2002/08

北アルプス

白馬岳

7 下旬に梅雨も明け、ここのところ暑い晴天の日が続いていて、
夏山もちょうど最盛期の時期ということで、例年のように高い山へ出かけることに。

最近はずっと車でばかり出かけていたので、たまには以前のように
電車で行ってみようと思い、 2 年ぶりに急行アルプス号に乗ることにして、
まだ行ったことのない白馬岳から唐松岳への縦走コースを目指すことにした。

当初は木曜と金曜を休みにして出かける予定で、週の前半はなるべく早く帰り、
体調を整えたりその他の準備等をするつもりだったが、
月曜日からいきなり成り行きで夜中まで仕事をする羽目になり、ちょっとムッとしてしまい、
翌火曜日に、明日から休みます!  ということにして突然前日から休みにしてしまう。

たまにはゆっくり準備するのも良いだろうと考えていたが、追い込まれないと
行動しない性格が如実に表れて、結局は夜ギリギリの時間に出かけてしまった。

07/31 (水)  千葉 → JR 新宿駅 → JR 信濃大町駅 → JR 白馬駅
08/01 (木)  JR 白馬駅 → 猿倉 → 大雪渓 → 白馬岳 → 白馬山荘
08/02 (金)  白馬山荘 → 大雪渓 → 猿倉 → JR 信濃大町駅 → 千葉

07月 31日 (水)     天気は忘れた

久しぶりの JR 新宿駅の中央本線のホームは、相変わらず登山客でいっぱい。
平日とはいえ夏山最盛期の時期なので当然といえば当然だが、さすがに学生の集団が多くて、
あちらこちらにテント泊用の馬鹿でかいザックが山積みのように置いてある。
なかには敷物広げて大宴会のようになっているチームも・・・・・

運良く空いている列に並ぶことが出来て座席には座れたが、喫煙車両じゃないか〜
( しかし煙害は殆どなかったので良かった。 喜 )

例年のようにウトウトしたり目が覚めたりしながら終点の JR 信濃大町駅に着くと、
他の登山者の流れに飲まれるように快速電車へと乗り換え、
ラッキーなことに座席にも座ることが出来て、 6 時頃に最終目的の JR 白馬駅に到着。

08月 01日 (木)     曇り 後ち 晴れ

駅の正面玄関では予想通りタクシーの相乗りをやっていて、無事便乗して猿倉へ向かう。
この路線はバスよりもタクシーの方が早くて安いのだ。 ( 4 人以上ならの話 )

猿倉で身支度を整え、 6 時 45 分頃に林道を歩き始める。
東の空から少し薄日は射しているものの、山の方にはグレーのガスがしっかりとかかっている。

30 分ぐらい歩くとやがて林道が山道に変わり、
路面は岩などがゴロゴロしていてあまり歩き易い道ではない。

しばらく歩くとようやく先の方に、白馬尻の小屋が見えてくる。
小屋は 2 軒あり、上の小屋の傍に展望台風の休息所があったので、
そこで朝食を摂ることに。   これから向かう大雪渓が少し見えているが、
ガスで隠れている時間の方が長く、この先もあまり天候は良くなさそう・・・
そして 15 分程足場の良くない登山道を進むと、いよいよ大雪渓が目の前に広がってきた〜〜

周りにはこれから登るであろう人たちが、たくさんアイゼンを着けている。
私もアイゼンを着けるのが久しぶりだったので、ちょっと手間取ったが、
無事に準備が整って、いよいよ大雪渓の雪の上に脚を踏み入れる。

アイゼンで歩く雪道は、ザクザクと歩いている感触が足に伝わってきて、
実感がわくが、やはりエネルギーを使ってしまう。

雪渓の最初の方では、
ガスに巻かれたりして
視界が無くなったりもしたけど、
歩いているうちにガスも無くなってきて、
青空も徐々に広がり始め、
前後がはっきり見えるようになった。

しかし残念ながら、稜線の上の方は相変わらずガスに包まれたまま。
歩き難い雪上歩行ということと、しばらくしてから傾斜がきつくなっていたことなどから、
雪渓を 30 分程度しか歩いていないのに、疲れ始めてしまい、
急傾斜が終わった辺りでもう休んでしまう。

しかしここから先の後半は傾斜も緩くなり、さほどの疲れ方はしなかったが、
やはり 30 分程度おきに休みながら進む。
途中何度か左側の山肌から、ガラガラゴロゴロと落石が起きる度に、
みんな止まってそちらに見入っていた。

ようやく雪渓が終わりアイゼンを外すと、
ここからはガラガラした歩き難い道と
木道階段のミックスルートとなり、
傾斜のある、葱平( ねぶかっぴら )となる。

周囲には緑も出てきて、
高山植物もチラチラと顔を出してきた。

ここをちょっと登り詰めた所でしばらく昼寝をしてから非難小屋を過ぎると、
お花畑のエリアに入っていく。    しかし想像していたほどの花の量ではなく、
私には普通の登山道の傍らとあまり変わらないなぁ〜、という印象だった。
( 時期が少し遅かったのかな? )   この付近から高山植物パトロールとか
いう腕章をつけた人たちと、よくすれ違うようになった。

しばらく登ると上の方に、村営頂上宿舎が見えてきて、ちょっと安心〜
この辺りから周りに咲いている花が急に増えてきたような感じがした。
( 本当のお花畑というのは、この辺のことだったのかな・・・・・ )


      クルマユリ           ハクサンフウロ         シロウマタンポポ

この辺からはちょっと疲れた感もあり、また青空も見えなくなっていたので、
たまにはゆっくり花でも眺めるかと思いながら、ゆっくりと写真を撮りながら歩くが、
クルマユリが結構たくさん目立って咲いていた。

お花畑を過ぎてようやく村営頂上宿舎の所まで来ると、
雲が切れ始めて上空には青空が見え始める。

この付近はまだガスに覆われている感じがあるが、白馬山荘の方を眺めると、
山頂の方はかなり青空が広がっていて、晴れているようだ。
ここで少し食べ物を腹に入れて、しばらくしてから白馬山荘の方へ向かった。

白馬山荘に着いたのは 14 時頃だったけど、平日なので結構空いている様子。
部屋の割り当ても、この日はきちんと最初から一人分のスペースを配分していた。

一息ついてから、スカイプラザにビールを飲みに行くと、なんとか窓際に座ることが出来た。

外を眺めると上空の雲はすっかり無くなっていて、
北アルプスの山々のちょっと上の方にだけガスが沸いているような状態になっている。

遠くの山並みは殆ど見えないが、
白馬三山までは綺麗に見ることができた。

遠くの山では、かろうじて剱岳のみが
雲の間から顔を出していた。

それにしても、スカイプラザはとても山小屋の施設とは思えないほどの
豪華な雰囲気で、まるで SKI 場のレストハウスのような感じだ〜  ( ◎o◎ )
( 山小屋の施設にこんな豪華なものが要るのだろうかと、ちと呆れるぐらいだ )

そういえば会社の飲んべたちと先昨年ここに来た時、たくさん酒を飲んで、テーブルの
上が空きジョッキや日本酒の空き瓶だらけになってしまい、横の客から凄いですねえ〜
と言われてしまって、ちょっと恥ずかしかったことを思い出す。
( 雷雨の稜線歩きで疲れていたせいか、居酒屋のノリで飲んでいたような気がする・・ )

その後、カメラと三脚を担いで白馬岳の山頂へ行くと、T シャツだけではちょっと寒かったかなと
感じるぐらい強めの風が吹いていたが、晴れていたこともあってまあまあ大丈夫だった。

西側は雲が多く、清水岳や雪倉岳ぐらいまでしか見えなかったが、
東側は下の白馬村まで綺麗に見えている。

ここから登って来た大雪渓を眺めると、距離はたいしたこと無いように見えるが、
結構斜度のあるコースなんだなぁ、という印象だ。
前回来た時、雷雨の中を歩いた小蓮華岳からの稜線も、今日は綺麗に見ることができた。

山頂でおばさんに写真を撮ってもらった後、山荘に戻ってしばらく横になってゴロゴロ・・・
しかし 17 時頃、夕食の為に外に出ると ( 食堂は別館なので )
先ほどまでの良い天気が嘘のように、周囲がガスに包まれていて視界も無くなっていた。

食事の後は夕陽を眺めることもなく、結局そのままお休みモードになったが、
いつものように寝たり起きたりの繰り返しだった。

08月 02日 (金)     曇り 時々 雨

翌朝外に出ると、すっかりガスの中に包まれていて、
視界は 50 m 程度といった感じか・・・

事前の天気予報で 2 日目は寒冷前線の南下の為に、
天気が良くないことはある程度予測していたものの、
こう何も見えないと結構ガッカリものだねぇ・・・

お天気相談所でも、今日はずっとこんな天気で回復するとしても午後からだというので、
どうしようかなぁと悩む。    翌日は少しは持ち直すような予報だが、基本的に霧らしい。
雨は降らなくても、雲や霧の天気では写真が撮れないしねぇ・・・
前回の涸沢同様、またしても稜線を行くか下山するかで、かなり悩む羽目になってしまう。

結局、視界の利かない状態で不帰ノ嶮を通過するのはちょっと不安があったことと、
翌日確実に晴れる可能性があまり見込めなかったことから下山することにして、
一番近くて安全な大雪渓ルートを戻ることにした。 ( 涙 )

来た道を戻ると、お花畑付近から下はず〜っと視界が開けていて、
なんと白馬尻付近には、陽が射しているじゃないかぁ〜〜 (@_@;)

途中で登って来る学生らしき若者に、下の天気はどうですかと聞くと、
なんと晴れてましたという返事・・・・・・・  ( なんだとォォォ−! )
がしかし、それも束の間で、すぐに上空に雲が広がり、
あっという間に普通の曇り空になってしまった。 ( ^_^; )

降りは来た時のきつさが嘘のように軽い足取りで淡々と降って行き、
あっという間に大雪渓の取り付きの所まで来てしまう。

雪渓の為にアイゼンを着けていると、 2 m ぐらい前で、
登りの登山者の列の中のおばさんが落石を起こしていた。
幸い軽い落石で、続いてすぐ下を歩いていた人も仲間内だった為、なあなあで済んだようだが、
下を歩いていたおじさんには、しっかり岩が2発も脚に当たっていたようでした。

普段あまり身近で起こらないので、気にしないことが多いが、
たいした岩場でなくても起こる時は起こるものなんだねぇ・・・

雪渓ルートも、降りはサクサクと早く降る事が出来た。
降りながら登って来る前方の人たちを見ると、登りの人たちはかなりきつそうだねぇ・・・
確かに前日、自分も登っていてきつかったけど。

上から俯瞰するように眺めると、大雪渓ルートの下側辺りの急傾斜部分はかなりの勾配だ。
これでは登りは疲れるわ〜と思ってしまった。

雪渓の下部でアイゼンを外し、白馬尻の小屋に着く寸前、遂に雨がバッ−と降ってきた。
ちょっと小屋の中でレインウエアを着たり、ザックカバーをかぶせたりして外に出ると、
なんと殆ど雨は止んでしまう。 ( おいおい・・・ )

ここから降り始めると、観光じみた人たちとすれ違うようになった。
大雪渓を眺める為だけに来る人も結構いるみたいだ。
そういえば小屋で雨宿りしていた時、その場でカッパを購入している
おっさんもいたしねえ・・・  ( 勿論登山者じゃないだろうな・・・ )

林道をテクテクと歩いて猿倉まで降りると、次のバスは 1 時間半後。
40 分程して運良く相乗りの人数が揃ったので、タクシーで JR 白馬駅へ向かった。

途中、マイカーの駐車場で降りた人もいたが、私は駅の手前の温泉の傍で降ろしてもらう。
ちょっと歩いて先昨年も立ち寄った温泉で風呂に入って、
狙い通りに午後一番のスーパーあずさに乗ることが出来た。

やれやれと思いながらボッ−と乗っていると、
何故か途中停まる筈のない駅に停車し、それから電車が動かなくなってしまう。
甲信越にも悪天候をもたらしたあの寒冷前線が関東まで南下していて、
大雨の為に中央本線も運転見合わせになったのだった。

脚が伸ばせなくて痛くなるし、クーラーは強くてちょっと寒いし・・・・・
結局、甲斐大和駅に 1 時間半程停滞し、その後も徐行運転などを行いながら、
終点の新宿駅に着いたのは 2 時間 15 分遅れの、 19 時ちょっと前だった。 ( 疲 )

翌日写真が出来てきてびっくり。
あれっ、白馬岳山頂の記念写真がないぞ・・・   やられた〜! あのおばさんめ!!
2 回もシャッター切ったくせに、 1 枚も撮れとらんとはどういうこっちゃ!!
まあ取り返しのつかない写真じゃないから幸いだったけど・・・

< 教訓 >
大事な写真は自分でセルフ撮影するか、又は他人に頼む場合には
素人らしきおばさんは止めて、一眼レフを使ってそうな人に頼んだ方が良い。

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