涸沢の紅葉期というイメージがあるので、
10月上旬という頭があるが、この辺の上高地周辺の黄葉は
10月の第3週辺りがピークなので、ちょうど今頃が混雑期なんだねえ〜

明神を過ぎてしばらくすると、白い砂地のちょっと開けた所があるが、
その手前付近で、おお〜〜、スーツの男性にヒールの女性−!
おいおいと思ったが、よく見たらガイドさんだった。( 笑 )

しかしガイドさんたちも大変だねえ〜、
私らのように山歩きを普段やっている人間からすると、
上高地〜明神間なんて全然たいしたことないけど、山歩きをしない人種にとっては、
片道1時間も歩くなんて結構、重労働かもしれんね〜

だって普段マラソンしている人は、3kmや5km走ったところで全然平気だろうけど、
僕ちゃんなんて普段走ることなんてないから、100m走ったらおそらく倒れる。( 笑 )

たいしたことない印象のわりには小梨平のキャンプ場が見えてくるのは、ちょっと遅かった。
穂高の稜線に雲が沸かないうちに写真を撮りたかったので、
ちょっと焦りがあったせいで長く感じたのかもしれない。

キャンプ場内を過ぎ、河童橋が見えてくると、ちょうど12時過ぎでほぼ予定通りの時間だ。

上高地定番の光景 河童橋からの穂高連峰

テーブルに荷物を置いて橋の傍から穂高を撮る。

天気が良ければいつも撮る景色だが、
やはり雲が無く素晴らしい青空だと、
どうしても撮ってしまうのだ。

腹は減ってなかったので、天気も良いことだし、
久しぶりに河童橋周辺をうろついてみることにした。
橋の対岸から穂高を撮ったり、橋のすぐ下に降りてみたりする。

梓川の左岸で少しBT側よりの所から焼岳の方を見ると、
梓川と焼岳がセットになって結構良いのだけど、難点はやや逆光気味なことだ。

河童橋に戻って、上高地の写真好きのプリント屋さんのマスターに携帯から電話をしてみる。
今日は休みで自宅にいて、ちょうどPCの前にいるそうなので、インターネットのライブカメラで、
今自分が眺めている、河童橋からの穂高連峰の映像を眺めてもらった。
( なんか自分だけ生で見てしまって申し訳ないのだけど・・・・・ )

【 後日談より − その1 】

が、ちょうどその1週間後、午前中に携帯の電源を入れたら、
マスターからEメールが届いており、
なんと、今河童橋にいま〜す、穂高が綺麗です〜、という内容だった。
あれまあ・・・・・  帝国の逆襲ならぬ、マスターの逆襲だった。 ( 笑 )

今度は私がライブカメラを見ながら、電話で話すという、
逆のことが見事に起こっているのだった。

しかし上高地へ日帰りなんて、マスターは強者だ〜〜  私にはとてもできん・・・

その後テーブルに戻り、ラーメンを作って食べる。
この時間、穂高の上空に雲が結構沸いていたが、
昼食後に再び散策する頃には、また消えていた。

食事の後、久しぶりに写真中央の中洲に行ってみる。
近そうだが、行くには結構回り込むのだ。
でもその途中のテーブルとベンチは結構空いていて、実は穴場かもしれない。

中洲を後にすると、トイレがてらに新しく出来ていたビジターセンターに入ってみる。
入ってみてちょっとへえ〜っと思ったのは、写真や絵葉書、
カレンダーなどのビジュアル的なものがたくさんあることだった。

ゆっくり眺めたかったが、14時近くだったので、そそくさとBTへと向かう。

テーブルで荷物を担いでいると、横を見覚えのある夫婦連れが通って行くのが見えた。
そう、涸沢でちょっと話をした、旦那さんが冬山やる人で、奥さんが高い山初心者という夫婦だ。
河童橋の所で声をかけて少し話をする。

聞いたら、昨日は横尾に泊まり、今日は時間があるので槍沢まで行って戻って来たそうだ。
槍沢がとても綺麗で、青森の奥入瀬渓流よりも全然綺麗だったそうだが、
奥入瀬より綺麗ってことは相当じゃないか〜と思うのだが、はて、そうだったかなあ・・・?
夏に槍沢を2回通った事はあるけど、正直そんなに綺麗だった印象はないのだけれど・・・
秋だと違う光景なんだろうかねえ〜

帰りが高速バスだそうなので、どこまでか聞くと新宿までということだった。
新宿なら通過するから、良かったら乗っていきますかと行ったら、
バスのチケットは既に予約済みだそうだ。
では〜、ということで挨拶して、BTの方へ向かう。

沢渡行きのバス乗り場へ来ると、やっぱり行列はできていたが、
まだたいした長さではなかった。
しかしなかなかバスが来なくて、長〜い待ち時間となった。

放送を聞いていると、どうやら観光バス乗り入れのせいで、
釜トンとBTの間が渋滞していて、片側交互通行をしているという話。
まったく観光バスなんか入れるなあ〜!!
沢渡でシャトルバスに乗り換えさせえば良いではないか。
渋滞は引き起こすし、上高地は人だらけで情緒は損なわれるし、
考えてもらいたいものだけどね〜
でも商売やっている方としては、そうもいかんのだろうねえ・・・

15時頃になって、ようやくバスに乗ることができた。
前から5人目ぐらいで乗ったので、席は選びたい放題だったが、
途中で降りるから前の方に座ろうと思い、前輪の上の席に座った為、
膝の上にザックを置いたら、高層ビルのようになってしまった。

たまたま隣に座ったオバちゃんも高い山によく出かけるらしく、
ずっと話していたが、そのオバちゃんが山に行くと、
雨やガスで何も見えないことが殆どだそうで、とても気の毒な話だった。

沢渡上でバスを降りると、車がとても近いので、やっぱりここは超便利〜〜♪♪
帰りは道路上のバス停で停まるので、
行きのように車の目の前ではないが、それでも歩いて約15秒。

荷物を積み込み、いつも帰りに立ち寄る温泉へと車で移動する。
車で約2分ぐらいの近い所だ。

ここの温泉は規模はやや小さめだが、
内湯と露天があり、なんといっても空いているのが良い。
自分だけの時もよくあるが、他人がいても多くてせいぜい4人ぐらいなものだ。
だからいつもここ〜

下山後の温泉は気持ちの良いものだが、
今日のお風呂はなぜかいつもより格別に心地良い〜  何故だろう??
別に特段、素晴らしいお湯ってわけでもないのだけど〜
寒かったり、久しぶりの登山で体が疲れていたりしていたからかもしれないねえ〜

温泉を出ると17時だった。
途中で八王子を通るので、久保田先生が家に居るようなら、ちょっと寄ってみても
いいかなと思って電話すると、なんと今、権現岳の小屋に居るそうだ。
久しぶりに晴天の週末だから、皆さん山へお出かけかもと思ったが、やっぱそうだった。

R158はいつものように、新島々の手前まではノロノロした感じの走りだ。
松本 I Cから長野道をしばらく走ると、
右手に北アルプスの山並みが見えるのだが、今日は暗くて駄目。

高速道路は全然渋滞してなく、今日はかなり快調に走っている。
小腹が空いたような気もしたが、諏訪のSAは通過し、双葉SAまで行くことにする。
途中、小淵沢から長坂付近で、暗いながらも少しだけ、
南八ヶ岳のなだらかな輪郭がうっすらと見えた。
そうか、皆さん今夜はあの辺に居るんだねえ〜

やまちゃん、ちよみちゃんたちは赤岳、久保田先生は権現岳、
この辺りも今日は晴天だっただろうから、
きっと良い山歩きだっただろうと思いながら、追い越し車線をどんどん走って行く。

【 後日談より − その2 】

ちよみ姉は高い山は始めたばっかりだから、他の人たちに迷惑かけてないのかな〜と、
その時に思ったけど、後で彼女らの記録を見たら、高山の動物を見て、アザラシ!!
と言い切り、周囲をとっても楽しませた(?)そうだ。   ・・・・・さすがだ〜 ( 笑 )

双葉SAでキーマカレーを食べて、一路東京へ。

電光掲示板には、多少混雑のオレンジ文字で所用時間がでていて、
その通りなら八王子は21時頃だ。   実際には予想外に全然渋滞が無く、
首都高速も、あの箱崎を 50km/h で通過できてしまい、速い速い。
おかげで、船橋料金所に21時前に着いてしまった。

ところが、ここからがストレス急増で、料金所の先の京葉道路を
200〜300mぐらい工事しており、そのせいですごい渋滞になっていた。

料金所の通行可能レーンは6車線、京葉道路は2車線、その先で工事の為、1車線。
渋滞するに決まってるだろ−!!
普通なら2分ぐらいで通過する所が30分もかかってしまう。
でも自宅到着は22時頃で、沢渡から千葉までを考えたら結構速い移動だった。

今年は3日間しか歩いてなかった為、いつもより疲れたが、
全ての日が素晴らしい晴天に恵まれてとっても良かった。

年賀状にいつも百名山の写真を使っているので、
今年は行けなくて駄目かなあ〜と思っていたけど、そこそこのが撮れて良かった。
( そんなに良い出来ってわけじゃないけどね〜 )

というわけで、今年の登山は基本的に、お〜しまい。  また来年、行けると良いなあ〜

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