2004/12

丹沢

青ヶ岳山荘

ヘタレ X’mas 隊、 現実逃避ツアー!!

どうしてメインタイトルが青ヶ岳山荘なのだ?  檜洞丸ではないのか?
サブタイトルが、ヘタレ X’mas 隊、現実逃避ツアーって、なんじゃそりゃ???

標高では確かに檜洞丸が1601mで一番高いのだが、
イベント内容の濃さでいうと青ヶ岳山荘は3779mぐらいあって、
どう考えてもこっちがピークだからだ。 ( 富士山より微妙に高いぞ〜〜 )

また、み〜んな現世で嫌なことをドーンと抱えており、
さっさと逃げたいと思っている軟弱者の集合体ということで、
こんな名前になったと非公式に聞かされたが、結構頷ける・・・・・

12/25 (土)  西丹沢自然教室 → ゴーラ沢出合い → 檜洞丸 → 青ヶ岳山荘
12/26 (日)  青ヶ岳山荘 → 檜洞丸 → 犬越路 → 用木沢 → 西丹沢自然教室

今年は天中殺のような年で、高い山へは2回しか行けなかった。
低山ハイキングを入れても3回だ。 ( 信じられん・・・ )
しかし、秋の涸沢で、素晴らしい雪の穂高を見ることができ、
これで今年の山は終わったなあと思っていた。
( 基本的に、高い山に雪が降り始めると、その年の登山は終わりなのだ )

ところが、暮れも押し迫ってから、低山とはいえ山歩きに行くことになり、
これがまたどうしたことか、とんでもない楽しい山歩きと化してしまうことになる。
しかも、ヘタレ X’mas 隊 という、有難いチーム名がいつの間にか命名されているし・・・

12月05日、私たちは奥多摩の高水三山に、ヘタレ X’mas 隊+1名で
低山ハイキングに行く予定になっていたのだが、天候が良くないということで
都内某所で単なる小宴会を行うことになった。  そしてその小宴会の最中に、
なんちゃってやまちゃんから、今年からクリスマスの週末は
青ヶ岳山荘に行くことにしたんだあ〜、という公式発表がなされたのだ。

その時は財政難でもあり、低山でもあることから、自分が行くなどという考えは
欠片も無く、まさに、ふ〜〜〜ん・・・という他人事でしかなかった。
その後も、青ヶ岳山荘行かない? と呼んではいただくものの、私の頭の中には
銭の要るイベントに誘われると、お金が無い、お金が無い、お金が無い・・・・・ という、
メッセージが無限に表示されるという、性質の悪い金欠ウイルスに感染していた為、
とても行くとは答えられる状況ではなかったのだ。
( ワクチンソフトを頭にインストールしても、なかなか除去されない悪性ウイルスなのだ )

12月23日、この日は日の丸隊長殿 ( 今回から敬称に日の丸が付きそうだねえ〜 ) の
年に一回の如何わしい写真撮影が行われていたのだが、夕方出来た写真を見て
反省会を行っていたところ、なんちゃってやまちゃんから催促の電話が入った。

『 隊長は行くそうだよ。 』
『 目の前に、隊長がいるよ。』
『 なら新松田に9:30って言っといて。 』
『 わかりました。 』
『 さんぼーも行こうよ。 』
『 う〜んんん・・・・・ ( 瞬時にウイルスが起動 ) 』
『 とりあえず明日、予約入れるから午前中までに連絡ちょーだい。 』
『 わかりました・・・ 』

結局、この2日前に何とか予算を捻出できそうな気配があったことから、
参加することを決め、翌日、なんちゃってやまちゃんに電話をかける。
がしか〜し、何度かけても繋がらん!  あれだけ来いと言っておきながら、
電話が繋がらんとは何事じゃあああ〜〜、と思っていると、
4回目ぐらいでようやく繋がり、ようやく公式に参加表明ということに・・・

帰りにヨドバシカメラでフィルムを買い、夜いそいそと山の準備を行う。
ついでに、Webページファイルの準備もいっしょにやってしまう。
テントの時と違って小屋泊まりの荷物はやっぱり楽チンだねえ〜〜〜

最近は6時などという、朝早い時間に起きたことがなかったので、翌朝起きられるか
結構心配で、寝坊したらキャンセルだという電話でも入れておこうかなと思うぐらいだ。
しかし翌朝は、難無く実にすんなりと起きられたのだった。 ( とりあえず良かった )

12月 25日 (土)     晴れ

朝、目覚ましを止めると、まだ真っ暗だ。
暗いうちに自宅で起きたという記憶は、今年は無いような気がする。
例年なら寒くてなかなか布団から出られないのだが、今年は暖かいので全然問題無い。
支度をして予定通りの時刻に出発する。

駅に着くと、JRのSuikaの中にチャージ料金があまり残ってなかったことを思い出し、
入札前にチャージしたかったが、あまり時間が無かったのでそのままホームへ向かう。
土曜日でしかもまだ6時台なので、電車は空いていて座席に座ることができた。
いつもと同じ御茶ノ水まで約50分ほどだ。

千葉県内を走っている間はわりと空いていたが、都内に入ってからは混みだし、
秋葉原の手前付近では、通勤並みの混雑と化していた。
こういう時って、大きい登山ザックはとっても迷惑だよねえ・・・・・

御茶ノ水駅で中央線快速電車に乗り換える為、向かい側に並んで電車を待つ。
電光掲示板を見ると、次は普通快速電車、その次が中央特快青梅行きと表示されている。
次の次かあ・・・・・ などとしばらく考えていたが、ふと気付く。
今日は小田急線なんだから新宿で降りるんだし、次の普通快速でいいじゃん。
青梅に行ってど−する、奥多摩ハイキングとちゃうやんか−
まだ頭がよくまわってないらしい。

中央線もかなり空いており、ゆったり座って走ること約8分、新宿駅に到着する。
さすがに新宿駅はちょっと人が多い。  地下コンコースを歩いていると、
やはりザックを担いでいるのがちょっと違和感有りに感じてしまう。
西口を出て地上1階の小田急線改札へ行くと、JRの方とは打って変わって殆ど人が疎らだ。
あれだけの券売機が並んでいるのに、買っている人は一人しかいない。

改札を入ってホームへ行くと、電光掲示板が見えてくる。
小田急線は車両によって行き先が違うので、乗る車両を確認する必要があるのだが、
乗る予定の 8:01発 のところを見ると、
前6両が箱根湯本行き、後ろ4両が新松田止まりとなっている。
ん、新松田?  な〜んだ、今日降りる駅じゃないか〜、ラッキー!
寝過ごして先へ行ってしまうことはないね〜   けど、新松田止まりって初めてだ。
だいたい相模大野とかで違う方へ行くのが多いのにね。

とりあえずホームを歩いて行き、一番中央に近い車両に乗り込み、座席に座る。
他の二人はどうやって来るのだろう?
隊長はおそらく新宿経由だと思うけど、やまちゃんは違うかもね〜

そういうことを考えながらたまに外を眺めたりしていると、
ホームの階段傍の方に見覚えのある白地に赤の模様が・・・ あれは日の丸じゃないか〜
それに上着の色といい、ズボンの色といい、どうみても特色があり過ぎる。

姿が車両の死角に消えたので、しばらくしてこちらに来るのかなと思い、ちょっと待ってみる。
しかし姿が見えないので、隣の車両に乗ったのかなと思い、車両の通路から
隣の車両の方を見ると、しっかり隊長が吊り革につかまっているのが見えた。
自分の横の席は空いていたので、一度は買い物の荷物を置いて席を確保したが、
ちょっと人が増えてきていたので下げてしまい、その後すぐに婆ちゃんが座ってしまった。

新宿を出ると最初に停まる駅は代々木上原だが、
ここを通過する度に、社会人に成り立ての頃を思い出す。

最初の4月の研修が成城で行われていた為、ここで千代田線から乗り換えていたからだ。
ちょっと懐かしい。  次は成城かなと思っていたら、下北沢だった。
そんなのあったねえ〜  ( 下北沢の人には申し訳ない )

そのうち、新宿で買ったおにぎりをいつ食べようかと考え出した。
それなりに人の多い電車の中で食べるのも品格に欠けるような気もするが、
腹も減っていたし、大人しく静かに食べることにした。

出かけて来た頃は結構青空が広がっていたのに、
外を見るといつの間にか曇り空に変わっている。
今日は晴れで明日の方が曇りだって、天気予報では言っていたけどねえ〜

わりと人の多かった電車も、伊勢原付近まで来るとずっと乗客が少なくなってくる。
神奈川の人に言うと、違う! と言われるが、千葉民族からすると、
伊勢原も丹沢も同じに思えてしまう。  ( どちらも遠くて大差無いって感じなのだ )
秦野辺りになると、車両の中には数える程度の人しかいなくなっていた。

新松田の駅で改札を出ると、バス停の所で既になんちゃってやまちゃんが待っていた。
山の恰好で会うのは、谷川岳西黒尾根事件以来だから、約3年半振りか。
その後隊長も現れ、無事三人揃った。

窓口でバスの切符を買おうとすると、片道か往復かを聞かれる。
帰りはおそらく中川で温泉に寄るだろうから、途中下車出来ない往復切符では駄目だと思い、
片道切符を買ったところに、なんちゃってやまちゃんが確認しに来た。
片道切符を買ったと言ったら安心していたが、それは温泉に寄るからという理由ではなく、
とんでもない別の理由があったことを悟ったのは、ずっと後になってからである。

バスに乗ると乗客は6人程しかいない。   さすがにあと一週間もすると
年が明けるという時期だから、皆さん一般の生活の方で忙しいのだろう。
( ではここにいる我々は一体何なのだ? )
きっと春や秋なら満員で、立っている乗客もたくさんいるんだろうけどねえ。

普段山へ出かける時、必ずヘルメットをかぶっている隊長だが、
今日はなぜかベレー帽だった。   ヘルメットはあご紐が切れたので
仕方なくという弁明だったが、このベレー帽がかなりよく似合う。
今回は黒のベレー帽だが、そのうちいろいろとバリエーションが増えるかもしれない。

喉かな山北の町を進んでいたが、そのうちバスが停まったまま動かなくなっていた。
終点の中川だったのだ。
切符売り場で西丹沢までと言ってあったのだが、それが運転手に伝わってなかったらしい。
その後バスは西丹沢へと向かい、乗客は私たち三人だけの貸切状態だ。

終点の西丹沢自然教室でバスを降りると、周囲に人の姿は見えなかった。
たま〜にマイカーが通り過ぎる程度で、実に静かだ。  二人のトイレ待ちをしていると、
なんちゃってやまちゃんが来て、隊長が面白い登山届けを書いていると言うので
行ってみると、団体名が、ヘタレ X’mas 隊 と命名されていた。
隊長に登山届けを書かせると、だいたいいつもこの種の組織名になってしまう。( 笑 )

準備が整い、11時ちょっと前に出発する。
しかし出発して100mほど行くと、もう寄り道が始まった。

出発記念式典

左側の沢沿いの広場で、隊長のブロマイド
写真記念撮影会だ。 ( 見合い写真か? )
のっけからこういう撮影なのだから、きっと今回は
綺麗な風景写真より、お笑い系に近い記念写真の方が
多くなるのではという予感が、既に頭を過ぎる・・・・・

アスファルト道路をしばらく歩くと、
見覚えのある登山道入り口だ。
静かに一人で煙草を噴かしている登山者の姿を
見て隊長が、本来の登山者の休憩というのは、
ああいう風に静かで落ち着いたものだろうな〜というので、
自分たちはどうなのかと考えると、
確かに今回はおしゃべりが多くてちょっとうるさい。
いや楽しくてとっても結構なことだってば〜 ( 笑 )

登山道に入ると、しばらくはちょっと勾配のある歩きにくいガラガラ道だが、
すぐに普通の道になる。  しかし頭の上辺りには木の枝が出ていることが
意外に多く、下ばかり見て歩いていると頭をぶつけることが多いから要注意だ。

しばらく歩くと、やや穏やかな道に変わり、周囲の見通しもわりと良くなってきた。
5月頃と違い、木の葉が枯れ落ちてしまっているので、遠くまで見えてちょっと良い感じにも
見える。   下の谷間の方からは、ウィ〜〜〜ンという機械音が聞こえてきて、
隊長が、チェーンソー持っている人がアイスホッケーのマスク被った奴だったらどうする〜〜
などと、相変わらず顎の筋肉を鍛えるトレーニングに勤しんでいる。
( それはチェーンソーじゃなくてジェイソンです、っていう突っ込みはなかったと思う・・・ )

見通しが良い

見通しの良い斜面を歩きながら
ふと空を見上げると、いつの間にか
青空の広がる良い天気になっていた。
電車に乗っていた時には上空には
雲が広がっていて、どう見ても今日は
曇りって感じだったのだが、良かった〜

ゴーラ沢は結構近いと思っていたが、
腹が減っていたせいか、
思ったよりはちょっと長く感じてしまう。

新しい丸太橋

ゴーラ沢に到着すると、
新しい木の橋が掛かっている。

3年前に来た時は確か橋が無くて、
石の上をジャンプしながら
沢を渡渉した記憶がある。

腹も減っていたし休憩ポイントにも
なっている為、ここで昼食を摂ることとする。

少し寒いし、ちょっと食べてわりと早めに出発するのかなと思っていたら、
しっかり湯沸し道具が活動を始めた。

ゴーラ沢にて昼食

それなりに休むなら休むで構わないし、
じゃあ自分もお湯を沸かそうかと思ったら、
あまりガスが入ってないようだったので、
隊長のガスにお世話になることにした。

当然、昼食風景も記念写真の対象だ。
今回は既に記念写真係が確定してしまった。 ( といっても好きだから良いのだけど )

隊長はお湯で戻る御飯、なんちゃってやまちゃんはカップラーメン、私は再びおにぎり。
朝からおにぎりばっかで、これで今日5個目じゃないか・・・
いい加減飽きるが、面倒くさいのが嫌いなので作ることはしないのだ。
1時間ほど休んで、私たちはゴーラ沢を後にする。

展望園地までの登り

ここからはちょっと急勾配も出てくる
道となり、狭くて笹に覆われた感じだ。
正面に少し見える空がとても青い。

時折り後ろを振り返り、木々の間から
遠景を眺めると、霞んだように白く
なっていて、あまりはっきりは見えない。

途中で適当に休みはするが、さすがに夏と比べると格段に水分の補給が皆少ない。
でも本来は飲みたくなくても必要分だけは飲まなくてはいけないのだけどねえ〜

ゆっくり歩いているので、少しタイムよりはオーバー気味だが、展望園地に到着する。
テーブルがあるので、荷物を降ろしてまともな休憩となった。

隊長が地図を開いて眺め始める。   明日の行程をどうするかという話題になった時、
青ヶ岳山荘から蛭ヶ岳、搭ノ岳を通過して大倉へ降りるなどという超ハードな、
我ら ヘタレ X’mas 隊 にはあるまじき爆弾発言が、なんちゃってやまちゃんから飛び出した。

青ヶ岳山荘にはマッタリ目的で行くと思っていた自分にはまさに寝耳に水の奇襲攻撃である。
心の準備が無く、吉良邸討ち入りと同じではないか。
思わず、今日来た道の往復じゃないのおおお〜〜! と非公式に発言してしまった。
朝買ったバスの切符が片道切符で良かったというのは、こういう画策があったからか・・・・・

結局3カ国会議はまとまらず、夜決めようということになり、
その場は玉虫色の決着となった。  ( ま、日本人は先送りが得意だからねえ〜 笑 )
後から来たカップルは、私たちより全然先に出発してしまった。
ちょっとゆっくりし過ぎていたかもしれん。

展望園地を出ると、再び同じような登山道を登って行く。
北側の空は青くすっきりとしているが、南西側は午後の時間ということもあって、
更に白く霞みがかかり、景色らしい景色はあまり見えなくなってしまっていた。

歩きながら右手の方を見ると、石棚山からの稜線が見えているが、
もう少し標高を上げないと、合流地点ではなさそうだ。
合流地点までは、まだちょっと距離がありそうだねえ〜

ここからは木の階段

結構登ってきたかなという頃、左手が
急に開けて展望の良い場所が見えてくる。
そこにはテーブルがあって、
先ほどのカップルが休んでいた。
私たちも少しだけ休んで、
今度は私たちの方が先に出発する。

上の方を見上げると、ここからは綺麗な
木の階段が続いているのが見える。
確か記憶では木の階段の先に合流地点が
あったと思ったが、するともうすぐ合流か?

ちょっと元気が出てきたが、どういうわけか登っても登ってもなかなか合流しない。
結構遠いのかな〜と思いながら登っていると、ようやく合流の道標が見えてきて到着した。
休憩も兼ねて三脚を立てていると、後から来たなんちゃってやまちゃんに、
記念撮影のスタンバイは万全だねえ〜と言われてしまう。   当然じゃあああ〜〜

石棚コースと合流

少し休憩してから最後の区間へと進む。
ここからは木道がずっと続き、勾配も殆ど
無くなるので、かなり楽になるのだ。

木道は綺麗なものに換わっている。
冬なのでずっと先まで見えるし、
木道の下の地面も綺麗に見える。

初夏の頃に来た時は、一面が緑に覆われていて、地面は全然見えなかった。
やはり同じ山でも、季節が変わると風景は全然変わるもんだねえ〜

ここを登ればすぐ山頂

平坦な木道の先には、山頂直下の
最後の登りが待っていた。

この最後の登りの途中ぐらいから、
高い木の上部に霧氷が
着いているのが見えるようになる。

青い空を背景にすると、白い霧氷は
綺麗ではあるが、ちょっとまだ量が足りない。

木の上部には霧氷が・・・

もっと白さが増えた頃に来ると
綺麗だろうと思う。

すぐ目の前はもう山頂だ。

ちょっとゆっくりだったので、
時間はかかったが15時40分、山頂到着だ。

前回と違って、今回は何事も無く
無事に登頂できて良かったねえ〜

山頂まで来ると、今日の目的地である青ヶ岳山荘はすぐ下だ。

山頂で記念写真を撮ると、すぐに山荘へと降った。  途中で写真家のま−さんとすれ違う。
すぐ下に小屋が見えるが、煙突からユラユラと立ち昇る白い煙はやはり喉かなものがある。

私は2回しか泊まったことはないが、
小屋に入るとあの特有のマッタリした雰囲気がやっぱりあった。
( マッタリというかアットホームというか・・・ )
しかしこの何とも言えない喉かな空気がこの小屋の特徴であり、
皆さんが守っている大事な空気なのだから、絶対に壊してはいけないものだと思う。

蛭ヶ岳

荷物を奥に置き、受け付けの後は、
ちょっと外に写真を撮りに出てみる。

玄関の前は東側に木があるので、
裏手の方へ行くと、少し開けている
ところがある。

富士山の方は雲がかかっていたが、
蛭ヶ岳の方は雲はかかっていない。

青ヶ岳山荘前

しばらく外でウロウロしていると、
他の常連さんも出てきて、
井戸端会議が始まった。
( 軍事作戦会議ではない )

気温は結構下がっているようだが、
風が無ければ、体感的には
そんなに寒さは感じない。

少し話した後、小屋へ入って
落ち着かせてもらうことにする。

コタツで落ち着こうとしていると、なんと駆け付けビールを頂いてしまった。
良いのだろうか。  しまった、何か持ってくればよかった・・・ と言っても後の祭りである。
しょうがない、次回来る時に酒を持ってくることにしよう。

席に着いてコタツに足を入れようとすると、なんと掘りゴタツだ。
そういえば前回泊まった時、中に火があったのを思い出した。
そして有難くビールを頂くことにしたが、佐川さんにセロリのおつまみまでもらってしまった。
小屋の方も常連の方も、皆さん良い方たちばっかりのようで、温かさが感じられるね〜

窓側のテーブルではお姉さんたちが、何やら飾り付けの準備中のようだ。
今日は泊まりのお客さんはどれくらいいるのだろう?
何となく雰囲気的にはそんなに混雑でもなさそうで、ちょうど良いぐらいに思えるが・・・

予約の時になんちゃってやまちゃんが、あと二人増えますということを
小屋番さんに伝えたらしいのだが、小屋番さんは女性が増えると思っていたらしい。
( その節は大変申し訳なく思います )

ちなみにそれを聞いた隊長は、「 バストは104cmであります!」 と答えていた。
おまけに自分で胸を動かすことができるらしい。

ってことは、寄せて上げてブラを着けなくても胸を上に向けることが出来るってことか?
キャアアア〜、日の丸隊長ったら素敵〜〜〜!! いや〜〜ん、うっとり〜〜〜!!!
( ・・・日の丸隊長殿、ここはひとつ世論を味方にする為、写真集でもお出しになりますか? )

開栓記念式典

しばらくすると、皆でクラッカーを発砲し、
ワイン( シャンパンか )の栓を抜くことに
なったが、この光栄な役どころは
我がヘタレ隊の隊長が行うことになった。

開栓式典は無事成功したが、隊長殿、
栓を私の方に向けるのは止めなさい、
当たるところだった。
( 狙われたのかしらね〜 笑 )

酒は豊富にある

その後、みるみるテーブルの上には
お酒が出現し、あっという間に
酒だらけとなってしまった。
ビールに日本酒、ワインに泡盛・・・
すっかり居酒屋状態だ〜 ( 笑 )

極美味チキン!

今宵はXmasということで、夕食も豪華だ。

チキンにハム、パンにシチュー、はたまた
ケーキにアイス、それに大量のお酒と、とても
通常の宿泊料金では考えられない内容だ。

ハム、パン、シチュー

嬉し過ぎるううう〜!!
チキンなんて抜群の美味過ぎる味だった〜!

次回来る時は、絶対何か差し入れを持って来なくてはならん。

ドライアイスが・・・・・

そのうちテーブルには、
ドライアイスが出現。

写真はフラッシュをたいてしまった為、
味気無い感じになった感もあるが、
ノーストロボで撮れば、アンバー系の
暖かい雰囲気で良かったかもしれない。
でもノーストロボだと、雰囲気は良いけど
シャッター速度が極端に遅くなるから
三脚無しでは写真がブレるんだよねえ・・・

それにしてもランプの明かりというのは、実に良い雰囲気を醸し出している。
ランプの温か味あるアンバー系の光が、実に和やかな空間を演出し、
心にも明かりを灯すようだ。

まあクリスマスだから若干普段より派手な部分もあるかもしれないが、
基本的にここには温か味が根付いており、馴染みになってくると、
それがよくわかるようになってくるようだ。 ( それにしても料理は美味かった〜 )

そのうち隣のテーブルのクリスマスケーキがまわってきた。
ほんとにクリスマスって感じだ〜 ( 本当にここは山小屋なのだろうか・・・ )

ちょっと不気味〜

隊長は喉が渇くと言っては、
しきりにジュースを買い、
結局3本も飲んでいたらしいが、
それ以外にも実は人の分のアイスまで食べ、
同じくケーキも食べていた。
アイスもケーキも3人分食べていたらしい。
キャンドルライト〜〜

見た目のゴッツさからは想像し難いが、
日の丸隊長の飲食については、
結構ウラ若き乙女のような部分があるのだ。
ファミレスでもパフェ系をよく注文するらしい。
クリスマスケーキ〜〜!!

聞くところによると、ここの正式なスタッフは
トンボさんと心さんの二人だけで、
あとの人は単に常連客にも拘らず、
お手伝いをされているそうだ。
なんかのミサか?

またよくやって来る常連さんも、食べ物や
飲み物を担ぎ上げたりと、いろいろ皆さんの
協力で成り立っている感じで、
そういう人たちに愛されている
良い小屋なんだなあ〜と実感させられる。

お酒も進み、楽しい時間が流れていく。
時たま時計を見るが、普段の街中での宴会とは違い、まだまだ早い時刻だ。
それなりに食べて、それなりに飲んで、ややまったりした空気が漂う時間帯というと、
普段の街中の居酒屋では、だいたい22時頃になっていることが多いが、
今日はそういう感じで時計を見ても、18時とか19時半とか、そんな時間なのだ。
( 単に飲みだしの時刻が早いという話もないではないが・・・ )

おまけに終電も気にしなくて良いし、やっぱり帰りの時間を気にしなくて良いということは
酒好きには大きなポイントであることは間違いない! ( 私だけではないと思うけど・・・ )

柔らかいランプの光

途中、写真もそれなりに撮っていたが、一眼レフの電源が入らなくなってしまう。
全く動かなくなってしまうことが、極まれにあるので、ちょっとギョッとしたが、
何度か電源をONOFFしていたら、液晶に表示が現れた。
がしかし、電池マークが半減した状態で点滅しているではないか。

どうやらリチウム電池が切れたようだ。
しまったなあ〜、昨日ヨドバシカメラに寄ったのだけど、電池は買わなかったんだよねえ・・・
もしかして明日の写真は撮れないの・・・ と、一瞬頭を過ぎったが、
単3電池4本でも代用できるんだけど〜と言ったら、横から隊長が、あるよ、の一言。
とりあえずは助かった。

しかししばらくして、予備電池を入れてなかったかなと思い、ザックの中を見てみると、
新品の単3が4本ちゃんと出てきたので無事交換終了。   パワー満タンでOKとなった。
昔は大きなヘッドランプを使っていて、その電源が単3電池4本だった為、
カメラのリチウム電池が無くなっても、ヘッドランプの電池を代用することが出来たのだけど、
今は軽いヘッドランプに換えた為、電池も種類が換わり、代用は出来なくなってしまった。
山では何でも共用できる方が、荷物が少なく済んで良いんだけどねえ。

テーブルの上はまさに宴会そのもの

時刻はよく分からないが、
そろそろお休みの時間が
近づいてきた。

西さんには、飲むなら朝まででも
OKですよ、と言われたが、最近は
若くなくなってきたので、オールナイトは
なかなかできなくなってしまった。
( 周りにもいないって )

テーブルの上がかなり散らかった状態なのだが、そのままで良いそうだ。
全く後片付けをしないのは、ちょっと申し訳ないような気もするのだが・・・

お言葉に甘えて、そのままお休みさせてもらうということで、2階へと上がる。
どうやら私は最後から二人目だったようで、殆どの場所はもう埋まっていた。
布団に潜ると、どうもポケット付近が邪魔で落ち着かない。
やはりいつもの山中の夜と違い、酔いがまわっているようだ。

いつもならポケットなどに入れている物は、布団に入る前にきちんと取り出して
別にするのだが、今日はそんなことなど頭から消えてしまっていた。
おまけに、胸の付近に少しだが、気持ち悪さが漂っている。
やはりビール、ワイン、日本酒、泡盛と4種類も混ぜたのは良くなかったのか・・・
( 確かに、そんなに混ぜた記憶はここ数年、無いような気がする )

そのうちふと、隣から大きなイビキが聞こえることに、脳神経が気付いてしまった。
あちゃあ〜〜〜、もしかして眠れなくなるのだろうか・・・・・
( 私は音があると基本的に眠り難い )    しかしここは先ほどの酔いが功を奏して、
知らない間に無事、睡眠の世界へと移動していたようだった。

12月 26日 (日)     晴れ

ふと目が覚め、時計を見るとまだ3時台だ。
そう長い時間ではないが、まともに寝たらしい。
それからは結構、ゴソゴソしながらあまり深く眠れなかったような気がする。

どれくらい時間が経ったのかはよくわからないが、下の方で少しづつ音がするようになった。
きっと小屋番さんたちの活動が始まりつつあるのだろう。
なんちゃってやまちゃんが、日の出を拝みに行こうと言っていたのに対し、
隊長が行くと答えていたのは覚えているが、
私は言ってないので、当然ゆっくり布団にもぐったままいるつもりだ。
なんちゃってやまちゃんの記録公開日の暫定版記録を見ると、
私も緩くではあるが、日の出を拝む約束をしたことになっているではないか。
いや〜、私にはそのような記憶はないのだが・・・

どうやら外は徐々に薄ら明るくなり始めているようだ。
部屋の中もだんだん真っ暗ではなくなってきている。
しばらくすると、なんちゃってやまちゃんが何やら隊長を呼んでいるのが聞こえてきた。
がしかし、たぶんその声では隊長の耳には聞こえないだろうというぐらいの小さい声だ。
日の丸隊長なのだから起きるのかなと思っていたが、起きる気配は無かった。
どうやら爆睡しているらしい。  起きていれば聞こえただろうから。
ヘタレ新聞の一面トップになりそうだ。

  ヘタレ X’mas 隊、隊長!   日の出参拝の公式発表を反故に!!

3時台に目が覚めてからあまり眠れてなく、殆ど起きていたような感じだったので、
これ以上布団でウダウダしていてもしょうがなく、起きることにして下に降りていくと、
なんちゃってやまちゃんが外に出る準備をしているところだった。
横のテーブルを見ると、すっかり昨日の宴会後の散らかし振りは
跡形もなくもみ消されて・・・・・  じゃなくて、綺麗に片付けられていた。
少しも片付けなくて申し訳ないなあと、再び思ってしまった。

外に出る準備をして、カメラを抱えて外に出てみると、
上空はとても綺麗な空をしているじゃないか〜
確か天気予報では今日は曇りって言ってたけどねえ・・・
まあいいさ、晴れなら晴れでそれは結構なことだ。

おそらく未明頃は、結構冷え込んだのだろう。
テーブルに上はびっしりと霜で覆われている。
南東の空は綺麗なグラデーションになっていて、まだ陽は登っていないが、
そろそろ顔を出す頃だ。   小屋の少し上の斜面付近に三脚を立てて、
太陽が顔を出すのを待っていると、小屋から隊長が出て来た。
寝坊したので、御来光はあきらめたらしい。
うちの隊長殿は、どうも昔から日の出や日の入りの撮影には運が無いようで、
撮影しようとする度に何故かアタフタしてしまい、上手くいかないことが多いらしいのだ。

日の丸放送協会(HHK) ヘタレ予算委員会 党首討論 答弁

野党 『 隊長、昨日の御発言では今朝は日の出を参拝されるという内容でしたが? 』
隊長 『 状況が変わったんです、物事は状況をよく見極めねばなりません。( 小泉節? ) 』
野党 『 公式発表したものを翌日覆すのでは、隊員世論の理解は得られませんよ!
      きちんと説明してください! 』
隊長 『 朝日も色々、起床の仕方も色々、起きる時間も色々です。 』
野党 『 ・・・・・・・・・・ 』

野党 『 話になりませんねえ〜  では時間が無いので質問を変えます。
     最近あなたは親族女性党からも、疑惑を追及されていますね。
     山に出かけると言いながら、武装しているではありませんか!
     親族女性党からどういう質問をされたか、よく思い出してください。 』
隊長 『 お前は戦争にでも行くのか? という質問だったと思います。 』

       ( 注. 母親に言われるそうだ )

野党 『 登山に行くのに武装品は不要でしょう、 いかがですか? 』
隊長 『 私は戦争する為に武装しているのではありません。
     人道支援の観点から山で遭難した人を助ける為に、
     救助活動を兼ねているんです。 戦争の為ではありませんよ。 』
野党 『 山は危険な場所だから、武装しているのではないのですか?
     はっきりしてください!! 』
隊長 『 私が行く山が危険か危険じゃないかなんて、
     そんなの私に聞かれても、わかるわけないじゃないですか〜
     それに、私が行く山なんだから非戦闘地域なんです。
     再三申し上げますように、人道支援の為であって戦争の為ではありません。 』
野党 『 ・・・・・・・・・・ 』

こうして、今日もヘタレ討論会は続くのだった。

混迷する、ヘタレ X’mas 隊!
日の丸隊長の支持率は果たしてこの先、ど−なるのかあああ!!
( ナレーションは、サンデープロジェクト風でどうだろう? )

間もなく水平線が白く輝きだし、太陽が姿を見せ始めた。
ちょうど太陽のすぐ左下に搭ノ岳があり、山頂の左側に尊仏山荘が小さく見える。
普段は太陽の動きなどあまり体感しないが、
日の出と日の入りの時は、その速さを実感させられる。

日の出を撮った後は、しばらく小屋の下の方の霧氷を眺めてみる。

朝日を浴びる霧氷

今年は暖冬でちょっと少ないのだろうけど、
本来の冬の寒さなら、今頃はもっとたくさんの
霧氷を見ることが出来ただろう。

朝日の影響でちょっと赤みがかっているが、
白い霧氷なら青い空を背景にすると
きっと綺麗だろうなあと思い、撮るのはもう少し
後の時間にしようと思ってあまり撮らなかった。
青ヶ岳山荘前からの日の出

その後、富士山を撮る為に三人で、
檜洞丸の西側斜面へと移動する。
降りの途中でま−さんとすれ違う。
やはり山の写真家は早くないと駄目だねえ。

少し降ると開けた箇所があり、富士山はよく
見えるのだが、今日は頭に雲がかかっている。
な〜んかあんまり取れないような気がする
雲だが、出発する頃にはどうなっているだろう。

しかしこちらの斜面は、風が強くて結構寒い。
そう長くも居ないうちに、我らヘタレ隊は小屋に戻り始める。
( 弱虫は寒い所より、暖かいコタツの方に目がくらむのだ )

檜洞丸、山頂記念写真 檜洞丸西側斜面より、富士山

小屋に戻る途中で山頂記念撮影だ。  朝日が結構眩しいねえ〜
小屋への斜面を降っていると、途中の木が上部にたくさん霧氷を付着させており、
上空の空が青くて綺麗だったので、カメラを向けてみる。

小屋のすぐ上部の霧氷 豪華な朝食

小屋に戻るとそろそろ朝御飯という頃だった。
コタツで待っていると、何やらまたしても出てくる料理が豪華だ。
折角なので、やっぱり記念写真を撮る。
納豆を食べると、いつも食べているのとちょっと味が違うように感じる。
はて何が違うのかなと考えたら、おそらく辛子のようだ。
私はいつも辛子を混ぜてないからか・・・
御飯と味噌汁をおかわりする時、少しだけと言ったのだけど、たっぷり入ってきてしまい、
全部食べるとまたお腹を痛くしそうで不安があった為、残ったら隊長食べておくれ、と
言ったわりに全部食べてしまった。   が、結構お腹が重たくなってしまう。

味噌汁の湯気が喉かだ〜

食後にゆっくりとお茶を頂いていると、
とてもマッタリしていて何とも言えない心地良さだ。
味噌汁の鍋から立ち上る湯気が、何とも喉かで良いねえ。

既に8時を過ぎていたが、出かけようという意欲が
あまり沸いてこないのだ。 普通の宿泊登山の朝なら、
とっくに歩き始めている時間帯なのだがねえ・・・・( 笑 )
日の丸隊長も、まったりウイルスに感染したらしく、
準備だけしたらまたコタツでコーヒーでも飲もうかな・・・
などと、ヘタレ振りを発病しかけているし。
まあここに来るのは、それが目標のような
ところがあるから、全然OKなのだけどね〜

しばらくゆっくりした後、いつまでも居るわけにも
行かないので、そろそろ出発の準備をして外に出る。

挨拶をした後、山頂へと登り始めるが、
トンボさんとさがわさんにお見送りをしていただいた。
普通の小屋ではあまりこういう光景に当たることはないから、結構嬉しいものだ。

しばらく登ってたまに後ろを振り返ると、もう小さくなっているのに、
なんとまだ表で、手を振ってくれている。
やっぱり暖かい小屋だよねえ〜〜という世論が、あちらこちらから沸き起こる。
( 世論って、3人しかいないじゃないか )

山頂を越えて西側の斜面を降り始める。   今朝の作戦会議では、
昨日の蛭ヶ岳・搭ノ岳縦走無謀案( 我らヘタレ隊にとっては ) の代替案として、
犬越路から大室山を経由して加入道山、そして用木沢へと戻る案が提言されていた。

しかし私の頭の中では、マッタリ出発なのだから
きっと犬越路からそのまま用木沢へ降りるような予感がしてならなかった。

檜洞丸から降り

こちら側の斜面はまだ陽が当たらず、
陰なのでちょっと寒い。
また降りといっても単なる緩やかで
楽チンな道でもなく、結構あちらこちらで
ポロポロと崖っぽい部分がよく現れる。
鎖場などでは長い三脚が結構役に立つ。

ここのコースは周囲に木や笹が多く、
あまり景色が綺麗に見えるわけではないが、
途中たまに開ける場所がある。

狭くてもしっかり記念撮影

しかし今日の富士山は、
この時間でもずっと頭に雲がかかっている。
この分だとおそらく今日は終日、雲は取れないだろう。

大笄付近

アップダウンを繰り返して標高を下げていくが、
たまに登りになると視線が斜め上を向く。
水平に見ているとあまり感じないが、視線が上向きに近くなった空を見ると、空が青〜〜い!
昨日から今日にかけて、空が青いねえ〜って一体何回言っただろう・・・・・

朝、富士山の頭にかかっていた雲はわりと少なめだったが、
降っていくうちにだんだん雲量が増しており、また陽が昇るにつれて霞みも増え、
だんだん富士山は見えづらくなっていた。

降りの途中の道標のある少し広い場所で、
なんちゃってやまちゃんのエネルギー補給の為にしばらく休憩となる。
おにぎりが食べたいということだったが、今回1泊2日なのに、
なんとおにぎりを10個も持って来たそうだ。
冬だから悪くはならないと思うけど、ちょっと多くないか?
減らしたいと言うわりには、昨日ゴーラ沢ではカップラーメン食べてたねえ。

ここで休憩中になんちゃってやまちゃんから、
犬越路からそのまま用木沢へ降りようという、公式発表があった。
( 私は最初からきっとそうなるだろうと思っていたけど・・・ 笑 )
まあ時間的にも、これから加入道山をまわるとちょっと遅いだろうし、
早く降りてゆっくりお風呂に入る方が、我らヘタレ隊にとっては
身の丈に合っているだろうねえ〜 ( ほんと軟弱だ! )

犬越路の非難小屋がだいぶ近くなってきて、細い笹の道を降って行く。
しばらく歩いて犬越路の休憩場所へ到着すると、大休憩となった。
テーブルがたくさんあり、空いているので休みやすい。 荷物を降ろしてちょっと一息だ。

降ってきた檜洞丸の方を見ると、雲がゆったりと流れており、喉かな感じがしてくる。
大室山の方は全然雲が無くて、相変わらず真っ青な空が広がっていた。

日の丸隊長がテーブルに三脚を立てて、記念写真を撮る。
今度は逆を向いてなんちゃってやまちゃんがレンズを向ける。
私が最後に記念撮影だが、皆で敬礼して写る〜というと、
すかさず、隊長の敬礼講習会が始まった。
といっても私は撮影準備中なので、受講者はなんちゃってやまちゃんだけ。

敬礼記念写真

しかし受講しただけのことはあって、
写真を見たらちゃんと出来てるねえ〜
セルフタイマーが起動してから右手というのを
知ったので、顔が陰に隠れて暗くなることに
気付かなかったのはちょっと失敗だった。
次回は三人でベレー帽を被るか、と言うと、
一つしかないというので、隊長殿に
手編みのベレー帽をあと二つ
用意して頂く様、現在要請中である。
( なんで手編みだよ〜? )

三人での敬礼記念写真はちょっと笑えるかなと思ってやったのだけど、
すっかり忘れていたことがあった。   それは、やっているところを
他人に見られると結構恥ずかしいではないか〜、ということだった。
敬礼記念写真を撮り終えて1分もしないうちに、
なんと小屋で一緒だった人たちが降りて来たのだった。
三人とも檜洞丸の方を向いてやっていたので、思いっきり御対面になるところだった。
まあそれはそれでお笑いネタになったかもしれないけど。
そうやって危うく恥ずかしいところを見られるところだったなどと話していたら、
今度は降りて来た人たちに日の丸隊長の敬礼講習会が始まってしまった。( 笑 )

いっしょに休憩していたカップルと女性に挨拶して、私たちは先に降り始める。
しばらくは狭くてやや歩きにくい急な降りが続く。  たまに上を振り返ると空はやはり青いが、
勾配が結構あるなあ〜と実感する。  ゴロゴロした歩きにくい道を降っていると、
後からふじもとさんに追いつかれてしまい、速いので先に行ってもらうことにして道を譲る。

しばらく降っていると、ずっと先の方を歩いているなんちゃってやまちゃんが、
何やら雄叫びを上げている。   何かあったんかなと思いつつ追いついてみると、
さっき追い越して行ったふじもとさんが、沢沿いの方へ歩いて行ったのだそうだ。
正規のルートは右岸の斜面沿いの道なのだが、果たして何故だろう?
そっちの方が近いとか楽だとか、知っていて進んだのなら問題無いのだけど、
もし知らずに迷い込んだのだとしたら問題だよねえ〜、という話なのだ。
三人で地図を眺めて見ると、沢に沿っても終いには西丹沢へ出られはするようだ。
特に返事も無く、このまま居ても仕方がないので先へと進む。

遭難?救助現場

しばらくしてから再び、なんちゃって
やまちゃんの雄叫びが聞こえる。
姿が見えたのだろうか?

樹林帯の中から下の沢の堰堤付近で、
ふじもとさんを発見したらしく、
どうやら堰堤で行き詰っていたようだ。

声が届いたので、ここで待っていると、
ふじもとさんは少し戻って、
斜面の上の方から戻ってこられた。

聞いたら、道を間違えて沢に入ったそうで、時間が経たないうちに見つかって良かった。
まあ富士の樹海や冬山の吹雪状態とは違うので、どうしても駄目そうなら
確実に来た道を戻れば解決するから、そう深刻ではないけれど、
低山とはいえこういう事も、起こる時には起こるものである。
皆さん、たまには忘れかけている意識を呼び戻そう。

ここから先は4人でいっしょに沢沿いの道を降って行く。
左下の沢を見ながら、もし沢沿いに進んでいたらどっか戻れそうな所があるかを探してみる。
ある程度進んた辺りで、ここなら戻れそうだねえ〜という所はあったが、
途中に落差の大き過ぎる堰堤があり、あそこは降りられないねえ、って感じだった。
やっぱり戻ることになっていたようだ。

4人で記念撮影

ちょっと進んだ開けた所で記念撮影。
この先あまり写真を撮る場所も無いだろう。

すぐ先の堰堤の横を通過する時、
下の沢を見ると、水が綺麗な色をしている。

それを見た日の丸隊長が、あんな綺麗な
沢なら飛び込んでみたいねえ〜、
しかし冬に飛び込む奴は信じられん、
というような声明を公式発表した。

普通なら何の不思議もない極当たり前の発言なのだが、この公式発表が直後に、
見事墓穴を掘ることになろうとは、この時点では誰も知る由はなかった。
♪ ジャーン!! ♪  ( ← 効果音は火曜サスペンス劇場あたりが似合うかしら〜? )

私はどうも初対面の人の顔を名前を覚えるのが、あまり得意ではない。
今回も青ヶ岳山荘の小屋番さんや常連さんたちの説明をされても、
なかなか顔と名前が一致しない。
あの人があ−でこ−で〜〜  という話の際に、どの人だっけ? といつも私が聞くので、
日の丸隊長から、さんぼー殿は顔と名前を覚えるのが、上手くないですよね−、と
突っ込まれてしまう。    まさに正解・・・    そう、とっても苦手なのだ。
隊長ほどの特徴があればきっとすぐ覚えると思うぞお〜

この時は、小屋番さんの西さんの話題だった。
私が、西さんてどの人だったっけ〜? などと相変わらずボケたことを言うと、
日の丸隊長が、素晴らしく分かりやすい返答をしてくれた。

さんぼ− 『 西さんて、どの人だったっけ〜? 』
隊長    『 ほらほら、春風亭小朝に似ている人! 』
さんぼ− 『 あ−わかった、わかった〜! すぐわかった! 』
隊長    『 ね、ね、 似てるよね〜!? 』
さんぼ− 『 確かに似てる、とってもわかりやすい〜〜 』

ヘタレ隊隊員は皆同じ意見だったが、他の方々はいかがであろうか?

ちょっと進むと丸太橋を渡って沢を越える所に来た。
沢付近での写真は撮ってなかったので、ここらで記念写真でも撮っておこうと思い、
記念撮影することを公式発表し、カメラをセットし始める。
最初に日の丸隊長殿が橋を渡り始めたのだが、その時歴史が動いた・・・
いや、動いてない、その時喜劇が起こった。

なんと日の丸隊長が丸太橋からこけて、沢に滑落(?)してしまったのだ!
落ちたといっても、橋から水面まで40〜50cm程度だし、
水深もせいぜい膝までくるかどうかという、非常に危険性は低いものなので、
まあ膝下が濡れちゃったぐらいで終わりだと思っていた。
しかし喜劇の真髄は、その直後に待ち受けていたのだ。

落ちた直後に、おそらく足が滑ってしまったのであろう、
そのまま前に転倒してしまい、体全体が水没してしまったのだった。
( ♪効果音♪   意外に冬のソナタの曲なんてどうかしら〜? )

日の丸隊長、撃沈!

衝撃のスクープ映像!

予期せぬ隊長の演出(?)に、
一瞬ギャラリーは凝固する・・・・・

しかしさすがは日の丸隊長殿、
すぐに沢から脱出し、再上陸した。
( 台風か? )

私は記念撮影準備の為に構図決めを行っていたので、
この水没記念行事は、全てファインダーの中で拝見させてもらった。
しかも有難い(?)ことに、水没の瞬間に思わず指がシャッターを押してしまい、
衝撃のスクープ映像が撮れてしまったのだ。

青ヶ岳山荘の御飯も美味かったけど、通常では出会えないことを考慮すると、
ちょっとだけこっちの方がおいしいかもしれない。
しかも周りの皆の公式声明は、隊長大丈夫〜? ではなく、カメラ大丈夫〜? だった。
やっぱりみんな良い仲間なのだ。( 笑 )

いや決して冷たいわけではなく、あの程度のアクシデントでバスト104の強靭な肉体が
壊れるとは誰も思ってないのだ。    皆、頼りにしているのだよ〜〜〜

カメラを持っている者の本能とでもいうべきか、アクシデントの際には、
自分よりカメラを守ろうとするようだ。   やはり隊長も、しっかり右手に持っていた
カメラだけは水面より上に上げていたようで、カメラは無事だったそうだ。 ( 立派! )

哀愁が・・・・・

とりあえず日の丸隊長は、斜面の上に移動して
隠密お着替え作戦に着手する。
( 隠密って、皆見てるじゃないか )

しかし、着替え終わった日の丸隊長の姿に
哀愁を感じるのは私だけだろうか・・・・・

それにしても面白過ぎる。

冬に沢に入るなんて信じられんと言っておきながら、
直後に自分が入ってしまうのだから、
その後、散々笑いのネタになったことは言うまでもない。
また前回この3人で谷川岳へ向かった時、
西黒尾根の途中で隊長が脱臼してそのまま下山していた
過去があったので、今回は何事も無くて良かったねえ〜と、
話をしていた矢先だったのだ。
やはり最後まで気を抜いてはいかん、ということか・・・・・

改めて記念撮影

しかし冗談抜きで、
体に負傷などが無くて良かった。
今回は服が濡れても、もう少しで下山だし、
その後はお風呂が待っていたから、
思いっきり笑い話になったけど、
怪我の類だと笑えないからねえ。

事件 ( 喜劇?) の起きた沢でしっかり
記念写真を収めて、現場を後にする。

沢沿いに整備の行き届いた道を進むと、
向こうに用木沢出会いが見えてきた。
ここから西丹沢自然教室までは、しばらくアスファルトの道路を歩く。

当然話題は、終始水没記念行事だった。
自然教室まで歩く途中、私たちがバスで移動する話をすると、ふじもとさんから、
車なのでいっしょにどうぞと、有難いお話を頂いてしまい、お世話になることになった。

無事、下山完了

西丹沢自然教室に着いて一息ついていると、
青ヶ岳山荘でいっしょだったカップルが
後から到着したのだが、
日の丸隊長は自ら沢に落ちたことを
とっても楽しそうにアピールしていた。

( やっぱり笑い話じゃないか〜  笑 )

その後、ふじもとさんの車で中川の 「ブナの湯」 まで乗せて行ってもらった。
なんか見たことあるなあ〜と思っていたら、3年前にOFF会で青ヶ岳山荘へ来た時も、
帰りにここへ立ち寄ったことを思い出した。
温泉の中で湯船に浸かっていると、日の丸隊長殿から重みのある公式発言だ。
「 お湯は良いねえ・・・・ 」 登山の後のお風呂はそれだけでも気持ちの良いものだが、
水没記念行事の後なので、なおさらだろうねえ〜
外の露天風呂に移動してみると、お湯が熱いじゃないか〜!
出ると寒いし、入ると熱いし、もうちょっと何とかしなさい。

お風呂から出た後、休憩室へ行くと、なんちゃってやまちゃんは寝ていた。
殿方チームはちょっと長湯だったからねえ〜
向こうの方のTVから、何やら地震だか津波だかでどうのこうのという
ニュースが流れていたが、その時はまさか、
こんなに大きな災害になるインドネシアの津波だとは思ってもみなかった。

温泉を出ると、私たちは新松田の駅まで再び送ってもらった。
途中でちょっと雨が降り出し、都心も降っているのだろうかとちょっと不安になった。
駅で降ろしたもらった後、なんちゃってやまちゃんは知り合いの山屋さんと偶然会っていた。
私は切符を買う時に、登山靴の紐を締めなかった怠慢が不幸をもたらし、
こけてちょっと手を痛めてしまった。
おまけにプロトレックの腕時計がちょっと損傷してしまうし・・・・・
天命的な災難は仕方がないけど、自分の怠慢による災難は出来る限り、
自分で減少させなくてはないないと思わされる出来事だ。

新宿には17時頃到着し、それからしばらく居酒屋でお疲れ様会をやって、
帰宅したのは21時前だった。
さすがにこの日は久しぶりの山歩きで疲れたようで、早く寝ることができた。
この後、ずっと年内は肩や脚が痛かった。

今回出かけた青ヶ岳山荘は、常連客の溢れるボランティア精神によって
支えられている面があり、そのせいか、実にほのぼのとした暖かい空気が根付いている。
アルプスクラスの山小屋だと、結構スタッフが忙しく動き回っていることが殆どだが、
ここはスタッフもいっしょになって登山者とマッタリする為、
非常に独特の喉かな雰囲気となってしまう、珍しい山小屋だ。

こういう小屋は貴重だと思うので、これからもこういう雰囲気を大事に育ててほしいと思う。
今回は青ヶ岳山荘へ何も差し入れを持って行ってなかったので、
次回出かける時は是非、皆さんの好物の日本酒を持って行きたいと考えている。
お世話になった方々、有難うございました〜〜〜

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