２００１／０５

北八ヶ岳

東天狗岳

久保田先生に誘われて、初の残雪期登山に出かけることになった。

５月とはいっても槍穂高クラスはまだまだ冬山と同レベルな為、
初級者でも行けそうな北八ヶ岳に決まった。

今回は電車で小海線の松原湖駅まで行き、
タクシーで稲子湯の先のゲートまで入って、そこからが山歩きだ。

０５／０３ （木）　　JR 松原湖駅　→　稲子湯　→　しらびそ小屋
０５／０４ （金）　　しらびそ小屋　→夏沢峠　→　東天狗岳　→　黒百合平　→　渋の湯
０５／０５ （土）　　渋の湯　→　JR 茅野駅　→　千葉

０５月 ０３日　（木）　　　　　曇り

タクシーを降りると辺りはすっかり雪景色で、
なんかＳＫＩ場に来ているような気分にもなる。

準備を済ませ、
軽アイゼンを着けて登山道へと入っていく。

雪道歩きは大変だというイメージがあったが、
歩いてみると意外とそうでもない。

今日はしらびそ小屋までなので、雪道分を考慮しても、おそらく２時間半程度で着くだろう。

しばらく歩くと、普通ならだんだん暑くなってくるのだが、
さすがにこれだけ周囲に雪があると、涼しい程度にしか感じない。

思ったよりは快適に歩けるものなんだねえ〜
路面もゴロゴロしたような道なら、
逆に雪でフラットになった方が楽に歩けるというのがよくわかる。

途中たまに急な斜面もあったが、危険な箇所も無く、無事にしらびそ小屋の姿が見えてきた。
本で見ていた光景は、無積雪期の写真だったので、深い緑に囲まれた喉かな
雰囲気という印象だったが、今は周囲を雪に囲まれている為、ちょっとイメージが違う。
しかし煙突からゆっくり煙が昇る光景は、やっぱりどこか喉かな雰囲気を感じさせてくれる。

小屋に入ると人の姿は殆ど見えず、山小屋特有の光景が目に入ってくる。

周囲に畳みのスペースがあり、中ほどには
薪でお湯を沸かせるようなスペースがあった。

見ると、畳みの下の狭いスペースに
潜り込むようにして犬が眠っている。

やはり寒いから暖炉の傍・・・　か。

私たちの部屋は新館の方だった。
最近増築したらしく、確かに本館と比べると明らかに新しい建物がある。

夕食の後、新館の団欒スペースでしばらくお酒を飲んでいたが、
コタツだったせいか早めに眠くなってしまった。

朝起きて窓から外を眺めると、まだ凍っているミドリ池が見える。
といっても薄氷で上は歩けないらしい。

朝食の時間となり食事を待っていると、
窓の外のリス用の施設？では、
たくさんのリスが動き回っていた。

ここはリスがたくさんいることで有名のようだが、
たしかにあっちこっちでリスが走り回っているのだ。

朝食の頃は
まだ外は曇った感じの空だったが、
私たちが小屋を出発する頃には、
青空が広がりつつあった。

しらびそ小屋を出ると、殆ど登り降りの無い登山道を
のんびりと本沢温泉方面へと歩いて行く。

浅めの樹林の中だが、
時折りちょっと開けた場所に出ると、
青空のもと白い雪が眩しい。

本沢温泉に着くと、ガランとしていてとても静かだ。
ちょうど山小屋では一番人が少ない喉かな時間帯だ。

ここから夏沢峠を周るか
白砂新道で近道するかの決断を迫られたが、
白砂新道はやや雪が多くて無理そうだ。

小屋の人の話では、今の時期、白砂新道は雪が深すぎてとても無理だということだった。
実際に久保田先生が白砂新道に足を踏み入れてみたが、やはり無理そうなので、
素直に夏沢峠へと向かう。　　　　相変わらず樹林帯の緩やかな歩きだったが、
夏沢峠の手前の部分の急勾配はちょっと大変だった。

夏沢峠ではすっかり晴れ間も無くなり、寒々しい白い空が広がっている。
小屋の方に目をやっても、営業しているのかしてないのか分からないぐらい、
ひっそりとしている。　　（ な〜んか、かなり寂しいぞ・・・ ）

ここからはすぐ南側に硫黄岳が見えるが、ガスで見えたり見えなかったりしている。
たまに見えると、どう見てもマッターホルンのように見えるが、気のせいなのだろうか。
たしか硫黄岳は平坦な山だって書いてあったと思ったけど・・・・・

夏沢峠から箕冠山付近までは、稜線沿いに樹林の狭い道が続く。
根石山荘付近からはすっかり開けた景観になるが、周囲はまだまだ雪景色だ。

根石岳山頂で休憩を取り、コーヒーを沸かして飲む。

遠くを見ると、下界の方はわりと晴れているようだが、
こちらはしっかり曇っている。

しかし殆ど風が無いので、
ポカポカ陽気とまではいかないが、全然寒くない。

根石岳から少し降りがあった為、ダブルポールを使ってみたが、
雪用のバスケットをつけてなかったので、いまひとつだ。
（ 雪の中に結構のめり込んでしまう ）

稜線沿いに進むと、ほどなく東天狗岳に到着する。

空が青でないのがちょっと残念ではあるが、
一応周囲の山並みは見える。

南八ヶ岳はここよりまだ険しいから、
きっとまだ今頃の時期は
まだ大変なのだろうなあ〜と思う。

東天狗岳からは稜線に沿って降って行く。 途中鎖場もあったが、たいしたことなく通過できた。 私たちは天狗の奥庭経由ではなく、中山峠回りで黒百合平へと向かう。 中山峠から東側を見下ろすと、今朝出発したしらびそ小屋が見える。 グル〜っと周って来たんだねえ・・・

黒百合ヒュッテの前には、
たくさんのカラフルなテントが並んでいた。
学生さんも結構いるようだった。

ここで少し休んだ後、
渋の湯目指して
樹林帯の中の道をどんどん降って行く。

樹林帯を降っているうちに、途中から陽が射すようになってきた。

黒百合平を出る時は一面の雪景色だったが、
渋の湯が近くなる頃にはあまり雪も見られなくなっていた。

この日は渋の湯の宿に泊まったが、お風呂がぬるくてちょっと問題だね〜
私はぬるいのはわりと平気だが、熱いのが好きな久保田先生はかなりご不満の様子だった。

翌日は朝から良い天気だったが、帰りのバスの中から山の方を見ると、ガスがかかっていた。
そういつもいつも稜線上は良いお天気とはいかないみたいだねえ・・・・・