2002/10

八ヶ岳

縞枯山・横岳

先週の涸沢に引き続き、今週末も山に出かけることになった。

今回はダンディ−Kさんと、最近山歩きに興味が出てきている職場の先輩 I さん、そして私。
今回の山行はやや軽めのテント泊山行で、北八ヶ岳へ一泊で出かける予定・・・ ( であった )

先輩の I さんは今回のテント泊山行の為に、随分いろいろと買い物をされ、あっという間に
テントと湯沸しセット以外は、ほぼテント泊装備が揃うほどにまで、道具が揃っていたのだった。

いっしょに買い物に行ったせいか、シュラフとシュラフカバ−、カップは私と同じ物になった。
テントはダンディ−さんから、そしてダブル伸縮ポールは私からレンタルする予定で・・・・・

10/11(金)  千葉 → 北八王子 → 中央高速 → 諏訪 I C → 麦草峠( 車中泊 )
10/12(土)  麦草峠 → 茶臼山 → 縞枯山 → 雨池峠 → 三ツ岳 → 北横岳ヒュッテ泊
10/13(日)  ヒュッテ → 横岳 → 大岳 → 双子池 → 雨池 → 麦草峠 → 松原湖畔泊
10/14(月)  民宿 → 須玉 I C → 中央高速 → 千葉

10月 11日 (金)     天気は忘れた

当日の夜は、二人を北八王子駅で拾う予定となっていたが、予定より早く( なんと1時間も )
到着してしまったので、駅前のロータリーに駐車してボケーッとしていたら、
何やら後ろの方でゴツゴツと音がする・・・・・  何の音だあああ??? と思って
チラッと後ろを見ると、なんとお巡りさんが何やら書いている様子・・・・・

結局その後、駐禁を取られる前に移動したから問題は無かったものの、
中に居るんだから黙ってチェックしないで、一言注意すればいいんではないの?
と思ってしまったのだが、いかがだろう?

駅の出口から少し離れた場所で I さんを拾い、駅前でダンディ−さんを乗せて、
八王子ICから中央高速に乗り、八ヶ岳方面へと向かった。

例のおっちゃんが覚えているかなと思って、双葉SAに寄ってガソリンを入れたが、
今日は違う人だった。    諏訪 I Cで降りてコンビニに寄り買い物を済ませる。

国道299号線を麦草峠へと走るが、午前2時頃なので完全に空いている。
真っ暗い道を走っていると、突然目の前に何やら黒くて大きい影が−!!!
わあ−!! っと叫んで、車を急停止させる。  なんと、でっかい鹿であった・・・・・

そりゃ−確かにこの辺のエリアは君たちのテリトリーかもしれんが、
真っ暗闇の中から、でっかい光が近寄って来たら、ちょっとぐらい逃げたらどうよ?
( 鹿って夜は目が見えんのか〜? )

麦草峠の駐車場に着いたのは、既に午前3時頃となっていた。

車を停めて明かりを消すと、上空には物凄い星の姿を見えたので、思わず
寒いのも忘れて、外でプラネタリウムのような満点の星空をしばし眺めてしまった。

う〜ん、こんなにたくさんの星を見たのは随分久しぶりのような気がする・・・・・
先昨年の夏に、針ノ木峠から見た夜空以来かなあ〜  と思う。

車の中もエンジンを切ると急速に冷え始める。
私は毛布、他の二人はシュラフに包まって寝ることになった。

10月 12日 (土)     快晴

朝目が覚めると既に明るくなっており、周囲には霜が降りていた。
あれだけ星もたくさん見えていたことだし、放射冷却でかなり冷え込んだのだろう。
ぼちぼち支度をして、快晴の青空のもと、7時半頃出発することとなった。

今日は縞枯山から横岳を通って、双子池までの予定。
慣れない I さんがいて、装備もテント泊の荷物と少し重めだが、
まあ行けない内容でもないので、何も考えずに歩いて行く。
しかし最初の分岐点で既にいい加減であった。

道がY字に分かれていたが、パッと見、どちらもすぐ先でいっしょになるように見える。
先頭を歩いていた I さんに、どっち? と聞かれたが、私たちはろくに考えもせずに、
どっちでもいっしょ!なんて、実にいい加減な返答。 I さんがたまたま右を選んだので、
良かったのだが、後で地図を見たら、左に行っていたら全然違う方向へ進むところだった。
( まあちょっと周って戻れはするものの、よく考えたら立派な道迷いの原因ではないか! )

この辺りのルートは地図で見る限りでは、あまりたいした登山道には思えないが、
実際には大き目の石がゴロゴロしていて、ちょっと歩き難い。
残雪期の方が良さそうである。

テント泊の荷物が重く感じていたが、しばらく登ると中小場の展望台に出た。
ここからは快晴の空のもとに、南側の展望が広がっている。
人も少なく静かで宜しい。


  南八ヶ岳、右奥に南アルプス      茶臼山、右奥に縞枯山

進む方向には手前に茶臼山、その奥に縞枯山が並んでいた。
見た感じではすぐのように思えたが、荷物が重いとちょっと時間がかかる。

茶臼山の傍の展望台はとても気持ちの良い、素晴らしい眺めの場所だった。
結構広い場所で、西側半分は全部見渡すことが出来る。
南八ヶ岳から南アルプス、中央アルプス、北アルプスまで、綺麗に見ることができた。

なだらかな北八ヶ岳
左奥に横岳、蓼科山

展望台を後にして先に進むと、そのうち
このエリア特有の縞枯れ現象が現れてきた。
これらの木々も独特の雰囲気を
かもし出しており、青空が更に
白い枯れ木を引き立たせていた。

そのうち傾斜が無くなり、水平に歩いていると、縞枯山山頂の道標が立っているのだが、
ここは展望は無く、ただの登山道の途中である。 ( 何でここが山頂なんだという感じ・・・ )

ここから雨池峠まではちょっと急な降りで、足場も良くないゴロゴロ道が続く。
登山道は樹林帯の中といった感じで、後ろを振り返ると結構急な坂道である。

しかし雨池峠が近くなる辺りでは、樹林も抜けて傾斜も緩いものに変わった。
周囲にはススキの姿もちらほら見える。      雨池峠の十字路では、
RWを使って来たと思われる観光客風の人たちも、たくさん休憩をしていた。

ここは展望もあまり無く少し混んでもいたので、雨池山まで登ってから私たちも昼食とした。
昼食で休んでいる間も、通りかかる人は少ない。
3連休とはいってもあまり人気薄なのだろうか?
まあ私たちにとっては空いている方がいいので、有難いことではあったが・・・

昼食を終えると、三ッ岳へ向かって歩き始めた。
登山地図を見ている限りでは、特にそんなに大変だというふうには思えなかったし、
またそうも書いてもなかったのだが、行ってみて呆れてしまった。
大きな岩がゴロゴロしていて、結構大変なルートじゃないかあああ!!!

ダンディ−さんは楽しそうに、サクサクと軽快に歩いて行くのだが、
山に慣れない I さんは、まったく冗談じゃあない・・・
といった様子で、ちょっとお疲れのようである。

そりゃあそうだろう、ちゃんとした山歩きはまだ数える程しか
していないにもかかわらず、今回は荷物がテント泊装備だし、
また登山道もゴロゴロした岩場や石っころの歩きづらい道が多かったのだから・・・

ゴロゴロの岩場をようやく進んで、やっと三ッ岳の山頂に着いたのだが、結構疲れていた。
西の方を眺めると、横岳はまだかなり先に方に見えるのだが、
本当に今日双子池まで行けるのだろうか・・・

実はスタートした時間もやや遅めだったが、
午前中にちょっと休憩でのんびりし過ぎた感があったのである。

I さんのレベルを考えて、もっと早めに行動しなくてはならなかったのだが、三ッ岳の
岩場ルートが結構大変だったのと、全体的にゴロゴロした道が多くて歩き難かったこと、
そしてテント泊の荷物で疲れ方が早かったこと等が重なってしまっていたようだ。

事実、三ッ岳山頂でとっくに14時をまわっていたのだ。    この付近から、
もしかしたら今日は北横岳ヒュッテに泊まりになるかもしれないという、予感がしていた。

そして山頂を後にして、北横岳ヒュッテの方を目指して進む。
がしかし、岩場鎖場が大の苦手の I さんをすぐに急斜面の鎖場が襲う。
距離にしたら約10mぐらいの岩壁の鎖場・・・

まあ普通の人なら特に問題なく降りれる所ではあるが、
そこは高所恐怖症持ちの I さん、そう簡単に降りれる筈がない。

案の定ちょっと降りた付近で止まってしまい、
最初はあれこれと口でアドバイスしていたが、
やはり駄目のようなので、二人して I さんの所
まで登って行って、手取り足取りの補助作業と
なり、ようやく無事に下に降りることが出来た。

急斜面の鎖場、お疲れ様〜

それからは勾配は少なくなるものの相変わらず、何なんだあ、と言いたくなるような道が続く。
ようやく坪庭からの登山道と合流し、しばらく登ると北横岳ヒュッテに到着した。
とりあえず休憩するが、時間を見るとちょうど15時になろうかという時間だった。

地図の時間でいくと、
予定の大岳ルートではここから2時間10分、亀甲池ルートでも1時間50分である。
今日の歩きの感じからして、地図の時間通りには進まないことは、はっきりしていた。
検討の結果、安全をとって今日はここに泊まろうかということになった。

6月頃のように陽が長ければまだ行けたかもしれないが、
なんせ今は10月であり、17時半頃といったらおそらく暗くなっているだろうし、
ましてや樹林帯の中なら結構危ないだろうと思われた。

しかしここのヒュッテには、宿泊は要予約と書かれていた。
とりあえず聞いてみたらOKだというので、夕食のみ付けて泊まることになり、一安心となった。

部屋で落ち着いてちょっと酒を飲もうかということになったので用意をしていたが、
今日は3連休の土曜日のわりには、混雑はしていない様子だった。
RWに近い為、泊まる人は少ないのだろうか?

適当に酒を飲んでしばらく休んでいると、夕食の時間になったので
食堂へ行くと、な〜んとそこにはすき焼きが並んでいた。
まさか山小屋ですき焼きを食べるとは思っていなかった。
予想外の鍋類は、昨年の丹沢OFF会の時の鍋以来だろうか。

その後、再び酒を飲む予定だったが、たくさん食べて腹が膨れたのと、
今日はあまり歩き易くない道を歩いてちょっと疲れたせいか、
みんなそのまま布団に入ってお休みモードになってしまった。

この夜は一人一枚の布団でゆっくりできたので、快適にリラックスすることが出来たようだった。

10月 13日 (日)     快晴

翌朝、目が覚める頃にはすっかり明るくなっていた。
いつもなら全然暗い時間から目を覚ましていて、夜明け近くになるまで長いのだが・・・

周囲の人たちはみんな外に日の出でも見に行ったらしく、殆ど誰もいない状態だった。
横岳までは、ここから10分程で登れるので、おそらく多くの人たちはそこへ行ったのだろう。

戻って来た人たちも、朝食に呼ばれて下へ行ってしまったので、
私たちが寝ていた2階の部屋は、ずっと静かな状態だった。
おかげで山小屋の朝にしては、随分マッタリとゆっくり寝かせてもらった。

他の二人はまだ布団の中で気持ちが良さそうだったので、
私は一人でカメラと三脚を持って、外に出てみた。

ヒュッテの東側には全面に朝日があたり、煙突からは白い煙が青空の中へ
ゆっくりゆらゆらとなびいていて、何とも和やかな雰囲気が漂っている。

ふと見ると、小屋の玄関のすぐ前に、七ツ池まで2分、と看板があった。
登山靴に履き替えて降りて行くと、すぐに池はあったが、まだ陽が当たらずちょっと寒々しい。
手前の方は氷も張っていて、いかにも寒いという感じもする。

ちょっと奥へ歩いて行くと更に先へ進む道があり、下って行くと今度は大きな池に出た。
こちらは半分程朝日もあたり、凍ってはいなかった。
風も無く水面が揺れてなかったので、周りの樹林の姿が水面に綺麗に映っていた。


     鏡のような水面          冷え込みで氷も張っている

写真を撮って戻ろうかとした時 I さんがやって来たので、もう一度池を見物してから部屋に戻る。
そして、今日どうするかを決め、朝食は横岳へ登ってから食べることになった。

支度をして外に出ると、すぐに下の方からおじさんおばさん集団がガヤガヤとやって来た。
この集団はしばらく小屋で休みそうだったので、私たちはさっさと出発して横岳へ登った。
朝一番でもあるし、傾斜もそこそこあるので、ちょっと息が上がってしまう。
それでも10分弱で横岳の山頂に出た。

ここからの眺めはなかなか良くて、北から北東にかけては樹林で見えないが、
それ以外は全部周囲を見渡すことが出来る。
南アルプスから中央アルプス、北アルプスなどが綺麗に姿を現していた。
中でも南八ヶ岳までの西側の山の裾野が幾重にも折り重なって、とても綺麗だった。

しばらく写真を撮った後、朝食としてカップラーメンをひとつ食べる。
カップラーメン自体は、何となくいまひとつという感じだったが、
正面に南から北まで全てのアルプスを望みながら食べると、確かにちょっとは違う。
他の皆さんは東側の北横岳の方へ行ってしまうので、比較的こちらは静かな感じだ。

しばらくしてから、私たちも北横岳に移動した。
こちらでは東側も見渡せるのかと思っていたが、こちらでも東側は、樹木で見えなかった。

北横岳の山頂

ここから蓼科山がよお〜く見えるのだが、ど−も、
蓼科山の方を北だと思ってしまうので、その後方に
広がっている北アルプスの山々との位置関係が
おかしくなってしまい、あれれ・・・と思ってしまう。
単純に蓼科山が北ではないだけなんだけどね・・・

こちらには大学生らしきグループがいたが、何故かこんな快晴の空模様なのに、
みんなザックカバーをしているのが、ちょっと不思議だった・・・ ( なんで??? )

その後、単独の女性がやってきて、写真を撮ってあげたり、
ちょっとだけしゃべったりしたのだが、私はその場ではあまりよく見ていなかったので
覚えてなかったが、ダンディーさん曰く、寂しそうだったらしい・・・

その後、大岳へ向かって横岳を後にしたのだが、しばらくの間は、女性が一人で
山へ来るというのは果たして寂しいのだろうか・・・     というような話になった。

男が一人で山へ来てもあまり寂しいというイメージは持たないが、女性の場合は
普段他人と群れることの方が多そうな生き物なので、さてその心理はどうなんでしょう?
というような話がしばらく続いていたような気がする。

がしかし、そのことに関連して
本当に盛り上がってしまったネタは、
実は別にあったのだが、それはここでは省略・・・

左後方に蓼科山、 右下に亀甲池

しばらくは穏やかっぽい道だったが、
だんだんいつもの歩き難い岩ゴロゴロの登山道へと変わっていった。

今日も朝からこんな厄介な道を歩かされて、
I さんにとっては冗談じゃない、という感じのようだが仕方がない。
5万図では登山道の詳しい状況までは読み取れんのである。
前に来ていれば分かっていたのだが、あいにくこの道は今回がお初であった。
( 知ってたらたぶん今回は来てなかったと思うよ、I さん・・・ )

勾配は全然たいしたことは無いのだけれど、なんせ岩ゴロゴロで歩き難く、
確かにちょっと疲れるなあという歩きがずっと続く。

そのうち遠くにようやく大岳らしきものが見えて来た。
分岐が手前にあるので、私たちは荷物を置き空身で大岳へ登って行く。

10分弱程進んで行くと山頂へ出たが、
そこは山頂というよりも、岩が積み上がっているだけのような印象を受けた。

大岳の山頂

3連休のなか日の快晴の日だというのに、
相変わらず人はポツンポツンとしかいなくて、
とても静かだ。

ここから先も、藪っぽい感じの所やでかい岩場など、
少しは地図にそれらしいこと書いとけよ、と言いたくなるような道が続く・・・

だいぶ下って来た付近で、少し開けた感じの場所に出た。
ここに4〜5mぐらいではあるが、ちょっとした岩場があったので、少し登って遊んでみた。
岩場鎖場が大の苦手の I さんも、この程度ならあまり怖くないらしく、岩場の練習をしていた。


    ちょっと楽しい岩場        天狗の露地付近、岩がゴロゴロ

ここでは少し長めに休んだ後、双子池目指して最後の山道歩きに出発する。

相変わらずの歩きにくいルートを、ブツブツ言いながら進んでいくと、
そのうち今まで全く見えなかった双子池ヒュッテがちょっとづつ見え隠れするようになってくる。
どうやらようやく近くなってきたらしい・・・

昨日に引き続き、時間がやや押していることもあり、またちょうどお腹も空いてきたので、
自然と足が若干速めに動いていく。

少し先に来てしまったので、 I さんを待っていたが、なかなか来ない・・・・・
あれ−、どうしたんだあ、としばらく不安になってしまったが、
そのうちようやく I さんが現れ、ちと安心。

この辺りから樹林帯に入り、私たちは双子池はもうすぐという所まで来ていた。

少し下って行くと、すぐに懐かしい双子池ヒュッテの正面に出た。
とりあえず日陰の場所に落ち着いて、お湯を沸かす。

ヒュッテに何か食事が出来るような売店でもあるかなと思ったが、
ここではやっていなかったので、しょうがなく朝と同じようにまたカップラーメンになってしまった。

雄池の方へ行ってみると、紅葉してるし水も澄んでいるし、前回来た時より綺麗な感じだ。

ちょうど入り口の付近に雄池の看板があるのだが、
そのすぐ横で三脚立てて撮影している人がいたので、さしあたり雌池の方に移動してみる。

こちらは雄池よりも大きくてテント場もあるのだが、
今日は池の水が岸近くまできていて、砂浜の部分にはテントが張れる状況ではなかった。
( 前回は砂浜部分にテントを張ったんだけどね− )


         雌池                   雄池

雄池の方では、相変わらず看板横の記念写真スポットの一番良い場所に、
ずっと先ほどのカメラマンが三脚と共に居座り続けている。

う〜ん、自分も三脚使って撮影するので、しばらく時間をかけて、
良いショットが撮れるまで待ちたいのはわかるが、他の人たちに迷惑のかかる場所では、
それなりのマナーを心がけるべきだと思う。 ( あれにはちょっと腹が立ってしまった! )

昔、上高地の大正池でも、偉そうにいつまでも三脚で陣取っているオヤジと喧嘩したが、
偉そうな機材を使っているからといって、
そいつが偉い訳ではないということを知るべきではないのだろうか。

君たちが居る場所はあくまでも公共の場所であり、
他の人たちの場所でもあることを弁えるべきだと私は強く思っているのだが、
どけ!どかない!で裁判になったら果たしてどういう判決になるのだろう・・・

もう一度雄池の方へ行くと、その邪魔なカメラマンはまだいたが、
しばらくするとそろそろ片付けて移動しそうな気配・・・
よしよし、と思っていると、ようやく看板から離れてくれた。

池の写真と記念写真を撮ると、出発する準備を始める。

それにしても、ヒュッテの傍には黄色く色づいた唐松林が、
青い空に映えてなかなか秋を感じさせてくれる。

ここから先はずっと林道を歩くのだが、
結構周囲は黄色に色づいていて、
思ったよりは綺麗な風景だった。

唐松林の林道

路面には多少石がゴロゴロしてはいるものの、三ッ岳や大岳のように、
天狗の何とかなどという名前がつく程の大変な道と比べると全然楽である。
四苦八苦していた I さんも、もうそんなに遅れることはなくなっていた。

大岳からの降りで、このままのペースでは今日は夕方遅くなりそうなので、
もし差し支えが無ければ、下山後にどっかに泊まると楽ではないかあ〜、
という話がでていたので、携帯の電波が入るようになったこの辺りで、
観光何とかに問い合わせた結果、今日泊まれる民宿が松原湖の近くで見つかった。

とりあえず今日は東京まで帰る必要が無くなり、
良い食事と温泉の楽しみが出来たおかげで気分が楽になった。

しばらく歩いていると、ピラタスRWとの分岐が現れ、観光客風のおばさんたちの姿も見られた。
もっとかかるかと思っていたが、思ったより早かった。
よしよし、分岐から雨池は近いぞ〜

しかし今度は逆に思ったより雨池は遠かった。   もっと近かったと思ったんだけど・・・

雨池に出ると、
前に来た時よりは綺麗な感じがしたが、
雑誌等で見るような感じとは違っていた。

既に時間が15時を回っていて、池の半分程は
影になっていたから、朝の綺麗な光での
キラキラしたような感じは消えていた。

午後の雨池

しかし水は綺麗だったので、まあ良いか・・・
前回来た時は、前々日に雷だの雹だのといった天気だったので当日は晴天だったが、
池は少し泥水っぽくやや茶色が目立つ色だったからねえ。

今回の雨池は、後で写真を見たら、肉眼よりも綺麗な感じに写っていた。
写真は本来、ありのままを忠実に再現することが、王道だと思うのだが、
実際よりも綺麗に撮れていると、それはそれで悪い気分はしないものである。

しかしだからといって、綺麗にするために加工し過ぎると、
それは写真ではなく絵画になってしまうと思うのだが、いかがだろうか???

   実際よりも綺麗に撮れていると、それはそれで悪い気分はしないものである。
   実際よりも綺麗に見えると、それはそれで悪い気分はしないものである。
   実際よりも綺麗に見えると、それがその人の普通の状態だと感じてしまうのである。
   綺麗に見えると、それがその人の素顔だと思っていたいのである。

がしかし、ここで冷水を浴びて、それは錯覚であり、騙されていることに気づかなくてはならない。
世の姫君の皆様、あまりにも詐欺的な厚化粧はお肌にもよくありませぬ、   控えましょう。

な〜んか、話が妙な方向へいってしまった。

再び林道を進んで行くと、程なく林道と
麦草峠との分岐点に出て、
ここからまた山道となるが、この付近の登山道は、
既に穏やかで歩き難いことはなかった。

北八ヶ岳らしい、苔むした樹林帯

45分程進んだ頃だろうか、車道を走る車の音が聞こえるようになると、
すぐに池を過ぎて国道に出た。

国道299号線を小海線方面へと下って行くと、
途中は黄葉が進んでいて上の方よりも綺麗だった。

民宿の場所は曖昧だったが、特に迷うことも無く、
無事到着できてそのまま温泉、夕食、お酒となった。

しかし山歩きの後の温泉は、毎度のことながら極楽極楽・・・としみじみ感じる。
適度な運動、美味しい食事、とろけるような温泉、だらだらできる飲酒・・・

当分山は止められそうにない。     今日も快適な布団で眠りについたのであった。

10月 14日 (月)     晴れ

目が覚めて外を見ると、今日も絶好の登山日和のような良い天気だった。
しかし3連休の最終日なので、午後になるとおそらく高速道路は大混雑するだろうから、
今日は午前中からとっとと帰途につく。

帰りの車の中では、珍しく後部座席でだら〜っと寝てしまった。
高速道路の途中のバス停で、ダンディーさんと I さんを降ろし、そのまま私は家へ帰った。

今回はテント泊の予定だったが、予想外に時間がかかってしまい、
小屋泊に変更にはなったものの、天気に恵まれ、それなりに充実した山歩きだった。

三ッ岳付近と大岳付近のルートがあんなに、大きな岩だらけの道だったというのが
予想出来なくて、岩場が苦手な I さんにはちょっと大変な思いをさせてしまったようだが、
登山にはそれなりに前向きの気持ちを持って頂けたようである。

次回は是非、もう少し楽な山歩きで、且つテント泊が実現できると良いなぁと感じた。
10月も後半に入り、さてさて高い山にはまだ行くんだろうかって感じの、今日この頃・・・

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