1999/08

北アルプス

裏銀座・笠ヶ岳

北アルプスの中でもわりと長めの裏銀座縦走コース。
昨年初めて 5 日間の縦走を行って、とても快適だった為、今度は本格的な夏山で計画。

ところが予定日の少し前から仕事の状況は怪しくなってしまい、なかなか休み難い状況に。
ちょっと休むのに気が引けたが、そんなことを言っていたらいつまで経っても客先(官僚)の
都合に振り回されてしまうので、気合いを入れて会社を退社する。

それでも一度帰宅して荷物を準備してから、新宿へ向かうには、結構ギリギリの時間。
客先を相手にする仕事だと、自分の都合でスケジュールをこなし難いので、
やっぱり自分には合わない業務だと感じる。

08/04 (水)  千葉 → 新宿 → 中央線 → 松本 → 信濃大町
08/05 (木)  信濃大町 → 高瀬ダム → ブナ立て尾根 → 烏帽子岳 → 烏帽子小屋泊
08/06 (金)  烏帽子小屋 → 野口五郎岳 → 水晶小屋 → 黒部源流 → 三俣山荘泊
08/07 (土)  三俣山荘 → 鷲羽岳 → 三俣蓮華岳 → 双六岳 → 双六小屋泊
08/08 (日)  双六小屋 → 鏡平 → 秩父平 → 笠ヶ岳 → 笠ヶ岳山荘泊
08/09 (月)  笠ヶ岳山荘 → 杓子平 → 笠新道 → 新穂高温泉 → 松本 → 千葉

08月 04日 (水)     天気は忘れた

ハラハラしながら帰宅して荷物を準備、急いでまた出かけて今度は新宿行きの電車に乗る。
新宿で日付けが変わる前に、無事に急行アルプス号に乗り、そこから先ずは松本へ向かう。

電車に揺られながら、無事に北アルプスに向かうことが出来たのは良かったけど、
ちょっと仕事が後味が良くない感じで周囲の人に任せてしまったのが気になって、
しばらくは寝付けなかった。   しかし松本で大糸線に入り、明るくなって周囲の風景が
見えるようになってくると、頭の中はこれからの縦走モードに入り、気分も軽くなっていった。

08月 05日 (木)     曇り 時々 晴れ

信濃大町駅ではタクシーの相乗りが行われていた。
一人なのですぐに空いているタクシーに乗り込み、高瀬ダムへ向かう。

手前のトンネルでゲートが開くのをしばらく待ち、その後トンネルを通過して
ジグザグの登り坂を走ると高瀬ダムの堰堤に到着する。

タクシーを降りて、軽く運動してから歩き出すと、すぐに小さなトンネルだ。
ちょっとヒンヤリしたトンネルを抜けて、小さな橋を渡ると、左手にキャンプ場があった。
左側のダムを見ながら先へ進み、砂地を今度は右側へ進んで行くと、登山口だ。
いよいよここから樹林帯の中へ入り、北アルプス三大急登の一つ、ブナ立て尾根を登ることに。

のっけから随分な勾配の登り坂だねぇ〜〜   凄い勢いで高度を稼いで行く。
お天気は曇りなので、そんなに暑いことはないけど、運動による汗がそれなりだ。

ここは適当な間隔をおいて、ポイントに番号が割り振ってあるから、少し気晴らしにはなる。
ガスに巻かれているのかなと思ったけど、途中少し景色が見える所から高瀬ダムが見えた。

中腹付近まで登った辺りで休んでいる時に、四国からのおばちゃんと一緒になったが、
なんとテント泊縦走で、単独で裏銀座を進み黒部ダムまで行かれるそうだ。 \(◎o◎)/!
( 確か、赤牛岳を経由してそのまま黒部ダムへ向かうって聞いた気がする・・・ )
テント泊は重いのに、ずっと何日も歩くなんて、凄過ぎる〜    しかも女性なのに。

更に登って行くと、予想外に高山植物が咲いていて、写真を撮りながら進む。
かなり高度を上げた付近でさすがに疲れてしまい、荷物を担いだまま岩場にもたれて休憩。
崩壊地を過ぎてしばらく登ると、少し降ってようやく烏帽子小屋に到着〜♪

晴れていれば小屋の正面から赤牛岳の山並みが見えるらしいが、あいにくガスで見えない。
今日はここで宿泊予定なので、まだ 11 時半頃だったけど、小屋に入って休憩していたら、
昨夜寝てないせいか眠くなってきて、そのまましばらく部屋で横になって昼寝状態になっていた。

午後目を覚ますと、時間があったので烏帽子岳の方へ行ってみることに。
少し樹林帯を進むと開けた道になり、しばらく先で展望の良い場所に出る。

正面に何やら尖がりの山が見えるが、
どうやらあれが烏帽子岳らしい。

ちょっとガスに巻かれた感じもあるけど
行ってみることにして、降って行く。

一度鞍部に降ってから烏帽子岳へ向かって登り返すが、岩場が結構凄そうだ・・・

少し登るとちょっと広めの大きな岩場に出たけど、平坦じゃなく斜めじゃないか〜〜
ところで山頂ってどこだぁ・・・   と見渡すと、右手におばさんたちが集まって写真を
撮っていたが、え〜〜もしかしてそこが山頂・・・???   崖みたいじゃないか〜! ( 驚 )

烏帽子岳 山頂  2628 m

ちょうど青空が顔を見せたので
斜めの岩場に三脚を立てて、
急いで走って登って記念写真を撮った。

小屋に戻ったが、どうもお天気はスッキリしないみたいで、撮影することもなくて結構暇〜

ここの小屋は親父さんと一緒に、娘さんも切り盛りに参加されているみたいだ。

明日は稜線歩きになるけど、お天気はどうかな・・・

08月 06日 (金)     曇り 後ち 小雨 後ち 晴れ

今朝は 5 時頃に朝食を頂き、 5 時半に小屋を出発。
小屋の外に出ると周囲はガスに包まれていて、少し離れるともう見えなくなってしまう。

少し南へ歩くとテント場があるので、ちょっと寄ってみたらテントが張ってあった。
たぶん昨日一緒だったおばちゃんだろう。    ここをテントで歩くなんて凄いなぁと思う。

三ツ岳へ登っていると、途中からガスを抜けて、
周囲が見えるようになってきた。

凄い雲海だし、上空は晴れているじゃないか〜!!

この辺は駒草の群生地らしい。

天気がイマイチだからか平日だからか分からんけど、周囲に登山者は少ないねぇ。
写真撮るには人が少なくて良いんだけど、ガスに巻かれていたら撮れんじゃないか〜

周囲はガスに包まれているけど、
烏帽子岳や隣の赤牛岳の稜線の方は時折り稜線が見えたりする。

展望の無いまま歩いていると、ゴロゴロした
感じの山道付近で雷鳥を発見〜♪♪

雷鳥が見られたのは良いけど、
雷鳥って天気の悪い日に
よく姿を見せるらしい・・・

しばらく歩いてちょっと降ると、左手に小屋が・・・      野口五郎小屋だ。

昨日烏帽子小屋には午前中のうちに着いたけど、あそこを通過してしまうと、
もう次の小屋はここまで来ないと無いから、ちょっと大変そう。

小屋の前をちょっと眺めて、そのまま野口五郎岳へ向かう。

登り坂をしばらく登ると、山頂に到着。

山頂はわりと広いけど、殆ど人はいない。
写真は撮るけど、何も見えんじゃないか〜

野口五郎岳 山頂  2924 m

烏帽子小屋から抜きつ抜かれつな感じで一緒だったお兄さんが
先に山頂から降って行ったが、少し先になるとガスに隠れて見えなくなってしまう。

折角の稜線歩きなのに、あの青空は一体どこへ行ったんだろうねぇ、全く・・・

ゴロゴロした感じの道を進んでいくが、わりと高山植物もあちこちに咲いている。
8 月前半なのに、もう秋の花である投薬竜胆も咲いていた。

真砂岳分岐を過ぎて鞍部へ降っていると、左側の谷間はガスで見えないが、
右手側の谷間にはガスが無く、遠くまで斜面の緑が見通せる。
こちら側は、ガスがかかっているのは稜線だけのようだ。

鞍部を過ぎて登りになると、周囲の地面が赤茶色に変わってくる。
この辺は赤土で、登山道もちょっと危ないところが出てくるみたいだ。

急坂を登り切ると、水晶小屋分岐の道標があり、すぐ前に水晶小屋があった。
水晶小屋って小さいとは聞いていたけど、本当に小さいしかなりボロいぞぉ・・・

何でも地理的にはとても優れた立地の所なんだけど、兎に角小屋を増設したりするような
スペースがない場所の為、なかなか建て替えなどが出来ないらしい。

今日の予定では、ここから水晶岳を往復して
水晶小屋に宿泊することになっていたけど、
小屋の前で休憩していたら、
なんと小雨が降り出してしまった。

とりあえず合羽を着る・・・ ( >_< )

予約をしていたので、とりあえず小屋に入って受け付けに行ってみると、
予約無しで来た客が自分の前にいて、今日は客が多過ぎるから、予約が無い場合は
三俣山荘まで行ってくれと言われている・・・     そんなこともあるんだねぇ。

私は予約をしていた為、宿泊は受け付けるそうだけど、客が多過ぎて厳しいから
もし可能なら三俣山荘まで行って欲しいとのことだった。

小雨で水晶岳へ行くのをどうしようかなぁと迷っていたし、三俣山荘まで行くのも
鷲羽岳経由で 3 時間、源流経由でも 2.5 時間なので、どうしようかと迷う。

今日はもうここで終わりと思って歩いて来たので、その状態でここから更に
数時間歩くとなると、ちょっと精神的に負担に感じてしまったが、
まだお昼だったこともあり、しばらく検討して今回は三俣山荘まで歩くことにした。

水晶小屋を後にすると、緩やかな右カーブを降って行く。
幸いなのは、降り出した雨が強くならずに、ずっと小雨のままなこと。
このまま強くならないで欲しいと思いながら、砂利道を降って行くと、
ワリモ北分岐の道標があり、小雨が止みかけてきた為、ここで休憩。

合羽を脱ごうかどうしようかと迷っていると、何やらバタバタと足音が・・・
水晶小屋方面から学生らしい団体が、なんと走って来るじゃないか。
そして鷲羽岳の方へ向かって走り去って行った。 ( ランニングかよ〜 )

こんな状況でも普通にこんなところを元気に歩いている ( 走っている? ) 人たちが
いるんだと思うと、何やらちょっと不思議な気分になる。

普通に考えれば別におかしいことではなかったのだけど、急に予定を変更して延長歩きを
する羽目になった為、精神的に疲れていたことと不安を覚えていたことから、
たぶん緊張状態にあった為、そんなことを感じていたんだろうと思う。

小雨は殆ど止みかけているが、まだ微妙に降っているので、合羽のまま歩き出す。
右手と正面は晴れているわけじゃないけど、何となく少し明るくなった気がする。

右手の高天原方面は薄らとガスがかかっていてよく見えない。
正面の降りた先に休憩している人を見かけた時、ちょっと不思議な感じがした。

今日は殆ど人の姿を見かけないし、こんなエリアに人はいないだろうという先入観があった為、
人の姿が見えると、不思議なのと同時にちょっとした安心感のようなものを感じる。

私は三俣山荘へ行かないといけないから、左手の黒部源流の方へ入って行く。
少し降り始めると、道の左側でチョロチョロと小さな沢になりかけの感じで水が流れ始めている。
この辺は黒部源流の源として最初の一滴が出ている付近だというのは知っていたけど、
雨上がりだし精神的に緊張状態になっていたから、一滴探しどころじゃなかった。

前方を眺めると、源流に沿って緩やかに降って行く道が見えているけど、
人の姿は全く見えず、後方にも人の姿は無い。
三俣山荘も見えないし、本当にここを進んで行って大丈夫なんだろうかとちょっと気が重い。
こんなところで足に怪我でもして動けなくなったら、きっと死ぬんだろうなぁ〜なんて
えらく弱気な気分になったことは、きっと一生忘れないだろうと思う。

源流に沿って細い草に囲まれた道を降っていると、そのうちなんと向こうから人の姿が・・・
こんなところを今頃逆に進む人がいるのかと思いつつも、なんかちょっと安心〜〜♪♪
そして降っていた小雨も、とうとう止んできた。

源流コースの下部へ来ると、広い場所があったので、合羽を脱ぐことに。
ちょうど写真を撮っている兄さんがいたけど、なんとカメラと三脚が殆ど同じじゃないか・・・
当然しばらくお話することに。

横浜からいらした方だったが、 3 泊 4 日ぐらいでずっと三俣山荘に滞在し、
粘って槍ヶ岳の写真を狙っていたんだけど、ずっと悪天候でダメだったそうだ。
でも明日にはもう下山しないといけないそうで、天気を心配されていた。

その後、三俣山荘へ向かって緩やかに登り返す。
鷲羽岳との鞍部まで登って来ると、ようやく左手に山荘が見えた。
良かった〜〜〜!!  無事に着いた〜♪  \(^o^)/

山荘で受け付けを済ませて、部屋でしばらく休んでいる時に周囲の人と話している時、
小雨だったから水晶岳へ行くのは止めたと言うと、周りの人たちの多くから、
水晶岳をパスしたのは勿体無いとか失敗だとか言われてしまう。

周囲の人たちの意見では、水晶岳は北アルプスのど真ん中にあって、
長野岐阜富山のどこから来ても片道で二日かかるから、なかなか簡単には来れないので、
一応折角来たのなら来た時に行っておいた方が良いよ、ということらしい。
自分としては雨だと写真が撮れず景色も見られないから行っても仕方ないし、
どうせまた来るからその時に行けば良いんじゃないの〜〜? って感じだった。

しかし、後になって周りの人たちに言われていたことを痛感することになるとは
まだこの時は全然思ってもいなかった。  ( ^_^; )

どうやらお天気がだんだん回復傾向らしく、外では青空もチラホラ顔を出し始めたようだ。
もしかしたら槍ヶ岳方面も見えるかな〜と思って、カメラを持って外へ出てみる。

鷲羽岳もはっきり見えるようになり、
上空には青空がだいぶ増えてきたじゃないか〜♪

小屋の前には、槍ヶ岳を眺めようと
たくさん人が出て来ている。

槍ヶ岳方面はなかなかガスが取れず、写真は撮れないねぇ。
今日はダメですかねぇなどと話していると、鷲羽岳の方から見覚えのある顔が・・・
野口五郎岳までずっと抜きつ抜かれつだったお兄さんが、鷲羽岳の方から降りて来たのだ。

この状態なら鷲羽岳もスッキリとはいかないものの、ちょっと良かったかもしれないね〜
私は晴れるとは思わなかったし安全第一で頭が一杯だったから、鷲羽岳コースじゃなく
当然源流コースにしてしまったけどねぇ・・・

結局、夕方遅くなっても槍穂高連峰が綺麗に見えることはなかった。
明日はお天気どうだろうねぇ〜、回復傾向だから少しは期待できるかな・・・

08月 07日 (土)     晴れ

朝起きて外に出て見ると、綺麗な陽の出が見られた。
空も綺麗だし、今日はお天気が良さそうだぁ〜〜〜

ということで、朝食の後にカメラだけ持って鷲羽岳へ登ってみる。
地図では片道 1 時間半になっていたけど、空身に近い状態なので、 1 時間ぐらいで登れた。

しかしガスがまだかかっていて、遠景は見えたり見えなかったりしている。
山頂では三脚にカメラを付けたまま、槍ヶ岳が見えるのを待っていたけど、
槍穂高連峰はなかなかガスが取れないじゃない〜〜 ( >_< )

長袖を一枚着て来たから良かったものの、山頂でじっとしていると結構冷える。

黒部五郎岳の方は結構ガスは無くなり、
綺麗に見えるようになっている。

長いこと待っていたけど、どうやら
槍ヶ岳の方のガスは取れないようなので、
諦めてそろそろ降りることに。

鷲羽岳から下山して三俣山荘に戻る頃には、だいぶ晴れ間も広がり、
上空には念願の青空が一杯に見えてきた。

山荘を後にして出かける為に、荷物をまとめて外に出てしばらく準備。
それにしても、もうこの時間 ( 8:40 頃 ) になると、山小屋は閑散としてちょっと寂しい。
この時間になると、普通登山者はとっくに出かけてもういないし、
小屋の人たちも朝食が済んで、一段落ってところだからねぇ。

野口五郎岳の稜線から一緒だったお兄さんは、
これから黒部五郎岳へ行くか、槍ヶ岳へ行くか、迷っているそうだった。

私は昨日予定をオーバーして三俣山荘まで来たので、今日はとっても楽チンな工程。
ここから三俣蓮華岳と双六岳を通過して、双六小屋で終わり。 ( なんて楽な内容・・・ )

三俣山荘を出てテント場の傍を通り、緩い坂の這松帯を登って行く。
三俣蓮華岳のすぐ脇まで登って来る頃には、正面の空は青一色になっていた♪

山頂に到着して鷲羽岳の方を見ると、
山々は綺麗に見えるが、
ちょっと背景には雲が広がっているねぇ。

鷲羽岳から手前に降りて来た所に
緑の中に小さく、三俣山荘の赤い屋根が見える。

少し左側に目をやると、だいぶ青空だ〜〜♪

右奥が水晶岳、中央の平原が雲ノ平、左奥が薬師岳。

雲ノ平もいつか行ってみたい所だなぁ・・・

更にしばらく山頂で撮影などをしていると、
どんどんガスが取れてきて、もっと青空に〜 ( ^O^ )/

三俣蓮華岳 山頂  2841 m

しかし笠ヶ岳の方は、
背後が雲に覆われている。

笠ヶ岳ってこちら側から見ると、
小さな富士山みたいだねぇ・・・

三俣蓮華岳を後にすると、穏やかな稜線を双六岳方面へ向かう。
左下の方には、中道などのお花畑コースが見える。

双六岳への最後の登りの時、稜線上に見える空が青一色だった為、
早く山頂に着きたくて、思わず走って登ってしまった。

双六岳 山頂  2860 m

山頂に着いた時は少し人がいたけど、
しばらくしたら誰もいなくなった。 ( ラッキー♪ )

自由に写真が撮れるから快適。

雲が増えてきたけど、それでも積雲だし、まだまだ晴天ベース。
昨年ここに来た時は、上空だけは少し青空だったけど、
周辺が全部ガスに巻かれていたせいで殆ど景色が見えなかったからねぇ。

東側には槍ヶ岳が見えるが、
背後はすっかり雲に覆われているねぇ・・・

双六岳から東へ向かう場所が凄く広い為、
野球場というあだ名がついているそうだ。

野球場を進むと急な降りになり、
そこを降ると、中道などと合流して
しばらくお花畑の道を歩く。

長閑にマッタリ歩くなら、三俣蓮華岳から
こちらのコースを歩くと、お花も楽しめて良いと思う。

双六小屋に到着して、裏のテント場に行ってみると、
午後の早い時間のせいか、テントの数は少なめ。

右奥には笠ヶ岳が、頭の方だけ見えていた。
明日は笠ヶ岳までだけど、青空になるかなぁ・・・

双六小屋では、同じコースを同じ日程でやって来た人が結構いるみたいだ。
昨日三俣山荘で一緒だった、老夫婦もそうだし、二日前に烏帽子小屋が
一緒だった父子もそうだ。      たぶん他にもいるんだろうねぇ。

この父子と同じ部屋になっていたので話をしていたら、
昨日は水晶小屋に泊ったそうだが、かなり悲惨なことになっていたらしい。

水晶小屋は元々定員が 20 人しかないのに、昨日はそれを超えていたらしく、
一部屋しかないのに食事場所も兼ねているから、半分ぐらいの方が食事している間は、
残りの方たちは外に出されていたらしい。  それに荷物も全部小屋の外だし。
また人数が多かったせいでまともに横になれず、起きて膝を立てながらの夜だったとのこと。
いや〜、混んだ時はしょうがないとはいえ、それはちょっと・・・・・

三俣山荘まで延長して歩いて良かったと、心から思った。 ( ^_^; )

08月 08日 (日)     晴れ

今日も朝から天気は良さそうだ〜〜♪♪
ここの食事はやっぱり食べ応えがあるから良いねぇ。 ( ^o^ )丿

双六小屋を出ると、テント場の脇を抜けて、しばらくは傾斜が殆ど無い道を歩く。
この辺はまだ陽が当たってないから、涼しくて良い。

後ろを振り返ると鷲羽岳が見えるが、
鷲羽岳は南側から眺めると、やはり格好良いね〜

鷲羽岳が小屋のすぐ後ろにあるように見えるが、
本当はかなり離れている。    望遠側で撮影すると、
圧縮効果が働くから、距離が縮まったように見えるのだ。

しばらく歩くと、左手前方が少し開けて、槍穂高連峰が見えた。
晴天で連峰の稜線が綺麗に見えるとワクワクするけど、
朝はやや逆光気味なので、山はシルエットのように見えてしまう。

緩やかに登って行く弓折岳の方を見ると、スッキリした青空が美しいねぇ〜♪
弓折岳の手前からは、焼岳や乗鞍岳も見えてきた。

そして左斜面の下の方には、鏡平小屋の赤い屋根も・・・
昨年来た時は、ガスや雨で何も見えなかったし、小屋も立て直し前で酷かった・・・
今年小屋が新しくなったので、鏡池と一緒に小屋も眺めに行ってみることにする。

斜面をどんどん降りて行くと、小屋が見えた。
随分綺麗な小屋になっているんだねぇ・・・
( 新築だから当然だ〜 )

手前の池にも、綺麗に小屋が映っている。
風が無く、鏡のようだねぇ。

ちょっと先の鏡池に行ってみると、
池と槍ヶ岳が綺麗に見えていた。

朝は逆光だけど、夕方ガスが無ければ
もっと山は綺麗に見えるんだろうねぇ〜
ここは紅葉期も美しいらしい。

既に暑いので、小屋の前のテラスでかき氷を食べる。

気合い入れて撮影していたら、他のお客さんが
わざわざ前を横切るのも待ってくれていた。

かき氷は美味かったぞぉ〜〜! ( ^O^ )/

鏡平を後にして、来た道を登り返して行く。
たいしたことないかなと感じていたけど、それなりに距離はあるねぇ・・・ ( ^_^; )

途中で、見覚えのある人が上から降りて来た。
三俣山荘の裏で写真を撮っていた、同じミノルタの兄さんだった。
私が下から上がって来たので驚いていたけど、鏡平は寄り道だと話したら納得していた。

こんなに晴天なのに下山は勿体ないですねぇと言ったら、 4 日間も粘ったので、
さすがにもう帰らないといけないのだそうだ。   いや〜勿体無い・・・

弓折岳の分岐に戻ると、今後は笠ヶ岳の方へ向かう。

大ノマ乗越の向こうには、
大きく大ノマ岳が見える。

ドカ〜ンとした感じがあって、
なかなか格好良く見える。

さすがにこの晴天なので、朝からもうヘリが飛んでいる。
登山の最盛期だから、物資の輸送がたくさんあって大変だろうねぇ〜

今日は天気が良いので、短パンを履いているけど、暑くなくて良い。
( しかし帰った後で日焼けが凄いことになって、実は大変だった・・・ )

秩父平付近まで来ると、さすがにちょっと疲れが出てきた感じ。
腹も少し減ってきた為、休んで食事タイムにするが、陰がないので暑い!!
で、食べるのはお湯を沸かしてラーメン・・・   暑い〜〜〜!!!

この辺は黄色や白の花が結構たくさん咲いているんだね〜
シナノキンバイ なのか ミヤマキンポウゲ なのか・・・

ちょっと左側に見える秩父岩は、なかなかゴッツイ岩場だねぇ。
その右側の登山道はちゃんと登れる普通の道のようだけど、結構傾斜きつくないかぁ・・・

休憩を終えて、ちょっと勾配のきつい道を登り切ると、稜線に出た。
反対側の景色は一応見えるけど、稜線付近にはもうガスがかかり始めている。
( この晴天でお昼近くになれば仕方ないねぇ )

ここからは稜線上をわりと勾配なく、歩いて行ける。
暑いのは厳しいけど、アップダウンがないからそれなりに楽で助かるよ。

途中で大学生らしきパーティに追い越されたけど、皆さん凄い荷物の大きさだ。
テント泊なんだろうけど、最後尾には女の子もいたぞぉ、  凄い・・・

笠新道との分岐から抜戸岩付近を通過する頃には、すっかり稜線上はガスになってしまう。
ところどころ見通しが利いて遠くの山並みが見える部分もあるけど、雰囲気的にはもう曇り。

笠ヶ岳のすぐ下ぐらいまで来ると、周囲は急にガラガラの岩場地帯になった。
すぐ上の方に笠ヶ岳山荘があったけど、比較的新しい感じの小屋みたいだね〜

山頂はガスでよく見えなかったけど、
小屋から近いし、とりあえず登ってみた。

やっぱり背景は真っ白だぁ・・・

笠ヶ岳 山頂  2898 m

笠ヶ岳山荘は中をあちこち眺めたけど、やっぱり綺麗な小屋だった。
ここも建て替えられてまた数年しか経ってなくて、やっぱり新築だったのだ。

小屋の前に白いブランコがあるんだけど、
確か日本で一番標高の高い所にあるブランコ、って書いてあったような気がする。

午後はガスに巻かれていて今日はもうずっとガスかなと思っていたら、
ちょうど夕食時には、再び西日が射し込んでいて眩しいぐらいだ。

明日も良い天気になるのかな・・・・・

08月 09日 (月)     快晴

いつものことだけど、夜中にグッスリお休みというわけにいかないので、
外はどんな様子だろうと思って、外に出てみた。

外は良いお天気で、夜空がとっても美しいねぇ〜♪
星もたくさん出ていて、今日も良いお天気かなぁ〜 ( ^o^ )

槍ヶ岳の上にはお月さま、
穂高連峰の上にはオリオン座が見える。


しばらく外にいた後、再び小屋に戻ってお休み。

夜明けが近くなってきたので、再びカメラセットを持って外に出る。

ついに槍ヶ岳の脇からご来光だぁ〜〜
いや〜、朝日が美しいねぇ・・・・・

この時期はちょうど陽の出の位置が、
ここからだと槍ヶ岳と重なるんだねぇ。

8 月上旬とはいえ 15 分も外にいると、寒くてたまらずすぐに小屋内に駆け込み、
ガスストーブに当たる。   放射冷却だと天気は良いけど、かなり冷え込むのだ。

朝食を終え出発の準備をして外に出ると、本当に爽やかな快晴の青空だ。

昨日は笠ヶ岳の山頂でガスに包まれていたので、今朝登って写真を撮れば良かったのだけど、
頭の中がすっかり早く下山するモードになっていた為、考えもせずに下山を開始。
後で考えると、勿体無いことをしたと思うねぇ。 ( ^_^; )

小屋前のガラガラの岩場を降る。
テント場では撤収しているパーティの姿も。

テント場を過ぎると普通の山道になる。

大笠と小笠が綺麗だね〜

笠新道への降りに入ると、
杓子平と南側の景色が綺麗に目に飛び込んできた。

ここを降ってしまうと、もうこの素晴らしい景色が
見えなくなってしまうから、ちょっと悲しいねぇ・・・

杓子平付近は辺り一面、緑のお花畑で
とっても素晴らしい感じがする。

今日はもう早く下山する状態だけど、
時間がある時なら、ここでゆっくり休憩しながら
コーヒーでも沸かして飲むと快適だろうね〜

杓子平を過ぎると、いよいよ最後の激しい降り。
写真のようなゴツゴツの岩場が、長く続く・・・
いや〜、結構シンドイし、足が痛くなってくるよ。

こんなコースを登って来る人がいるんだから
ほんとかよ〜! と、途中で驚いてしまう。

途中ぐらいから樹林帯に入り、木陰になってきたからまだ良かったけど、
杓子平を過ぎてしばらくの間は、日向だった為、暑かった。

今日が既に 5 日目というのもあるんだろうけど、ソールが柔らかめの靴というのが、
一番足の裏の痛みの原因になっているような気がする。

標高差が大きいので、降りても降りてもなかなか標高が下がっていかない・・・ ( >_< )

左俣谷がようやく近付いてきて、やっとのことで林道に到着する。
方向は逆だけど、昨年来た時に小雨だった為、わさび平小屋へ行ってみることに。

広い道の真ん中で何やら動いているようなので、何かと思ったら蛇がとぐろを巻いていた。

わさび平小屋って、随分爽やかな所にあるんだねぇ。
昨年来た時は、ガスで何も見えなかったから
分からなかったけど、背景の緑が美しい〜♪

小屋の横の休息エリアを覗いてみたら、
双六小屋で一緒だった老夫婦がいらした。

折立から入山されて新穂高温泉で下山だったそうだが、
富山から新穂高温泉まで入れると、全部で 8 泊ぐらいになるとのこと。 ( 驚 )
お歳というのもあるけど、カメラにビデオにと撮影道具が多かったので、
小まめに宿泊する計画にされたそうだった。

昨夜は鏡平小屋に宿泊だったそうで、鏡平小屋って、
双六小屋出てからその日の朝に寄り道したところやんかぁ・・・ ( 近過ぎ〜 笑 )

一緒に写真撮って、私は先に新穂高温泉に向かった。

ここからは車も通る道路なので、歩き易いしアップダウンもないから道は楽だけど、
なんせ足の裏が痛くて、ちょっとビッコ引きながらに近い感じで歩いてしまった。
こりゃ〜、ちゃんとした登山靴を買わんとアカンなぁと、シミジミと思わされた。

新穂高温泉のバスターミナルに着くと、とりあえず無料の温泉に入るが、
まあ無料なだけあって、あまりパッとしない感じだねぇ・・・
でも 5 日ぶりに風呂に入って、汗を流せたので良かった〜 ( ^O^ )

新穂高からはバスで松本へ。
松本駅までバスで行ったか、新島々で電鉄に乗り換えたかよく覚えてないけど、
たぶん松本行きのバスに乗ったような気が・・・
で、松本 からは JR で千葉まで。

裏銀座のメインルートの野口五郎岳付近で晴天に恵まれなかったのが残念だったけど、
どうせまた来るだろうし、三俣から笠ヶ岳にかけては晴天だったので良かった♪
5 日間も歩いた中で、合羽を着てたのがたった 2 時間弱ってラッキーだよね〜 ( ^O^ )/

Web の記録に出している写真は少ないけど、実際にはたくさん写真が撮れて嬉しい〜!
( 確か 500 枚以上撮っていたと思う )

現在 ( 2010/05 ) はデジカメが多いけど、この頃はまだフィルムがメインの頃だし、
それなりに良い写真を撮ろうとすると、やっぱり銀塩が良いよね〜〜〜

当初、この記録は写真だけを少し並べて Web Page に載せていただけだったので、
2010/05 頃に改めて、文章を書いて記録に追加している。
( 11 年も経っているけど、印象深い山歩きだったせいか、よく覚えているなぁ〜 と思う )

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