今年は隊長たちと、北アルプスの後立山連峰を歩くことになった。
針ノ木岳付近は裏銀座コースと鹿島槍・五竜に挟まれて、
イマイチ目立たないエリアだけど、雪渓もあるし空いてるのかと・・・
皆さんの計画は、針ノ木岳から種池山荘を経由して柏原新道を下山予定だけど、
折角なので自分は途中から離脱し、そのまま鹿島槍や五竜を縦走するつもり。
まぁ、後半の天気が悪そうならそのまま一緒に下山ということで。 ( 笑 )
07/28 (金) 千葉 → 新宿 → 松本 → 信濃大町
07/29 (土) 信濃大町 → 扇沢 → 針ノ木雪渓 → 針ノ木小屋泊
07/30 (日) 針ノ木小屋 → 針ノ木岳 → 赤沢岳 → 岩小屋沢岳 → 種池山荘泊
07/31 (月) 種池山荘 → 爺ヶ岳 → 冷池山荘 → 鹿島槍ヶ岳 → キレット小屋泊
08/01 (火) キレット小屋 → 五竜岳 → 白岳 → 大黒岳 → 唐松岳頂上山荘泊
08/02 (水) 唐松岳頂上山荘 → 唐松岳 → 八方尾根 → 白馬 → 新宿 → 千葉
新宿駅からは、登山客にはお馴染みの急行アルプス号だ。
これから連日の山歩き ( ある意味、旅行? ) かと思うと、ワクワクするねぇ。
新宿駅の中でも、急行アルプス号が発車するホームだけは別世界な雰囲気だ。 ( 笑 )
でも眠れないと、結構暇は暇だけどねぇ・・・ ( ^_^; )
信濃大町駅からタクシーで扇沢へ移動。
上空にはチラホラと青空も見えるけど、全体としては曇りって感じ。
登山道に入って行くと、緑の多い樹林帯という感じだ。
沢を渡る頃には、上空に青空も広がってきた。
これから天気も良くなるのかな〜〜♪
しばらく歩くと大沢小屋に到着。 大きくないけど、綺麗な感じの小屋だね〜
朝なので休憩している登山客がチラホラいるだけだった。
小屋を後にして更に進むと、しばらくして雪渓が見えてくる。
北アルプス三大雪渓の一つ、針ノ木雪渓だ。
吹き降りる風がとても爽やか〜
そんなに登山者も多くないみたい。
雪渓の人気としては、
やはり白馬大雪渓だからかな・・・
雪渓の手前付近では、結構高山植物も咲いていた。
赤系や紫系もあったけど、すぐ分かったのは日光黄菅だけ。
雪渓の入り口でアイゼンを装着して、雪渓を登り始めると、
またガスが噴き出してきて、視界が悪くなってしまう。
雰囲気的にはなんか寒そうな光景だけど、
歩いていると結構暑くて、半袖の T シャツでも十分いける。
雪渓の登りも後半は、ややガスが取れて青空が出てきた。
でも勾配がきつくなってきて、 Shoko さんたちはちょっと苦しそうだ。
ようやく針ノ木峠に着くと、そこには今日宿泊する針ノ木小屋があった。
今日は土曜日なので、それなりに混んでいるらしい。
稜線の鞍部であまり広くないエリアなので、テント場も狭いみたいだ。
一息ついた後は、当然ビールで乾杯〜♪
何といっても、これは山歩きの中の醍醐味の一つ。
こういう時は仲間がいる方が楽しいねぇ。
混んでいるとはいっても、密着して動けないほどではなく、それなりに寝ることが出来た。
明日からメインの稜線歩きになるけど、お天気に恵まれると良いけどなぁ・・・・・
今朝は早い時間に出発する予定で、まだ暗いうちから準備。
小屋の外に出てみると、上空には満点の星空で、思わず息を飲むほどだった。
ヘッドライトを利用して、出発は午前 3 時半。
でも他にもこの時間で出発する人が、やっぱりチラホラいるんだねぇ。
真っ暗な中、明かりを頼りに歩くけど、たまにはこういうのもスリリングで楽しいねぇ〜〜
だいぶ斜面を登って来た頃、暗くて分岐点なのかもよく分からず、
しばらく考えた末、左の斜面を登ってみたけど、どうもうまく進めない感じが・・・
後から人たちも迷っている人が多いみたいで、しばらく立ち往生。
結局右側の斜面をそのまま進む方が正解だったらしく、戻って本道へ。
この頃には、東の空がだいぶ明るくなり始めていた。
東の空からは太陽が綺麗に顔を出してきた。
その上には絹雲が綺麗にオレンジ色に焼けていて、とても美しい〜〜 \(^o^)/
隊長が、陽の出の写真を撮ろうとして慌てて準備してアタフタしている間に、
太陽が完全に出てしまって、とうとう撮れなかったと言っていたのが、とても笑えた。
斜面の雪もオレンジ色に照らし出されて、なかなか幻想的な光景だ。
針ノ木岳に到着する頃には、
すっかり青空が広がっていた。
ここは、 360 度の大展望だぁ〜♪
針ノ木岳 山頂 2821 m
針ノ木岳とスバリ岳の間は短いけど、
アップダウンがかなり激しい。
そして、足元はずっとガレ場。
スバリ岳中腹より針ノ木岳を眺めると、
谷間なので、山の絵にはなり易い。
スバリ岳 山頂 2752 m
スバリ岳の山頂は、眺めは良いけど結構狭い。
大人数の団体がいたら、もうアウト って感じ。
ここからは赤沢岳へ向かうが、
相変わらずアップダウンが続く。
左下には黒部湖が綺麗に見える。
水の色が独特な感じだねぇ。
赤沢岳山頂に到着、背景は剱立山連峰。
赤沢岳に来る頃にはガスが湧き始め、
晴れたり曇ったりの雰囲気になってきた。
赤沢岳 山頂 2678 m
黒部アルペンルートの真上を通り、鳴沢岳 ( 2641 m ) に向かうが、
この頃からはもうすっかりガスに巻かれるようになり、遠景は見えなくなってしまった。
鳴沢岳を過ぎると、周囲に緑が多くなり、
車百合や白山風露などの、高山植物がたくさん顔を出すようになってきた。
しばらく行くと新越山荘があったが、あまり休まずに岩小屋沢岳 ( 26301 m ) へ向かう。
岩小屋沢岳でも、ガスに巻かれたままで、景色は何も見えず・・・
樹林帯を過ぎると、何やら声が聞こえてきたなと思ったらテント場があり、
そこのすぐ先に、今日宿泊する種池山荘が見えた。
種池山荘は結構綺麗で、私たちは個室となった。
夕方、少しガスが取れて来たので、少し東の方へ歩いてみると、
雲が多めながらも鹿島槍ヶ岳が綺麗に見えていたので、写真を撮ってみる。
この感じでガスが引くようなら、きっとまた明日も午前中は晴天かな〜と思う。
もし晴天なら、そのまま自分は縦走を続けることにしよう〜〜 ( ^^ )v
今日以降もどうやら晴天が続くようなので、まだ暗いうちからちょっと出かける準備をする。
皆さんはまだ寝ているみたいだったけど、隊長が目覚めたので、
パーティーから別れて自分は縦走を続ける旨を伝え、先に種池山荘を後にする。
爺ヶ岳へ向かう時はまだ暗くて、東の空にほんの少しだけ陽の出の兆しが見えていた。
背の低い這い松群の間を抜けて斜面を登ると、爺ヶ岳の南峰に到着する。
爺ヶ岳山頂 ( 南峰 )
ようやく東の空が明るくなり始めるが、
肉眼ではまだまだ暗い。
こういうシーンで写真を綺麗に撮ろうとすると、
三脚+発光のスローシャッターで撮らないと、
見た目に近い感じの絵にはなり難い。
信越方面を眺めると綺麗な雲海が見えたので、
300 mm の望遠レンズで撮ってみる。
雲海の下は JR 大糸線が走っている。
ここでしばらく休憩して、食べ物を腹に入れる。
休んだ後、少し降ってから再び登り返すと、爺ヶ岳の北峰を通過する。
この頃にはだいぶ明るくなっていた。
爺ヶ岳を降り、冷乗越へと降って行く。
これから向かう鹿島槍ヶ岳が綺麗に見えるねぇ〜
鹿島槍ヶ岳は綺麗な双耳峰だ。
冷池山荘へ来ると、もう朝食も終わったようで、従業員の方々が
長閑に清掃でもされているらしく、窓から食堂を覗くと、ガラ〜ンとしていた。
しばらく先にはテント場があったが、ちょっと離れていたねぇ。
ここから先は一直線にそう激しくない斜面を、ひたすら登って行く。
斜面の左後方を振り返ると、昨夜泊まっていた種池山荘がポツンと見える。
隊長たちはもう柏原新道を降っているかなぁ・・・
ちょっと長めの斜面をようやく登り終えると、鹿島槍ヶ岳の南峰に到着する。
鹿島槍ヶ岳は、南峰が 2889 m で、北峰が 2842 m 。
山頂はまあまあの広さで、こんなに晴天なのに誰もおらん・・・
西側の富山方面は雲の無いスッキリした光景なのに、
東側の長野方面は激しい雲海に覆われている。
ちょっと休んで食べている間に、吊り尾根の向こうの北峰にガスが迫っていた。
南峰を後にして、狭めの吊り尾根を北峰へと進む。
北峰に着く頃には、もうガスの中に入ってしまっていた。
ありゃ〜、今日はもうダメなのかねぇ・・・・・
北峰から本道へ戻り、しばらくガレ場を歩くと、何やら梯子が出てきた。
道がちょっと狭めで、少し先には長くないけど垂直梯子もあった。
梯子を登り切った所で一息ついていたら、なんと蜂に刺されてしまった〜〜!
まあ、たいしたことはなかったみたいで良かったけど、
蜂に刺されることって、やっぱりあるんだねぇ。
それにしても、そろそろ八峰キレットなるものがあっても良さそうなんだけど、
一体いつ出てくるんだろうかと思っていたら、
何とすぐ先の目の前の谷間にキレット小屋が建っているじゃないか。
・・・ということは、さっきの梯子が八峰キレットだったのかぁ〜
あまりに普通というか、たいしたことなかったので、気付かなかった。 ( ^_^; )
もうちょっと凄い感じのものなのかと想像していたので・・・
ちょっと危険な感じの狭い岩場を急降下して降りて行くと、すぐキレット小屋だ。
東西の両斜面がスッパリと切れ落ちており、
よくこんな狭い所に小屋を建てたものだと感心してしまう。
へばり付くように建っていると言われているのが、よく理解出来た。
小屋はわりと綺麗な感じだ。
そう遠くない昔に建て替えか何かされたんだろうかねぇ・・・
週末にくっついている月曜日のわりには、
場所が面倒な所にあるせいか、あまり混んだ感じではなかった。
小屋の前のベンチからは、西側の剱立山連峰が青空の下の綺麗に見えている。
ここの食事で驚いたのは、出てきた御飯が光輝いていた〜〜
それに、なんと焼肉じゃないか。
隊長たちは、下山したら焼肉食べたい−! って騒いでいたけど、
まさかここで私が焼肉食べているとは思わないだろうねぇ〜 ( 笑 )
午後ちょっとガスに巻かれた感じもあったけど、
概ね稜線上では晴天に恵まれて、良い歩きが出来て良かった。
縦走 4 日目、今日も朝からとても良いお天気〜〜〜♪
小屋を出てすぐにガレ場っぽい道になるが、激しい勾配が無く足取りは軽い。
口ノ沢のコルでちょっと小休止した後、
見るからにワクワクさせられる
五竜岳への険しそうな稜線に入る。
手前から G5 と G4 。
( G はグラード、岩尾根とか痩せ尾根 )
左奥が五竜岳。
なかなかの激しい痩せ尾根だけど、快晴の空の下で歩くと、とても気持ちが良い。
平日のせいか、稜線上を歩く人の姿も少なく、ところどころに小さく見えるだけ。
晴れているから良いけど、こういう場所で悪天候だったら、結構厳しいと思う。
G5 と G4 を問題無く通過して、
最後の疲れる斜面を登り切ると、
ようやく五竜岳の頂上に到達〜〜♪♪
五竜岳 山頂 2814 m
五竜岳から南を眺めると
昨日歩いた鹿島槍ヶ岳が見える。
山頂で写真を頼まれたので撮ってあげたら、
東南アジアの人かと思った、と言われてしまった。
あまりに顔が黒かったからだって・・・ ( ^_^; )
五竜岳からガレ場やザレ場を降って行くと、下の方に五竜山荘が見えてきた。
休んでいる人が結構いたけど、場所が広いので休憩するには十分。
ここでちょっとお昼を食べてから、今日の後半戦に出発。
がしかし、山荘を出発するとすぐにガスがやってきて、
周囲の景色はあまり見えなくなっていった。
五竜岳の南側のグラードのような激しいアップダウンは無いものの、
ガレ場や鎖場が思ったよりも結構多く、ちょっと歩き難い感じだ。
途中の大黒岳を過ぎた辺りで、小雨がポツポツしてきて、ついにレインスーツかぁと
思ったけど、しばらくそのまま歩いていると、何とか着なくても行けそうな雰囲気・・・
結局、しばらくしたら雨は止んでくれたので助かった。
唐松岳頂上山荘が見えて来る頃にはガスも取れ始めて、青空も少し見えてきた。
今日はどうやら中学生だか高校生だかが集団で宿泊しているらしく、
小屋で手続きして寝るスペースに行ってみると、少し離れた辺りから
結構喧しい喋り声がたくさん聞こえてくる・・・ う〜ん、今日は寝られるのだろうか?
ここへ来るまでに、唐松岳頂上山荘では水の値段がやたら高い!という噂を聞いていたけど、
こちらでよく聞いてみたら、高いのはミネラルウォーターの話であって、
普通に雨水からの水なら他の小屋と変わらない値段だった。 な〜んだ、良かった。
夕方、ガスで周囲の景色はあまり見えなかったが、上空からは陽が射していて
晴天状態だったので、外でちょっと缶ビール〜〜〜♪♪ やはり美味い。 (^o^)丿
今日で稜線歩きは終了、ずっと晴天に恵まれて良かった〜〜 \(^o^)/
明日はもう降るだけになるけど、唐松岳にも晴れ状態で登れれば良いけどねぇ。
夜はそんなに喧しいこともなく、まあ普通に寝ることが出来た。
いよいよ、縦走最後の日。
朝から外を眺めると、一応晴れっぽい感じがあるものの、上空は雲が多い。
う〜ん、ちょっと曇りって感じの方が近いような天気みたいだ。
しかし、ここから唐松岳ははっきり見えているので、とりあえず登ってみることに。
勾配はあまり無いけど、途中歩き難い所がちょっとあるぐらい。
山頂に着くと、誰もいない。
けど、写真を撮ろうとすると、標識のすぐ脇に
誰かのザックが置きっ放し・・・ はて、なんでだろ?
普通に撮ろうとするとザックが邪魔なので、
入らないように構図を調整して撮影〜♪
唐松岳 山頂 2696 m
山頂のすぐ北側には不帰ノ嶮がある。
今回はもう下山するから行けないけど、
そのうち来るだろうなぁと思う。
しばらくしたら朝日が出てきたけど、すぐにまた雲に隠れてしまった。
この感じだと、今日はもう太陽の姿が見られないような気が・・・
ということで、さっさと山荘まで下山。
山荘で荷物をまとめてから、今回の最後の工程になる八方尾根の下山だ。
周囲はガスがかかっていたものの、もう下山だからあまり気にすることは無し。( 笑 )
途中、ちょくちょく積んであるケルンが見られた。
また、高山植物が結構たくさん咲いていたねぇ〜
八方池まで来たので寄ってみたけど、
当然ホワイトアウトで、景色は全く何も見えず・・・ ( -_-; )
天気が良ければ、ここから白馬三山の眺めが美しいらしい。
どんどん降りて来て、どうやら八方池山荘が近いのか、
登山道に木道が出てくると、ついに雨がポツポツしてきた。
少し先に八方池山荘が見えてきたので、小走り気味に急いでみる。
とりあえず山荘前の売店に掛け込んだら、十秒ぐらい後にザーッと激しい雨・・・
ギリギリで助かるという、物凄いラッキーなタイミングだった。
しばらく待ってたら雨が少し和らいだので、八方池山荘へ移動してレインスーツを着る。
ここからゴンドラ乗り場までの間に、一区間だけリフトに乗らなくてはならなかった為、
仕方なく最後の最後にレインスーツを着る羽目に・・・
( 惜しいねぇ〜、 5 日間全てレインスーツを着なくて済むと思ったのに〜 )
ゴンゴラに乗り換えて八方の町に下山すると、なんと雨は完全に上がっていた。
八方駅までの間に温泉があるのは知っていたので、温泉まで歩いて向かう。
八方駅までの途中にある、みみずくの湯 でお風呂に入ったが、
鏡を見てビックリ〜!! 何だ、この顔の黒さはぁぁぁ〜〜!!!!!
五竜岳の山頂で、東南アジア人と間違われたのが自分でも理解出来てしまった。
温泉を出た後、白馬駅へ行き、電車で帰宅。
5 日間歩くとかなり充実するけど、ずっと晴天に恵まれていたことが、やはり good ♪
槍穂高連峰や白馬、剱立山に比べると、少し地味なエリアに思えるかもしれないけど、
全然そんなことはなく、天気が良ければ、かなり快適な稜線歩きが出来るコースだ。
やっぱり晴天下で稜線歩きは、楽しいねぇ〜〜 \(^o^)/